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ワールドエンド・シンドローム 【わーるどえんど しんどろーむ】 ジャンル ミステリー×恋愛アドベンチャー 対応機種 プレイステーション4プレイステーション・ヴィータNintendo Switch 発売元 アークシステムワークス 開発元 トイボックス 発売日 2018年8月30日 定価 5,907円 判定 良作 ポイント 田舎町に隠された伝承と秘密夏の海と田舎に暮らすヒロインとの交流 概要 シナリオ システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 生者に紛れ込んだ死者は誰だ―― 概要 「死者が蘇る」という町の言い伝えが残る、架空の田舎町「魅果町」を舞台にした恋愛ミステリー・アドベンチャーゲーム。 閉鎖的な村、部活動、伝統を信じる村人、サスペンス要素など「ひぐらしのなく頃に」のようなゲームと言えば分かりやすいだろうか? 実際にコラボもしている。 キャラクターデザインを担当するのは「BLAZBLUE」シリーズでもキャラクターデザインを手がけた「加藤勇樹」。個性豊かに描かれた魅力的なキャラクター達と、ひと夏の恋愛を体験できる。 シナリオ とある事情で田舎町の「 魅果町 」に転校した主人公は、電車内で「 音無雪乃 」という女性に出会う。女性はフリーライターで、「魅果町」を取材して記事にしたいという。 「魅果町」は百年に一度、死者が蘇り禍(わざわい)をもたらすと言われる「黄泉人伝説」と呼ばれる伝承があり、魅果高校で教鞭をとる山城香織は黄泉人伝説を元に「 ワールドエンド・シンドローム 」という小説を書き、ベストセラーになった。 その小説は地元企業の神代堂がスポンサーとなり、人気アイドル「二カレイ」が主演で映画化されることになった。 主人公は魅果高校に転校すると、その山城香織に興味を持たれ、彼女が顧問を務めるミステリー研究会に誘われ、「 楠瀬舞美 」「 神代沙也 」「 甘奈未海 」「 山田花子 」「 麻木健介 」が所属する会の一員となる。 主人公はミステリー研究会と忘れられない一夏の体験をする。 システム 物語は「序章」「本編」「真相編」に分けられる。 「序章」では主人公が転校して来て、ニチレイ主演の映画の決定、ミス研メンバーの身内との出会いが描かれる。 「本編」では「朝・昼・晩」の三回に行動パートが用意されている。 「別荘/高校/駅前/海岸通り/住宅街/森/神代邸」の魅果町の場所を移動する。移動した場所には2~3の細分化された場所がある。例えば学校は「屋上」「部室」の2つある。2~3の場所にそれぞれ移動しても1ターンしか消費されない。 主人公は出会ったヒロイン達と交流する。選択肢は少なく、ヒロインと会うと自然と好感度が上がるシステムである。 1周目は強制的にBADエンドであるが、2周目から前周で出会ったキャラのアイコンが地図に表示される。 ヒロインと出会うとヒロインの色のオーラが現れ、それ以外だと白のオーラが表示される。 「真相編」は五人のヒロインのルートをクリアすると現れる。 システム スキップ、既存スキップ、バックログというADVの基本システムが搭載されている。 ボイス 主要イベントはフルボイス、雑多なイベントはテキストのみである。 TIPS 物語の固有名詞や解説をしてくれる。 コレクション 「魅果町」を探索するとお神代堂のお菓子やのパンフレットがもらえる。 依頼 「二カレイのサイン」などを入手してくる、魅果町のクイズに答えるなどを依頼される。 評価点 シナリオ 黄泉人を中心とする人々の思いと人間の生死を扱ったシナリオは高評価。 「死」という重い内容ではあるが、王道的で明るめな男女サークル物と田舎町の探索が挟まれるので、それほど重くなく、読み進めることができる。 一方でヒロインのエンディングをひとつずつクリアしていくことで、ルートが徐々に解放され、ヒロインたちとの甘い恋とミステリー要素が紐解かれていく展開に、多くのプレイヤーから評価されている。 各ヒロインルートの結末は衝撃的。後述の問題点も生まれてしまうものの、これらの演出により真相が知りたくなり、ゲームにのめりこむようになる。 また、行動パートでは1周目で偶発的に出会ったキャラも、次の周では意外な場所で会うことが多い。そのキャラの個別ルートへ行くと、「なんでこんな所にいるんだ?」と疑問に思った点が分かるという一度で二度美味しいシナリオである。 グラフィック 水が流れる、風車が回るなど、動く背景により、風景の作り込みも非常に良く評価される。特に海辺の波や、駅前の柳などは環境音の臨場感も合わさりとてもリアルである。 伏線 真相編では各ルートで謎だった真実が明るみに出る。各所にちりばめられた伏線及び回収、複数の謎を層にして重ねたストーリー展開どちらも完成度が高い。おかしい動きをしていた者、表情・行動が不自然な者、不自然な言動などの態度が明らかになる。 各ルートに巧みに隠されており、もう一度プレイするとにやりとできる部分が多い。 特に最後の残された伏線はプレイヤーに感嘆を与えてくれると高評価である。 キャラクター よくあるギャルゲー無個性主人公…ではなく、実は細かい背景がある。彼の言動や行動も伏線となっている。 キャラクターデザインは評価が高い。キャラ一人一人の向きや、口パク、目パチ表情など細かい挙動が合っていて雰囲気が非常に良い。 ギャルゲーだけあってヒロインキャラの魅力は十分。さらにそれぞれ秘密があり、それを知るためにシナリオに興味を惹かれる。 王道的なキャラ設定の中に本作のオリジナルの背景が詰められており、魅力的である。清々しい純愛で初々しい物語が描かれる。 デート、キスシーン、海水浴といった王道的な恋愛イベントも用意されてる。 ついでにサービスシーンも。 脇役も魅力的なキャラが多く、特に親友枠の健介の存在は重いシナリオを軽くしてくれる。 夏の田舎町の散策 町の探索は非常に楽しい。まるで夏休みに田舎町に遊びに来たような感覚で探索できる。 見どころも多く、神社や自然、海、ホテルなど名所があり、都会の喧騒を忘れさせてくれる居心地が良い世界観である。 モデルとなった町があるなら行ってみたいという声も多い。 音楽・OP BGM・OP共に評判が良い。 OPは歌詞の内容と本作が非常にマッチしている。クリア後に聞くと、感慨深いものになっている。 BGMは落ち着きのある優しい雰囲気の物が多く、田舎町の風景と組み合わさっている。 コレクション・依頼 ヒロインルートとは違う行動をとる必要があり、ちょっとしたサブイベントとして本編の塩梅となっている。 裏設定もあり、本編の補足でもある。 賛否両論点 TIPS 「428 ~封鎖された渋谷で~」などのゲームで登場するシステムであり、解説あり、笑いあり、雑学ありで楽しませてくれる。 一方、他のゲームと違い、TIPSで説明したことをキャラに再び説明させる部分があり、少々テンポが悪い。 主人公の過去 物語の肝である主人公の過去であるがその内容に賛否。 + 内容に関する詳細(ネタバレ) ネタバレにならない程度に話すと「主人公のせいで姉が事故死した」という物。 主人公自身も後悔しているが、「この世界なんて滅びてしまえ」などと悪態をつくこともあり、プレイヤーに不快感を与えることも そもそも原因の事件も、そんなことをするヤンチャな人格でもないので、「姉を助けるため仕方なく」などの設定にした方が良かったのではないだろうか? 展開が少々早い 夏休み一ヶ月の間の話であり、この間にヒロインと仲良くなり付き合う。ほとんどのヒロインの主人公に惹かれていく過程の描写が少ないため、急にヒロインが主人公のことを好きになっている、と感じるプレイヤーも存在する。 サスペンス要素は少なめ サスペンス・ホラー要素は後半に集中しており概ね全体の20%ほどである。 そのためサスペンス要素に期待すると肩透かしになる。 問題点 難易度が高い 近年のADVにしては難易度が高い。各キャラのルートに行くには、各キャラがいる場所に行って好感度を上げる必要があるのだが、ヒロインを見つけることは初見だと ノーヒントである 。ヒロインの行く場所を推理しなくてはならない。無論、誰もいない場所に行っても、 セーブ&ロードでしかやり直しもできない。 2周目から出会ったヒロインのアイコンが地図に表示されるが、攻略が終わったヒロインが表示されるだけなので、根本的解決にならない。 せめて2周目からは全てのキャラの行動を見られるようにしても良かったのではないだろうか? 攻略対象外の女性キャラがチラホラ 大人の女性が登場するが、一部を除いて彼女たちは攻略できない。 魅力的な女性キャラなので残念。 取り返しのつかない要素 あるヒロインのパートに行くと、取れなくなるTIPSがある。 2018年12月10日に配信されたパッチ(Ver1.01)で修正済み。 エピローグ 真相編が終わってのエピローグであるが、あんまり評価が良くない。 ようするに海外ドラマの最終回にありがちなクリフハンガー(*1)。 一応、続編の存在は示唆されている。詳しくは、後述の余談にて。 テンポが悪い いちいち日付が表示される、日の終りにセーブをいちいち聞かれるなど、テンポが悪い部分がある。 セーブが任意でできない。 現代ADVでは必須である好きなタイミングでのセーブが出来ない。選択肢の前にセーブしたいと思っても出来ず、一日前からやり直すしかない。 前のセーブに戻りたい時も、一度トップに戻ってから「続きから」を選ばないといけない。 一部キャラの立ち絵がない、物寂しい部分がある。 + 各ヒロインルートの結末(ネタバレ) 各ヒロインルートの結末は、真相編に繋がる1人を除きBADエンドである。 そこにも伏線と謎があるので仕方ないのだが、メイン以外のヒロインとも恋人としてエンディングを迎えたいというユーザーも存在する。 総評 田舎町を舞台にしたサスペンス・恋愛ADV。独特な雰囲気の田舎情緒溢れる夏の雰囲気が楽しめるだろう。 余談 ディレクターである金沢十三男氏から、続編『ワールドエンド・フェノメナン』の存在が示唆されている。 2023年末の個人Xによると諸事情で今は具体的に作れず、本作と世界線を共有する違うミステリー作品を制作中とのこと。
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レジェンド オブ ドラグーン 【れじぇんど おぶ どらぐーん】 ジャンル ハイグレードグラフィックRPG 対応機種 プレイステーション 発売・開発元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 発売日 1999年12月2日 定価 6,800円(税別) 配信 ゲームアーカイブス 2010年12月22日/617円PSPlus クラシックスカタログ 2023年2月21日/1,100円 判定 スルメゲー ポイント PS最高峰のグラフィック熱いドラグーン変身シビア且つテンポが悪い戦闘 SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 ストーリー 特徴 問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 ソニー・コンピュータエンタテインメントがPS後期に発売した、剣と魔法とドラゴンのRPG。主に使用される略称は『LOD』。 大容量のCD-ROM4枚組を採用し、「ハイグレードグラフィックRPG」を自称する程の美麗なグラフィックを全面に押し出して開発された。 CMではムービーを見せる前にわざわざ目の体操をさせていたほどである。 ストーリーは全4章構成。ディスク1枚につき1章分のストーリーになっている。 ストーリー テスフェル界に存在するエンディネス大陸。創世の時代、創造主ソアはこの地に一つの種子を落とし、それは「神木樹」と呼ばれる大樹となった。神木樹は108の実を付け、その実から108の種族が生まれた。105番目に強靭な生命力を持つ「ドラゴン」が、106番目に「人間」が、107番目に魔力を持つ「有翼人」が生まれ、最後の108番目の実からは大いなる神が生まれると言う。 時は流れ、世界は有翼人によって支配されていた。 魔力を持たない人間は、ドラゴンの力を得た竜騎士「ドラグーン」を生み出し、有翼人に戦いを挑んだ。 「ドラゴン戦役」と呼ばれる戦いの始まりである。 世界の地形を変えるほどの激しい戦いの後、遂にドラグーン達によって有翼人の首都は陥落する。 有翼人達は姿を消し、人間の時代が訪れた。 それから1万1千年の後。剣士ダートは故郷と両親の仇である「黒き魔物」への復讐の為に旅をしていたが、 第二の故郷であるセレスの村が戦火に晒されつつある事を知り、一時帰郷する。 その最中、既に絶滅したとされるドラゴンに襲われたダートを救ったのは謎の女性ロゼだった。 「あの村はドラゴンなしで落とされたはずなんだけど」 そのロゼの言葉を聞いたダートは急ぎセレスに向かうが、村は敵国であるサンドラ帝国の軍勢に無残に焼き払われ、 更には幼馴染の少女シェーナがサンドラ軍に連れ去られていた。 ダートは彼女を助ける為にヘルライナの監獄へと乗り込んでいくが、それはやがて世界を揺るがす巨大なうねりへと発展していくのだった。 特徴 3Dフィールドを探索するRPG。主人公の頭上にカーソルを表示させたり、アクションを起こせるポイントに近付くと!マークが出たりと、翌年に発売された『FF9』を想起させる部分もある(*1)。 戦闘はランダムエンカウント(一部シンボルエンカウント)で、素早さの高いキャラから行動順が回ってくるセミリアルタイム方式を採っている。 このようにRPGとしてはオーソドックスな作りだが、本作は戦闘システムに数々の独自要素を盛り込んでいる。 アディショナル 通常攻撃であり、必殺技。攻撃を繰り出すと画面に四角いサイト(*2)が表示され、これが中心に重なった瞬間に○ボタンを押す事で連続攻撃を繰り出す。敵にダメージを与える他、後述するドラグーン変身に必要なSPを獲得する。 アディショナルはキャラ毎に何種類も用意されており、レベルが上がれば新しい技を会得する。 ボタン入力回数はアディショナルによって異なる。最初に覚える技は一回入力するだけで良いが、性能は低い。強力なアディショナルほど入力の回数が増え、タイミングも難しくなっていく。入力に失敗するとその時点までに当てた攻撃の分しかダメージは入らず、SPもその分しか獲得できない。 入力を最後まで成功させると攻撃中のキャラが技名を叫ぶ。 各アディショナルは最後まで成功させると熟練度(AD.Lv)が上がっていき、威力や獲得SPが上昇していく。全てのアディショナルのAD.Lvを最大まで上げると、そのキャラの最強アディショナルが習得可能。 アディショナルに応じて威力や獲得SPが異なる。威力は高いが獲得SPは少ないものや、逆に威力が無いがSPを多く獲得できるもの、或いはバランスの取れたものなど様々。状況とプレイヤーの腕前に応じて適宜切り替える必要がある。 入力中、敵が反撃体勢に入る事もあり、この場合はサイトが青くなり、○ボタンではなく×ボタンを入力しなければならない。失敗すると弾かれて逆にダメージを受けてしまう。 ドラグーン ドラゴンが死後に残す魔眼「ドラグーンスピリット」に認められた者だけが変身できる竜騎士(*3)。ストーリーが進むと変身可能になり、アディショナルで稼いだSPを消費して変身する。 変身するとパラメーターが大幅上昇し、全ステータス異常が解除される上に、変身中は即死攻撃以外のステータス異常を防ぐ事ができる。 ドラグーンスピリットを持つキャラしか変身できない為、殆どのキャラは仲間になってすぐには変身不可能。ストーリーを進めてスピリットを手に入れる必要がある。また、スピリットを奪われて変身できなくなる展開もある。 変身中はドラグーンアディショナルと魔法の2つのみ選択可能で、防御やアイテム、逃走は使用不可。 ドラグーン変身にもレベル(D.Lv)が設定されており、D.Lvが上がれば変身していられるターン数が増え、新たな魔法を会得したり変身時のパラメーター上昇率が上がったりする。D.Lvはアディショナルで貯めたSPの総数(獲得したSPは全て蓄積される)が一定値に達する度に上昇する。 ドラグーン時は通常攻撃が「ドラグーンアディショナル」に変わり、空を縦横無尽に飛び回りながら連撃を繰り出して攻撃する。 ボタン入力は通常のアディショナルと異なり、回転する光点が丁度一周したタイミングで○ボタンを押す。光点は最大4回転するが、失敗したらそこで終了。成功回数に応じて攻撃回数が変わる。 パーフェクトを出せば攻撃が最後まで続き、演出付きで派手に決める事が出来る。 ドラグーン時は魔法を使用可能。MPを消費して攻撃や回復、補助効果のある魔法を放つ。 パーティーメンバー全員のSPが満タンの時のみ「スペシャル変身」が使用可能。全員で一斉にドラグーンに変身し、更にこのコマンドを実行したキャラの属性に応じたドラグーン空間が発生する。 ドラグーン空間を発生させたキャラは無条件でドラグーンアディショナルがパーフェクト扱いとなり、更にその空間の属性の魔法は威力が増大する。逆に反発する属性の攻撃は弱体化する。 これは敵味方全てに適用される為、敵と同じ属性のドラグーン空間を発生させてしまうと逆に不利になるし、また、味方も相性の悪い属性だと魔法を弱めてしまう。 攻撃アイテム 非変身時は魔法が使えないが、攻撃アイテムによる属性攻撃は可能。 アイテムの魔法攻撃が発動中は○ボタン連打によって効果を高める事ができる。連打によってエフェクトが派手になり、威力も上昇する。 各属性の最強アイテムは全体攻撃であり、自動で最大の威力が出るので連打の必要は無い。 攻撃魔法以外にもステータス異常を起こすアイテムも存在する。 攻撃アイテムのチュートリアルの際には一般人の商人が身体を張ってレクチャーし、しかも威力を最大まで高めても平然としている。 その他のシステム 『モグ~ルダバス』 ストーリー中に出会う商人ダバスを主人公としたミニゲーム。ポケットステーションでプレイ可能。 穴を掘って敵と戦いながら地中を進んでいく。発見したアイテムは本編で入手したり(*4)、自身の強化に使う。全5ステージ。 各ステージの最奥部にはボスが待ち受けており、倒すと本編では滅多に手に入らない、或いは入手不可能なレアアイテムが手に入る。 ボスの中にはドラゴンやヴァラージ(*5)も存在する。 ダバスは見た目はただの太った中年商人で勿論ドラグーンとは何の関係も無い一般人なのだが、本ゲームではツルハシ一本でこれらと対等に戦う戦闘力を発揮する事に。上記の魔法アイテムの商人と言い、この世界の商人は猛者が多いらしい。仲間になれば良かったのに 問題点 プレイヤーを選ぶ厳しいバトル 本作の人を選ぶ要因として、プレイヤーをふるいにかけるバトルテンポの悪さとシステムのストイックさが挙げられる。 尋常ではないバトルテンポの悪さ。 行動順が回る度にワンテンポのウェイトが入る上、敵味方共に攻撃の演出が長い。ボスは更に長い。全体的に敵が強い為、ボス戦が数十分に及ぶ事などザラである。 ラスボスに至ってはその強さも相俟って、下手な戦い方では撃破まで2時間近く掛かる事も。 テンポを重視する人はまずここで脱落していく。快適性を求める人にはお勧めできない。 戦闘の難易度の高さ。 ボスは全体的に強く、後述するシステム面の厳しさもあって、上手く戦略を立ててアディショナルも使いこなさなければ苦戦は必至である。 そこに更に前述のテンポの悪さも重なり、多くのプレイヤーの心を折っていった。 敵の素早さも高めで、パーティー編成次第では先制攻撃や連続攻撃を喰らう事も少なくない。特に第2章で戦うリーナスは場合によっては5回も連続で行動される事すら有り得る。 アディショナルの難しさ。 アディショナルのタイミングはシビアなものも多く、練習を重ねて体で覚えるしかない。 しかも新しいアディショナルを会得しても、成功を重ねて熟練度を上げないと性能が低いままである。苦手な人は簡単なアディショナルに頼るしかない。 しかしそういったアディショナルは性能が低く、戦力の低下を他で補わなければならない上、ただでさえ長丁場のボス戦が更に長くなる。 また、タイミングを体が覚えても「反撃」が辛い。 シビアな連続入力中にとっさに押すボタンを変えるだけでも難しい上、反撃への入力成功時も、時間が止まるエフェクトが発生した後いきなり攻撃動作が再開し、アディショナルのタイミングがズレるため、次の入力のタイミングがガラッと変わってしまう。アディショナルごとに何回目の入力で反撃が起きうるかは完全に固定だが、ハッシェルの「六道七生」などは反撃前後の入力間隔が各0.6秒、0.5秒しかなく、非常にシビア。 ボス戦こそ性能のよいアディショナルをセットしたいのは当然なのだが、高性能≒難しいアディショナルという事でもあり、総じて長期戦になりがちなボス戦で高難度のアディショナルを複数のメンバーにセットして挑むとプレイヤーの神経が保たない。 テンポの悪さを乗り切っても、ボタン入力が苦手な人はここで挫折しがち。 一応、「闘神の導き」というアクセサリーを装備すれば無条件で成功になるが、威力は半減する上、熟練度も上がらないのでタイミングを調べる位しか使い道は無い。 上位版の「闘神の極み」なら威力は下がらないし、熟練度も上がるのだが、期間限定のレアアイテムでしかも簡単には手に入らない。 システム的な都合か、弓使いはアディショナルが使えない。 他のRPGでは弓技があったりするが本作には一切無く、たった一本の矢を射る事しか出来ない。攻撃力は極めて低い上、獲得SPも少ない。 一応、D.Lvが上がれば獲得SPも増えるが、非効率であることに変わりない。 ドラグーン時も同様なので、変身状態で通常攻撃をする意味など皆無に等しい。 ラストダンジョンでは弓使い1人でボスと戦う場面があり、しかもその戦闘ではドラグーンになれないので、攻撃アイテムが無いと大変な事になる。 しかもラストダンジョンの最初の関門であり、これを突破しないと補給地点にも辿り着けないので初見殺しの要素となっている。 アイテム所持制限が厳しい。 消費アイテムが僅か32個しか持てない。32種類しか、ではない。総数32個までしか持てないのである。種類別に個数管理も出来ない。 HP回復アイテムは勿論、MP回復アイテム、SP補充アイテム、蘇生アイテム、ドーピングや敵の弱体化、攻撃魔法アイテムと数多くの種類の中から取捨選択し、かつ節制しなければならないのである。 一部にはショップが長い間利用出来ない箇所もある為、計画的に使用しないとアイテム不足に喘ぐ事になる。 第1章のラストダンジョンにあたるブラックキャッスルは一度入ったらクリアするまで出る事は出来ず、中には回復ポイントこそあれど店は無い。ダンジョンとしても長丁場になる上、ボスも2体存在する。しかも最後のボスであるドウエル皇帝はかなりの強敵であり、直前のボスまでにアイテムを使い切ってしまうと詰む可能性もある。 終盤に行くことになる魔都アグリスもクリアするまで出られず、しかもこちらは回復ポイントすら無い。ただ、進入時にクリアまで出られない事は判る為、ブラックキャッスルを経験したプレイヤーなら上書きセーブや準備不足に対して警戒するだろう。また、ボスも一体のみである。 雑魚敵から得られる経験値と金が雀の涙。 例えば、Lvアップに必要な経験値が2,000くらいで、店売り装備が1か所200~300Gくらいの時、Lv的に適正な雑魚敵を全滅させて得られるのは経験値40程度と20G程度である。 一方で同じ時期のボス戦だと得られるのは経験値1,500程度と200G程度。したがって、レベルは大体ボス戦で上がり、装備の新調も大半はボスが落とす金で賄う事になる。 しかも、戦闘に参加していない控えのメンバーには、さらにその半分の経験値しか入らない。戦闘不能キャラに至っては経験値無しである。戦闘不能のキャラが出た状態でボス戦が終わるようなら、一度リセットしてやり直した方いいことさえある。 アディショナルを何度も繰り返し、時にアイテム消費もしなければならない、それなりに歯ごたえのある戦闘を経てこれなので、雑魚敵を狩ってコツコツとレベル上げや資金稼ぎに勤しむのは、無駄でこそないが非効率的である。また、買い物も切り詰めて行かないと金欠に陥りやすい。 上記のブラックキャッスルで「回復が出来るから雑魚でレベル上げすれば詰む心配は無い」と軽々しく言えない理由はここにある。アイテムを使わずにボスを倒せるほどに強化するとなると本当に膨大な手間が掛かるのだ。 故に、計画的なキャラクター育成が求められる。 全員に均等に経験値を振り分けようとすると、後半レベルが足りなくなる事態に陥りやすい。 さりとて、戦闘メンバーを完全に固定してしまうと、控えメンバーを使わざるを得ない状況になったとき非常に厳しくなってしまう。(*6)レベルに加え、控えメンバーのAD.LvとD.Lvは一切成長しないことも要因の一つ。 装備に関しても、とてもじゃないが全員の分を新調する余裕はないので、取捨選択が必要。 経験値、金を多く落とすレアモンスターも各地に居るが、いずれもすぐに逃走したり入手が難しいアイテムしか効かなかったりと、倒すのは困難。 その一方で一部の店には冗談のような高額で売られている装備品も存在する。但し、これらはゲームバランスを崩壊させかねない超高性能装備で、入手自体がやり込み要素のようなもの。 「エスケープ」の使い勝手の悪さ。 戦闘テンポが悪い、雑魚敵の経験値は極小、とくると「エスケープ(逃走)」を適度に使いたくなるが、成功率が低くあまり当てにできない。 逃走に失敗すると、前述の敵の素早さが高めという問題からタコ殴りにされる場合が多い。ピンチの場合の選択肢としては非常にリスキーである。 ゲーム進行に伴って明らかに確率が落ちて行き、中~後半は一発で逃走成功することは稀になる。 公式ガイドブックによると、逃走成功率は場所ごとに一定の確率が設定されており、全4章の内1章は50%~、2章以降は大部分が30%になり、4章では0%の場所も存在するという。 繰り返し使用可能な逃走用アイテムの「煙玉」の入手が可能になるのは、ストーリーも後半の頃にやっとである。 寄り道イベントで発生する戦闘でドロップするのだが、一度取り逃すと再入手の機会はゲーム最終盤になってしまう。 主人公のダートを戦闘メンバーから外すことができない。 ダート自体はバランス型のステータスで、決して弱いキャラではない。しかし、補助魔法すらない完全攻撃特化という尖ったタイプであるため、パーティメンバーを3名しか選べず、戦闘難易度の高い本作では、他の枠は補助や回復が強力なキャラを入れる形になりやすい。 その割に他の攻撃特化キャラまで固定参戦のボス戦もある。 基本的にダートは炎属性のドラグーンであるため、水属性のドラグーンであるメルとは上述した「スペシャル変身」の相性が非常に悪い。 雷と無属性以外には反属性がある以上、ダートのスペシャル変身でメルが不利になるのは仕方ないが、ダートが固定という事はメルのスペシャル変身では必ず不利になるキャラが出る事を意味する。反属性キャラを同時に加入させないという戦略が水属性に関しては使えないのである。 また、炎属性キャラが固定であるため、単純に水属性攻撃がパーティの弱点となりやすい。 中盤、結構な期間でダートがドラグーンスピリットを失うイベントがあり、その間はパーティ全体の戦力減になる。もちろんその間スペシャル変身はお預け。 忘れた頃の最終盤にも、また同じくダートがドラグーンスピリットを奪われる戦闘がある。 このように本作は全体的にシビア&ストイック&不親切な作りでプレイする人を選び、快適なゲームプレイ、親切設計なゲームバランスに慣れているプレイヤーは大抵途中で投げ出してしまう。 バトル以外の問題点 仲間キャラの1人であるコンゴールの扱いが不遇。 第1章では敵として立ちはだかり、第2章にて主人公達のピンチに駆け付ける。序盤の強敵であり、後に仲間になるキャラとして前半は存在感がある。 しかし大体の見せ場はそこまでで、以降はあまり会話に絡まず目立たない。 それだけならまだしも、ドラグーンスピリット入手すら任意イベントであり、しかも他のメンバーのように激しい戦いやドラマを経て手に入れる訳では無く、「露店で売られている珍しい石が実はスピリットで、たまたま一行が通りかかった際にコンゴールが選ばれた為、吹っ掛けてきた商人に大金を渡して購入する」というなんともあっさりした入手経緯である。 何より、そのイベントに気付かなければいつまで経ってもドラグーンになれずに進む事になる。 イベント発生場所はコンゴールが仲間になる前の章の街なので、わざわざ戻らなければならず気付きにくい。一応、ヒントを話すNPCも存在するが、それも気付けなければ意味は無い。 入手しなかった場合はラストダンジョンで入手イベントが挿入されるので、最終的にはドラグーンになれる。しかし当然D.Lvは1なので、余程鍛えないとそこから戦力にするには厳しい。 バトル面でも冷遇気味で、アディショナルも魔法も最強のものを含めて僅か3種類ずつしかない。他の仲間で言えば、アディショナルは大体5、6種類はあり(*7)、魔法はコンゴール以外は全員4種類持っている。 最強のアディショナルは入力回数が他のキャラより少なく入力も難しくない代わりにダメージ倍率が低く(*8)、せっかくの攻撃力の高さを実感しづらい。 魔法もコンゴールの魔力の低さから威力も低く、しかも3種類全てが全体攻撃且つ特殊効果も無いので使い所が難しい。 パラメーターは典型的なパワータイプで、物理攻撃、防御が最も強く、魔法攻撃、防御が最も弱い。素早さも最低で、行動順が素早さ値で決まる本作ではなかなか順番が回って来ず、活躍しにくい。 勿論、これらをアクセサリーで補う事は可能。素早さを上げる「盗賊の靴」などで強化すれば安定した強さを発揮できる。 ディスク交換の手間。 汎用データを極力削って本編やムービーに容量を割いている為か、第3章(ディスク3)からは前の地域に戻る度にディスクの入れ替えが発生する(正確には前の地域にある街やダンジョンに入った際に)。 基本、後戻りをしない冒険で、前の地域に戻る必要もあまりないので、ストーリーを進めるだけなら問題ない(*9)が、隠し要素やサブイベントの回収で戻る際には手間が掛かる。 PSゲームアーカイブスとPSPlus クラシックスカタログの配信版ではこの問題は解消している。現在、購入を考えているプレイヤーにはこちらがオススメ。 マップ移動の不便さ。 本作のワールドマップはダンジョンや街となる点を結んだ線の上を歩くタイプで、道中の洞窟などのダンジョンは移動の度にちゃんと中を通って通過する必要がある。 また、ワールドマップ中でも通常通りエンカウントはする。エンカウント率もダンジョン内より高め。 終盤、世界を飛び回れる移動手段が手に入るのだが、移動出来るポイントは決まっていて、そこ以外に行く場合は自力で歩いていかなければならない。 エクストラボスのいるダンジョンは別のダンジョンを経由しなければ行けない所にある為、移動が面倒である。 上記のディスク交換の問題も相俟って、おまけ要素の為の過去の地域の探索が億劫になりがち。 本作は過去の地域でもストーリー進行によってNPCの台詞が変わったり小イベントがあったりなど作り込まれているだけに、それを体験するが面倒な仕様になっているのが残念である。 サイケデリックボムのショボさ。 終盤に「主人公達の勇気によって作られる強大な力」として登場するが、大層なイベントを入れた割には実際はただの使い捨て攻撃魔法アイテムに過ぎない。しかもごく一部の敵は普通に使ってくる。 そのイベントで全て正しい選択肢を選ぶとパワーアップ版の「サイケデリックボムX」が手に入るが、効果が(繰)(*10)になるだけ。寧ろ無印でもそれぐらいの効果は当たり前であってほしいものだが。 賛否両論点 ドラグーンは変身シーンなどもあって正に戦隊モノのノリ。決してふざけている訳ではないのだが、硬派なファンタジー路線を期待してプレイすると面喰うかもしれない。 鎧のデザインも中世ファンタジーのイメージとは少々かけ離れた変身ヒーロー風で、好みが分かれやすい。 最強の剣を主人公が装備できない。 ラスボス前に最強の剣が手に入るのだが、これを装備できるのは主人公のダートではなく別のキャラである。 この剣はエンディングで当該キャラが実際に使用し、且つストーリー的にもその役割はダートではなくそのキャラでなければならないものだが、序盤から最強にして恐るべき武器として存在感を示していた剣を主人公が装備できない事を残念がる声もある。 但し、この時にダートはダートで別の形で最強の力を手に入れるので、主人公としての立場が喰われている訳ではない。 では実際のダートの最強武器はと言うと、寄り道した際に戦うボスである「過去の戦役で死んだ兵士達の怨念」の宿った剣とあまり気持ちの良い物ではない。毎ターンHPが減少するというデメリットも付いており、攻撃力もデメリットの事を考えると特別高いとは言い難い。(*11) 評価点 グラフィック面 圧倒的なビジュアル。 「ハイグレードグラフィックRPG」は伊達ではなく、そのグラフィックは正にPS最高峰と言うべき代物であり、全世界規模による最大かつ最高のコンピュータグラフィックスの祭典「SIGGRAPH」でも1999年に入選作品として選定された程である。 ストーリーの随所に挿入されるムービーはPS用ソフトとはとても思えないほどのクオリティを放つ。当時のFFすら裸足で逃げ出す出来であり、下手なPS2ソフトよりも美麗。 特にドラゴン戦役やエンディングのドラグーン達が飛び回るムービーはBGMの熱さと相俟って圧巻である。 ムービーだけではなくマップのビジュアルも実に美しい。元より幻想的なデザインの多い世界だけに、一部のマップの美しさはもはや芸術的ですらある。 自然の描写も緻密で、例えば序盤に訪れる草原の川は水の質感が実にリアル。今見ても見劣りしない。 反面、ムービー以外のキャラはローポリで、イメージとしては『FF7』が少し進化した程度。戦闘中のフィールドも粗め。 PSソフトとしては低品質と言う訳ではなく寧ろよく出来ている方だが、マップの背景があまりに美麗な為、相対的に粗く見えてしまう。 キャラ自体はフィールド、バトル共によく動き、プレイヤーを退屈させない。特にボス戦では勝利後にバトル画面のままイベントに突入することが多く、ストーリーを彩る。台詞が字幕のみなので音声があればもっと良かったが。 独創的なデザイン。 前述したが、ダンジョン、街並み共に独創的・幻想的なマップが多く、美麗なグラフィックと相まってプレイヤーをエンディネス大陸に引き込んでくれる。 登場するドラゴンのデザインも秀逸。最初に対峙する「緑牙竜フェルブランド」からして八本の足と三つの目を持つカマキリに似た造形で、一般的なドラゴンのイメージとは大きくかけ離れている。 他のファンタジー作品に登場するような爬虫類的なドラゴンはほぼ登場せず(*12)、いずれも異形の生物であるがそれ故に獰猛さや強大さが際立ち、本作にしか無い独特の味わいが出ている。 特にストーリー後半に登場する最強のドラゴン「神竜王」は荒れ狂う姿がムービーで描かれ、その名に相応しい迫力を見せつける。 システム面 ゲームバランスのシビアさは上述した通りだが、それ故にシステムを理解しきれば戦略に富んだバトルが展開できる。 「防御」は次の行動順まで魔法攻撃を含むあらゆる攻撃のダメージを半減しつつ全状態異常を完全に防ぐ効果を持ち、実行時にはHPの最大値の10%を回復する事も可能と高性能であり、使い所は多い。事実上無限に使える回復手段であり、こまめに使えば、価格・所持数の面から多用できない回復アイテムを節約できる。 前述の通り、今作の魔法は戦闘中かつ変身中しか使用できない限定的なシステムだが、その分、低消費で味方全員が3ターン全ダメージを半減する「フラウアストーム」、全体回復+戦闘不能を含む全状態異常解除の「ヘブンズゲイト」など、強力なものもある為、プレイヤー側にばかり厳しいという訳でもない。 ドーピングや弱体化アイテムなどの戦闘用アイテムは所持数の厳しさやアイテム自体の貴重さもあってか全体的に高性能。上手く使えばボス戦でも有利に運ぶ事も出来る。 最も低性能の回復アイテム「ヒールポーション」ですら、その回復量は最大HPの50%という高性能ぶり。後になると全員の最大HPの50%を回復する「ヒールブリーズ」や、1人のHPを全回復する「ヒールフォグ」も手頃な値段で売り出される。 他にも普通に魔法を使ったのではコストパフォーマンスが悪いキャラをアクセサリーで補ったり、魔力の高いキャラを攻撃アイテム要員にして敵の弱点属性をどんどん突いたりなど、戦術の幅は広い。 このようにしっかりシステムを理解して効率的な戦い方さえすれば、あまり苦労せずに進める事ができる。決して理不尽な難易度ではない。 アディショナルも難しいが歯応えがあると言う事でもあり、ハマればプレイヤーを熱中させる熱さがある。 最初はまるで出来なかったアディショナルでも、練習を重ねて苦も無く出せるようになれば達成感が味わえる。上手く決まれば派手な動きやキャラの叫びも相俟って爽快である。 「クラッシュダンス」、「ロッドタイフーン」などは慣れてしまえば比較的簡単に成功出来、威力と獲得SPのバランスも良いので主力として使える。 「マッドネスヒーロー」など、難しいようでいてコツさえ掴めば楽に出せる技もある。 メルの「パーキーステップ」は、最終アディショナルの例に漏れず入力が難しいが成長による威力の強化度合いが大きい。最大まで強化すれば、弓使いに次いで物理攻撃力の低いキャラでありながら、物理特化のコンゴールに匹敵するダメージを与えられる。しかも彼女の素早さはメンバー中最高(=行動頻度が最も高い)なので、入力を成功させる腕があれば非常に高いダメージ効率を出せる。獲得SPも悪くない。 実際の所、戦闘のテンポは悪いが、通常攻撃には常に失敗の緊張感が漂う為、特にボス戦は相手の手強さもあってダレている暇は無い。 敵の残りHPに応じてカーソルの色が変化する為、ボスの強さもあり、カーソルの色が変われば「あと少し!」と言うようなデッドヒート感が出せている。それだけにあと一歩で負けた時の虚脱感も大きいが。 テンポの悪さの原因でもあるが、バトル演出は凝っており、見応えがある。 ドラグーン変身は全員違った変身シーンが用意されており、炎の翼を纏ったり、氷を割って吹き出した冷気を浴びたりなど、それぞれの属性ならではの変身の仕方をする。デザインこそ好みが分かれるが、変身シーンは十分に格好いい。 ヒロインのシェーナの変身に至っては羽が舞う光の中で裸体が見えるというとんでもない代物。どこの美少女戦士ですか。 オプションにて変身演出を「ショート」に変更する事は可能。その場合は変身解除と同じ演出で変身する。 魔法もまた凝っており、「呪文を詠唱して発動する」という一般的な魔法のイメージをぶち壊す派手なものが多い。ダートが最初に覚える「フレイムショット」からして完全にヒーローの必殺技である(*13)。 バトルは突き放したようなストイックさだが、それ以外は親切に作られている。 主人公の位置やマップの切り替えポイントはマーカーで表示されるので分かり易い。勿論、非表示も可能。また、宿屋と治療院は黄色、商店は青と、マーカーの色分けもされている。 更にエンカウントが近付くと主人公のマーカーの色が青→黄色→赤と変わると言う目安まで用意されている。 クリアするまで出られなかったり長丁場になるダンジョンには回復ポイントやショップが用意されていたりと、基本的に詰み防止も行き渡っている。上述したブラックキャッスルと魔都アグリスが例外だが、詰みやすい箇所はそれぐらいである。 ラストダンジョンも一度向かうと元の世界に戻れないが、ある程度進めば店も回復ポイントも利用可能になるので、詰む心配はほぼ無い。唯一の鬼門は上述の弓使いのボスだが、ラストダンジョンに向かう際には「もう後戻りはできない」という警告と選択肢が出るので、ここまで辿り着いたプレイヤーなら軽々しく上書きセーブをする事は無いだろう。 ストーリー・キャラクター面 練り込まれた世界観とストーリー。 メインのストーリーは戦乱や陰謀に巻き込まれた主人公がやがて世界の命運を賭けた戦いに挑むと言う王道の流れだが、そこにドラグーンという変身ヒーローアニメか戦隊モノ的なエッセンスを加え、独特の物語を展開している。 遥か過去から続く歴史が複雑に絡み、そこに多くの思惑が交錯し、重厚な世界観と合わさって大きく展開する。序盤で主人公が身を投じる戦争は序曲に過ぎず、そこから始まった一人の男を追う旅は多くの人々や他国を巻き込み、やがて1万1千年前の戦乱、創造主による世界創生にまで繋がっていく。そのスケールは正に壮大。 戦争を通じて主人公の旅が始まる第一章。異国での新たな出会いや戦いを描く第二章。最強のドラゴンの襲撃、宿敵との決着、姿を現す黒幕と、物語が急展開を迎える第三章。そして全ての謎が明かされて最終決戦に向かう最終章と展開にメリハリがあり、プレイヤーを飽きさせない。 全体的に重いストーリーで暗い展開が少なくないが、熱いシーンやコミカルなイベントも多数用意されている。 設定も神話レベルから細部まで作り込まれており、世界観をより奥深いものにしている。 公式ガイドには本当に細かい所まで設定が組まれている事が書かれている(*14)。時にはマップの傍らの小物や武道大会にしか登場しない対戦相手にまでわざわざ設定がある事も。 伏線も丁寧に張られており、意外な所が繋がったり、2度目のプレイで気付く事もある。 あまりやり込まずプレイしても、クリアまでは大体50時間以上は掛かる。上記のボス戦が長い事を加味したとしてもストーリーのボリューム自体も多い。 当時のFFなど、CD-ROM3、4枚組のRPGは最終ディスクがラストダンジョンのみと言う作品が多く、最終ディスクがエンディングしか無い作品すらもあったが、本作は問題点にあるようなディスク交換の手間を設けた為か、ディスク4に入ってもまだまだ冒険は続く。 魅力的なキャラ。 全体的にキャラが生き生きとしている。パーティーメンバーやストーリーに絡むキャラのみならず、サブキャラ、街の一般NPCまで人間臭いキャラが多い。 パーティーメンバー1人1人に見せ場や個別のイベントが用意されており、ストーリーが進んでも皆程よい存在感を示しており、空気になるキャラは殆どいない。 上述したコンゴールも会話に絡む機会や活躍の場こそあまり無いが、個別のエピソードはちゃんとある。 主人公ダートは正義感の強い熱血漢で、赤い鎧に火属性、更には声優が関智一氏(*15)と、これでもかと熱血要素をぶち込んでいるが、普段は年相応に落ち着いた性格で、暑苦しさはあまりない。 …が、その所為で周りの濃いキャラに振り回されたリ、一部イベントではプレイヤー次第で奇行に走らされたりと苦労も絶えないキャラである。 アディショナルのネーミングセンスがぶっ飛んでいる事でも有名。「マッドネスヒーロー」「炎ダイナミック」と、他ではまずお目に掛かれない名前の必殺技を持つマッドネスヒーローである。 他にもミステリアスで危険な香り漂う美女・ロゼ、陽気な爺さんのハッシェルと言った個性的且つ嫌味な所が少ないキャラが揃っている。中でも踊り子のメルは特に人気が高い(*16)。 シェーナは正統派のヒロインであるものの、終始ダートにお熱な恋する乙女という感じで、時折プレイヤーをやきもきさせるような行動を取ったりダートにクサい台詞を言わせたりなどする事から他のキャラに比べると人気は今一つだが、上述のドラグーン変身シーンで注目を集めた。但し…。 + ネタバレ シェーナはストーリー後半で離脱してしまい、代わりに加入するミランダ(三十路)にこの変身演出も引き継がれてしまう。鎧は流石にミニスカートではなくなっているが…。 熱き漢・ラヴィッツ。 最初の仲間であり、ダートの相棒的存在となる騎士。父親を早くに亡くした所為かややマザコン気味だが、忠義にも情にも篤く、誠実。ダートとシェーナの仲を応援したりといい奴で、キャラ人気自体も高い。最初のアディショナル「ハードポーン」も(主にネタ的な意味で)妙な人気がある。 ストーリー中でも父の仇との対決、ドラグーン覚醒といった見せ場もあり、存在感の強いキャラである。しかし…。 + ネタバレ 第1章終盤で非業の死を遂げる。以降はラヴィッツの主君であり、槍術の弟子でもあるアルバート王が仲間になり、彼の方が最後までドラグーンとして共に戦う事になる。 その早過ぎる死は、最後まで一緒に戦うものだとばかり思っていた多くのプレイヤーの度肝を抜いた。 ほぼ序盤に退場すると言う事で、全体的な出番は少ないのだが、それまでの活躍とその散り様によって非常に強い印象を残すキャラである。 終盤のある一幕でも彼の存在は物語に大きな影響を与え、更にエンディングの彼に関するシーンの演出は多くのプレイヤーの感動を誘った。 アディショナルは普通に進めてもラヴィッツの時点で最終1個前の物まで習得できるため、各アディショナルを成功させる根気さえあれば最強のアディショナルの習得も十分可能となっているのは嬉しい所。 勿論、彼と入れ替わりに加入するアルバートも、若く聡明な王ながらややロマンチストで天然な一面があったりと、ラヴィッツとは別の魅力を持ったキャラである。 魔法「フラウアストーム」をラヴィッツが使うと桜が舞っていたのが、アルバートだと薔薇が舞うようになるという芸の細かい演出もある。 アディショナルはラヴィッツのものを引き継ぐが、モーションや入力タイミングは全体的にスピーディになるなどまったくの別物に。多くのプレイヤーは困惑しただろう。 その他 サウンド関連。 壮大且つ幻想的な世界を彩るBGMもまた全体的に高品質。特に城下町や王城の曲は人気が高い。 ダンジョンは地味な曲が多いが雰囲気を出せており、加えて水音、風音、鳥のさえずりなどの環境音もしっかり流れる為、その場所の空気が伝わってくるようなものが多い。BGMとしては良質。 逆にイベントシーンは盛り上げる曲が揃っている。特に主人公のテーマはベタとすら言えるほどの熱血ヒーロー調で、熱い事この上ない。 ボイスは戦闘とムービーのみだが、演じる声優陣にも抜かりはない。パーティーキャラだけでも先述した主人公ダート役の関氏を始めとして、冬馬由美氏や岡村明美氏、三木眞一郎氏などの実力派声優が務めている他、敵役も速水奨氏に大塚明夫氏、塩沢兼人氏と錚々たる顔ぶれである。 ムービーの語りのみの出演ではあるが、こちらも平田広明氏や麦人氏など豪華な顔ぶれが並ぶ。 メインストーリー重視だが、おまけ要素もそれなりにある。 全世界に散らばる「スターダスト」と言う石を集める収集要素も用意されており、数も50個と多い。一定以上集める度に強力なアイテムが貰える。 ストーリー上戦わなくても良いエクストラボスも複数登場する。スターダストを全て集めると最強のボスと戦える。 サブイベントは少なめで期間限定のものが多いが、どれも面白いものや一見の価値のあるものが揃っている。 各街には小ネタがあったり、街の住人達の台詞もストーリー進行に応じて変化する事が多い(*17)。オブジェクトを調べた際の主人公の反応も豊富。 報酬はそれほど多くないが、間違い探し、ボール当て(*18)、野菜の千切りなどのコミカルなミニゲームも用意されている。 野菜の千切りに至っては、パーティメンバー全員で挑戦可能な上、切った野菜の数、包丁を振った回数のトップのキャラがそれぞれ記録されるという凝りようである。 総評 バトル面でのストイックな作り、シビアなゲームバランス、テンポの悪い戦闘と、万人に勧められるゲームではないのは確か。 耐えられなかったプレイヤーは早々に投げ、クソゲー呼ばわりしても仕方ない作品ではある。 しかし作品そのものは壮大且つ細部まで丁寧に作り込まれており、大作RPGと呼んで差し支えない出来でもある。 その世界観に魅せられ、システムにも上手くハマれた上で最後までプレイした人には高評価を下す人も多く、今も根強いファンが存在する。 馴染めず途中で脱落してクソゲーと認識するか、上手く馴染んで名作として心に残すか、いずれもプレイヤー次第である。 以下は作中の台詞だが、本作をプレイする上でも当てはまると言えるかもしれない。 「ドラグーン集いし所、動なる戦いがあり、ドラグーン別れし所、静かなるとき訪れる……運命の鎖を断ち切るのは、あなたの自由よ」 余談 主人公ダートの故郷「ニート」がある意味有名。 この村は18年前に滅ぼされ、僅かな生き残りしかいなかった事から「惨劇の村ニート」と呼ばれているという中々重い設定がある。 …が、本作発売から数年後に「若年無業者」としてのニートという言葉が日本で浸透してしまった為、今となっては「そのネーミングが一番の惨劇である」などと言われてしまっている。言うまでもなく発売当時はそんな言葉は知られておらず、スタッフとしても予期出来るはずも無かっただろうが…。 ノベライズとコミカライズがそれぞれ1巻ずつ刊行されている。どちらも本編の第1章のみを描いている。 小説版の方は比較的本編に沿っているが、漫画版はかなり本編と異なっている。 + 具体的には… 一番の違いはラヴィッツが最後まで生き残る事である。他にも王都ベールに行かない、勇者大会が無い、ハッシェルが扉絵にしか登場しないなど本編との相違が激しい。 尚、作者のかぢばあたる氏が過去に手掛けた『スターオーシャン』のコミカライズも同じく短期連載の為かオリジナル展開が多かった。 ストーリー序盤、「城塞都市ホークスにドラゴンが攻めてくるかと思ったら巨人が攻めてきた」と言う、まるでプロ野球ネタかと思わせるような展開がある。 スタッフが意図したものかは不明だが、少なくとも小説版作者はそう捉えていた模様で、あとがきにその旨が書かれている。 日本ではそこそこの売り上げと知名度に留まっているが、海外を含めると200万本近くを売り上げるヒットを飛ばしている。 特にアメリカでは人気で、「プレイステーションソフトの現代にリメイクして欲しい作品」のアンケートの上位常連であるほど。 続編の構想もあり、実際開発も予定されていたそうだが諸事情で中止になったとの事。 本作のディレクター・シナリオ・ゲームデザインを務めた長谷部裕之氏は『スーパーマリオRPG』でバトルデザインを担当していた人物である(*19)。 本作のアディショナルや魔法アイテムの連打は、ある意味同作のタイミングよくボタンを押して攻撃や魔法を強化する「アクションコマンド」の発展形と言えるかもしれない。 実は本作のダートは『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』にてDLCとして参戦予定だったのだが、それ以前の同作DLCの売れ行きが芳しくなかったので中止になったという。高品質なグラフィックでドラグーンの活躍が見られたかもしれないと思うと残念。 2010年12月22日にはゲームアーカイブスで配信開始。ゲーム中の操作は必要だがディスク交換の手間は大きく軽減されている。 2023年2月21日にはPSPlus クラシックスカタログに追加され、PS4とPS5でもプレイ可能に。こちらは他の配信タイトル同様、巻き戻し、クイックセーブ&ロード、トロフィー機能が追加されている。ただし、PSVitaでポケットステーションの機能が使えるGA版と違って当然ながらこちらはモグ~ルダバスはプレイ不可。
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りんたろー。とワニの村 【りんたろーとわにのむら】 ジャンル アドベンチャー(公式ジャンル 野田ゲー) 対応機種 iOS 9.0以降Android 4.1以上 発売元 吉本興業 開発元 よしもとゲームズ新宿ロケッツ 発売日 【iOS】2020年10月30日【Android】2020年11月9日 定価 250円(税込) プレイ人数 1人 レーティング 【iOS】4歳以上対象【Android】16歳以上対象 判定 なし ポイント 野田クリスタルが作成したEXITのADVゲーム良くも悪くも野田ゲー死に覚えゲーなのにセーブ/ロード一切無し 野田ゲーシリーズリンク 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 吉本興業所属のチャラ男キャラで知られるお笑いコンビ「EXIT」を題材としたアドベンチャーゲーム。 本作は同じく吉本興業所属のお笑い芸人で、当時R-1ぐらんぷり 2020で優勝したことにより、それなりに知名度の上がってきたマヂカルラブリーの野田クリスタルが勝手に作成したゲーム(通称「野田ゲー」)であり、吉本興業から発売された。 本作には課金要素は一切なく、完全買い切り型のゲームとなっている。 企業パブリッシングされた野田ゲーは『すごい事になりそうだ!!組体操合戦』に次いで2作目となる。 特徴 本作のストーリーは簡潔に書くと「ローカル番組でアマゾンの奥地にロケをしにいったEXITがワニの村に遭遇し、ワニに捕まったかねちー(兼近)をワニと勘違いされたりんたろー。が救い出す」というもの。 システムは文章を読み進めながら、選択肢をタップで選んでいくというかなりシンプルな内容。 エンディングはマルチエンディングとなっている。 エンディングではないが、選択肢を間違えると即ゲームオーバーとなる場面が多く、ゲームオーバーの回数もカウントされる。 評価点 EXITのゲームとしては意外と堅実な出来 一見謎すぎる内容故にEXITの人気に便乗しただけのゲームと思われる方もいるかもしれないが、そんなことはなくEXITのキャラクターをしっかりとゲーム内に反映させている。 カメラが回っている間はチャラいが、スタッフに対する姿勢は真面目であるなど、ちゃんとEXITの人柄を再現している。 ボケ担当のかねちーこと兼近大樹がベビーシッターの経験がある、ツッコミ担当のりんたろー。が老人ホームで介護のアルバイトをしていたことなど、妙にマニアックなことまでゲーム内に組み入れている。 この辺りの造り込みはやはりEXITと同事務所に所属している同業者といったところである。 賛否両論点 謎すぎるストーリーと設定 本作のストーリーは特徴に書いた通り、どこからツッコんでよいのかわからないほど意味不明なものとなっている。 正直このストーリーなら主役がEXITである必然性があまりない。強いて挙げるならりんたろー。がワニ顔であることくらい。 野田ゲー自体このようなヘンテコな内容のゲームであることが多いので、「EXITのゲーム」として見るか、「野田ゲー」として見るかで感想が変わるところ。 グラフィックがやや雑 EXITの2人はイラストの体に顔写真がつけられたものと少々雑。 そしてワニに関しては実写のワニの顔に人型の体のイラストと雑コラにも見えるような珍妙なビジュアルをしている。 「企業が有料で販売したゲームとしては雑すぎる」と否定的に捉えるか、「野田ゲーなので仕方ない」「雑過ぎて笑えてくる」と肯定的に捉えるかは人次第。 問題点 セーブ/ロード機能一切無し 前述した通り本作は選択肢を間違えるとゲームオーバーとなる場面が多く、エンディングもマルチエンディングとなっているのだが、本作にセーブ/ロード機能は一切搭載されていない。 「麻酔銃をかねちーに撃つ」など、明らかにゲームオーバーになるとわかっていても、ついつい選びたくなってしまう選択肢もあるので、ゲームオーバーのパターンを網羅したい人だと、なおさら不便に感じてしまう。 一応、最初のプロローグの選択肢を突破した後は、プロローグを飛ばしてプレイできるように配慮されているが、初回プレイ時にプロローグで選択肢を間違えてゲームオーバーになってしまったら、またプロローグを見直さなくてはならない。 一人の芸人が提案した低価格ゲームであるという事情を含んでも2020年のADVとしては、かなり不便。 ボリューム自体は比較的少なめなので、そこがせめてもの救いか。 スキップ機能もない 上記の通りゲームオーバーになると最初からやり直しとなるのだが、同じ選択肢へと戻るためには何度も画面タップをし続ける必要があり不便。 フラグを確認できない エンディングに辿り着くにはしっかりとフラグを立てておく必要があるのだが、そのフラグ(手に入れた持ち物など)の確認ができない。 ゲームオーバーになると当然それまでのフラグも消えて最初からやり直しとなるので、前述のセーブ/ロード無しという仕様と合わさって、フラグ管理が面倒。 総評 作風に関してはいつもの野田ゲーと言った感じで、野田ゲーファンなら馴染み深い内容となっている。 しかし、マルチエンディングの死に覚えゲーでありながら、セーブ/ロード機能が一切無いというのはかなり不便であり、その他システム面の不備も合わさって、手放しで良ゲーとは言い切れない。 定価は250円と低価格であり、ボリュームも少なく手軽にサクッと遊べる内容ではあるので、EXITや野田クリスタルのファンであれば遊んでみても良いかもしれない。 余談 App Storeではジャンルが堂々と「野田ゲー」として表記されている。 iOS版のリリース直後は謎の人気が出て、App Storeのカジュアルカテゴリのランキングで1位となった。 ゲームカテゴリでも2位と上位を獲得。1位は『Minecraft』なのでかなりの大奮闘と言える。 ゲームそのものの問題点ではないが、EXITに無許可で作成したゲームを、低価格とはいえ有料で販売するのは、よくよく考えると一大企業が販売する商品としては結構アレだったりする。ギャラなどはどうなっているのだろうか……? 吉本の場合前例があるので余計に心配である。 とはいえ30年近く前の上述の作品とは違い、今作は「同じ事務所の先輩が売れっ子の後輩の名前を勝手に使ってゲームを作った」というある種の芸人同士の内輪ネタでもあるため、少なくともりんたろー。からは怒られておらず、今のところ大きなトラブルにはなっていない。 本作のトゥルーエンドで見ることができるクレジットには吉本興業傘下の会社「よしもとゲームズ」と野田クリスタルの名前が表記されており、これらが開発元だとわかる。 しかし、野田クリスタルは某テレビ番組で「『りんたろー。とワニの村』は外注」と発言しており、野田クリスタル自身が開発したわけではないらしい。 あくまでもシナリオの作成や企画の提案などを野田クリスタルが行い、それを元によしもとゲームズが開発したということなのだろう。
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ブラッドブラザーズ 【ぶらっどぶらざーず】 ジャンル シューティング 対応機種 アーケード 販売元 テクモ 開発元 TADコーポレーション 稼働開始日 1990年 判定 バカゲー ポイント 西部劇風画面固定シューティング絶妙な難易度でゲームとしては良作レベルステージクリア時、全てが分かる 概要 基本システム おバカな点 評価点 問題点 総評 余談 概要 同社の過去作『カベール』のシステムをほぼそのまま継承した、固定画面のアクションシューティングゲーム。『カベール』は現代戦がテーマだったが、本作は西部劇がテーマ。 ゴールドラッシュの影で暗躍する大悪党「ビッグ・バッド・ジョン」を倒すべく同志となった、とあるカウボーイとネイティブアメリカンが二丁拳銃とライフルを手に取り戦いを挑むという筋書き。全5ステージ20シーン構成。 1P側は二丁拳銃を操るカウボーイ、2P側はライフルを操るネイティブアメリカンとなっているが特に性能差は無い。 タイトルにもなっている英熟語「blood brothers」とは、「義兄弟」という意味も含まれる。開拓民と原住民が手を取り合う設定と図式は非常に熱い。 なお、敵側もプレイヤー側と全く同様に開拓民と原住民の混成である。その上、西部劇としては明らかにオーバーテクノロジーな兵器や、本筋とあまり関係無さそうなファンタジー要素も平然と加わっている、勢いとシチュエーション重視の世界観。 基本システム 1レバー+3ボタンで操作。 レバー操作で自機や照準を動かす。Aボタンで射撃、Bボタンで回数制限はあるが強力なダイナマイト攻撃、Cボタンで緊急回避となる完全無敵動作のローリングが出る。 Aボタンでの射撃中は自機は動きを止め、照準のみを動かすこととなる。また、射撃で多くの敵弾を撃ち落して消去する事が可能。基本的にはフルオート連射なのだが、一定以上の勢いでボタンを連打すると高速で連射できる隠し仕様がある。 Bボタンでのローリングは2種類ある。「レバーを下か斜め下に入力した状態」でCボタンを押した場合は小さく移動距離の短いローリング、それ以外の状態では横に飛び込んで転がるような移動距離の長いローリングを行う。動作中完全無敵で動作終了後の隙も皆無という法外なまでに超強力な回避手段ではあるが、「動作中は一切攻撃できない」というデメリットが殲滅を重視せざるをえない激戦区で大きく響き、下手するとジリ貧になりかねない点がありゲームバランスはとれている。 Cボタンでのダイナマイト攻撃における回数制限は1P側は画面左下、2P側は画面右下のダイナマイトのマークの下に数字で表示される。初期状態では10発、最大で99発まで保持可能。ダイナマイトを1発補充するアイテムは「敵が投げてくる爆弾を撃ち落とす」などの方法で簡単に出現するので、無理しない程度にチマチマと集めていくのが勝利の鍵。 画面上の敵及び建築物を破壊すると画面下のゲージが減少し、全て無くすとクリアとなる。 ボス戦では、画面下のゲージはボスの体力の表示として使用される。 ローリング動作中でない状態で敵の攻撃を喰らうとミスとなり残機が減り、残機が無い状態でミスするとコンティニュー待ちの状態になる(コンティニューしなかった場合はゲームオーバーとなる)。 なお、分かりにくいが残機表示はダイナマイト発数の数字の真下にある「丸のマーク」。 おバカな点 ステージクリア時の演出 ステージをクリアすると、破壊しなかったオブジェクトも全て豪快に爆発し、『カベール』同様、軽快な音楽と共に主人公は画面奥に小躍りしながらすっ飛んでいく。 何でもアリな時代設定 一応、舞台は西部開拓時代の筈だが、二十世紀初頭になって初めて実用化された筈の飛行船や複葉機、装甲車が普通に敵として登場する。 アイテムキャリア ステージ中に豚やイノシシが横切る事があるが、これらは撃つとダイナマイトや一定時間武器が強化される「ライフル」や「マシンガン」を出すアイテムキャリアである。 その他のバカゲー要素 ステージ中にふらりと現れる貴婦人を撃つと、スカートをおっ広げながら大量の得点アイテムを放出し、画面端へと走り去っていくという演出がある。 このようにバカゲー要素として突っ込みどころは多いものの、そんな考証をも吹き飛ばせる程のパワーがこの作品の魅力と言ってもいいだろう。 評価点 破壊のカタルシス 本作は同社が過去に出した『カベール』のリメイクとも取れる作品だが、この作品も前作同様、画面上の多数のオブジェクトが破壊可能である。 樽は勿論、家、倉庫といった建築物や、一部の森や岩山も拳銃の連射で破壊出来る豪快さである。 取っつき易いゲーム性 序盤は弾数も少なく、弾速も遅い。射撃で消せる攻撃も多いので、初心者にもとっつきやすい。 プレイヤーの操作も前作のトラックボールからレバーに変更された他、オート連射の通常ショットを代表とする各種アクションも豊富かつ強力である事も相まって、性能の良いプレイヤーを簡単な操作で思う存分暴れさせる事が出来るだろう。 BGMは数こそ少ないが、通常面でのBGMはノリが良い。 問題点 難易度の高い後半ステージ 本作は前半ステージこそ簡単だが、後半戦になるにつれて難易度が上昇しパターンを組まなければクリアは厳しい。 ミスすると、強烈な特殊銃を使用中だった場合はその特殊銃が剥奪されてしまう。ミスしてもダイナマイトの数が減ったりはしないものの、ダイナマイトの発数が回復するなどの救済措置も存在しない為リソース管理にも気を配る必要がある。 1人プレイ時はボス戦のみ事実上の「戻り復活」方式 前作『カベール』同様、1人プレイ時のボス戦は事実上の「戻り復活」方式。2人同時プレイ時では発生しないが、1人プレイ時にボス戦でミスするとボスの体力ゲージが完全回復した状態でボスが再度登場しなおす。 総評 ステージクリア時の変なステップを代表する奇抜なシーンこそ目立っているが、総じて丁寧に作られている。 余談 本作を開発したTADコーポレーションは変な作風が特徴のデコことデータイーストのスピンアウト組が設立した会社であり、前作にあたる『カベール』が処女作の知る人ぞ知るメーカーである。(*1) TADコーポレーションは本作の後、同じく西部劇を舞台とする見下ろし型のアクションシューティング『ヒーテッドバレル』をリリースした。(*2) こちらはジャンルが違う上に直接的な繋がりは無いものの、こちらも全体的にハジけたキャラクターや演出が健在なことから、TADが西部劇ゲーを作るとこんな作風になってしまうのかもしれない。 日本では一部の好事家には支持されたものの、イマイチぱっとしなかった本作であるが、海外ではかなりの大ヒットを記録しており、1995年頃にはイタリアのプレイマーク社から『ハードタイムズ』というグラフィックを変更したデッドコピー作品が作られる程のロングラン作品となった(80年代とは異なり90年代は長期的な需要の作品でもない限り、コピー基板は作られない)。 このように大ヒットを記録しながらも海外では数多くのハードに移植された『カベール』や『JuJu伝説』とは異なり、本作はどのハードにも一切移植される事は無かった。実はTADはスーパーファミコンのサードパーティーとしてコンシューマー市場に参入しており、その第一弾として本作が移植される予定で、実際に開発が進んでいたそうなのだが、移植スタッフのリーダーが開発の最中に脳卒中を発症し、治療する為にTADを退社したおかげで開発が中断してしまい、そのまま倒産してしまったとの事だそうである。 ナツメがSFCでリリースした『ワイルドガンズ』および、リメイク作『ワイルドガンズ・リローデッド』は明らかに本作および前作『カベール』からインスパイアされているゲーム(*3)だが、こちらも良作。 西部劇が舞台と見せかけて「SFの世界における西部劇のような文明をもった惑星」が舞台であり、敵はロボットやメカが多い。本作とは外見的な雰囲気や操作感はかなり異なっている為、単なるパクリではない。 同ジャンルの作品は他にも『銃武者羅』(ミッチェル)などがあるが、大体の該当ゲームはとんでもなくハジけている。 『銃武者羅』は「本能寺の変」直前がテーマの話なのにラスボスが織田信長ではなく「機動要塞である安土城そのもの」だったりするなど、なんかもう色々とおかしい。 なおミッチェルの社長だったロイ尾崎氏は元データイースト社員で、TAD設立当時のスタッフの一人でもあったので、『ブラッドブラザーズ』の前作だった『カベール』にも関わっていた模様である。
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モンスターファーム 【もんすたーふぁーむ】 ジャンル 育成シミュレーションゲーム 裏を見る 対応機種 プレイステーション2 発売元 テクモ 発売日 2001年3月22日 価格 7,140円(税込) 判定 なし ポイント 事実上の『3』だがストーリーは『1』の前日譚モンスター数は減少しグラフィックも可愛い路線に変更システムを刷新しアクセサリーや「とくちょう」が登場バトルバランス・モンスターの能力差等は明らかに悪化豊富なモーション・美麗なグラフィックの美術面は好評様々な意味で過去作のファンから賛否は分かれることに モンスターファームシリーズ 概要 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 CDからモンスターを再生する事が話題になった『モンスターファーム』。本作はそのシリーズ3作目である。 PS2のクオリティ、そしてDVD対応ということで旧来のファンの期待はかなり大きかった。 本作は『2』の続編であり次回作も『4』となるのだが、何故か本作に限ってタイトルにナンバリングがされておらず非常に紛らわしい。 そのためファンからの通称は『3』となっている。 ちなみに海外では『Monster Rancher 3』として正式にナンバリングされ発売されている。 中世~近代ヨーロッパのような世界観だった『1』『2』から世界観を一新、それらの時代の遥か過去となる古代ギリシャに絵本のような牧歌的な雰囲気をあわせたような世界観になった。 その世界観や作中の歴史的な面で見ていくと『3』というよりは『0』(過去エピソード)という方がしっくりくる作品である。 評価点 ハードがPS2に移ったことにより、CDのみならずDVDを読み込めるようになった。 グラフィック、モーションも大きく向上。特にモーションが豊富で、待機画面でモンスターがファームをウロウロしているのを眺めるだけでも楽しめる。 ファームが5種類存在する。 環境に合わせてトレーニングの内容が変化、「たんさく」の内容が変化、地域の特産品を食べさせるとモンスターの形態まで変化するなど、ファームごとにそれぞれ特色が出ている。 モンスターの派生が合体ではなく地方に依存する形になった。例えばスエゾーの雪山派生は「ウサゾー(名前の通り雪ウサギ風)」、森林派生は「タヌゾー(名前の通りタヌキ風)」…のように地域に合わせた進化を見せる。 基本的にモンスター1体につき5種の地域派生+特殊派生が1~4種であるが、ジョーカーは例外で森林派生(純正種)と特殊派生1種の2種のみ。 その影響か、前作までに居た派生種は数少ない例外を残して入れ替えとなった。 ファームごとにストーリーが用意されており、地域ごとに異なるライバルが登場する。 5つあるファームの雰囲気、その雰囲気に応じたトレーニングの内容はとてもよい。 音楽がすこぶる良い。特に非公式試合の音楽は評価されている。 トゥーンシェーディングによるグラフィックとこの音楽が相まってか、世界観についても好評の声がある。 ファームごとに異なる音楽が用意されており、その雰囲気に合わせた音楽も非常に良い出来。 フレリアばかり話題になるが、キャラクターについても比較的好評である。 過去作に存在しなかった「ライバルブリーダー」(*1)が多く存在。それらの相棒となるモンスターもときに大会で強敵となる。 ライバルはシナリオイベントで関わるだけでなく、大会に参加してきたり、自分のファームに遊びにくる事がある。遊びに来た時には情報をくれたり、バトルや円盤石のかけらの交換が行える。 自分が神殿でモンスターを手放していると、ライバルブリーダーがそのモンスターを引き取って育成する展開もある。引き取られた事を知らせるメッセージは無いが、名前や種族は変わらずに登場するので、大会に出てくれば一目で気付ける。 図鑑再生機能の追加。 一度誕生させたモンスターは図鑑に載るのだが、今回は1種ごとに1体までパラメータを保存可能となり、保存したモンスターはそこからいつでも再生できるようになった。おかげで再生したいモンスターのCDを毎回探す手間も省けるようになった。 また、図鑑をセーブデータ間でコピーし合う事ができる。レアモンスターも、イベント配信限定のモンスター「ラグナ」さえも、この方法で広める事ができる。(*2) 図鑑再生は次回作以降にも搭載されているが、コピーし合う機能は本作のみ。 アクセサリーシステムが導入され、種類が同じモンスターでも個性が出せるようになった。画像を読み込んで、オリジナルのアクセサリーを作れる機能も搭載。 モンスター同士を新しいモンスターに生まれ変わらせる「合体」が無くなった代わりに、死んだモンスターの能力を引き継がせることが出来る「モンスターハート」という要素が追加された。 当然、死んだときの能力が高いほど引き継ぐ能力も高くなるので一匹一匹を大切に育てていく必要がある。 後述のとくちょうも引き継ぐので、特定の能力狙いでも故意に殺すのはデメリットがある(悪い育成環境におくと、悪いとくちょうがつきやすい)。 上記「モンスターハート」のシステムに合わせてか、黄金モモ等の直接寿命を伸ばすアイテムが廃止され、また育成法の工夫で寿命を伸ばすこと(ストレスを欠かさず解消する等)も不可能になった。 その代わり前作と比べて安定して4歳前後まで生きるようになった。 但しシステム上における最大寿命の上限は5歳11ヶ月と過去作に比べ大きく低下し、またドラゴンタイプ等3歳末までしか生きられない種族も存在する。(*3)故に短命系の種族の場合、育てる能力を絞るか、極端に育ったモンスターのハートを引き継がせない限り、そのモンスターではゲームクリア困難となる場合も。 新システムとしてモンスターごとに「せいかく」と最大10個の「とくちょう」がつくようになった。 せいかくは前作の「ヨイ」「ワル」のみならず、細かく設定されており、育成やバトルにも大きく影響。 例えば前作でワルだったドラゴンやジョーカー、デュラハン辺りは「プライドが高い」という性格付けになり、(声かけの選択肢を間違えなければ)真面目にトレーニングに望むようになったことでかなり育成しやすくなった。 一方でスエゾーやピクシーはわがままで不真面目な性格をそのまま持ってきているので、育成には手を焼くと思われる。 先んじて放送していたアニメ版に合わせてか、ライガーはクールな性格に。バトルでは有利になるが、今までのように真面目一辺倒ではなくなった。 先述のモンスターハートでこのとくちょうを遺伝でき、元々あるとくちょうの下に追記する(余った分は削除)ため、そのモンスター自体の強みはなくならない(ゴーレムの「がんじょう」、ハムの「フットワーク」など)。 「たんさく」などで、新しくとくちょうがつくことがあるが、その条件はきわめてランダム性が高いものが多く、狙いにくい。従って、とくちょうまで厳選したい場合はセーブ&リセットが必要。 マイナス特徴である「グルメ」は、モンスターを気遣うとついてくる。このため、過去のモンスターファームより直接的に、親身になった(≠甘やかす)際のデメリットが顕在化する。 新規ファンを取り込むためか、難易度はかなり低く設定されており、伸び伸びと育成を楽しむ事ができる。 ゲームとして単純な物になったわけではなく、前述通りファームが5つになりシナリオも付いたりしたので、出来る事の幅は寧ろ広がっている。 低難易度と言っても、一代目や二代目で簡単にクリアできるようなヌルゲーかと言えばそうでもない。モンスターハートの継承や追加ファームなど育てやすくなる要素が増えて、どんどん優しくなっていく感じ。 公式が言うには「PS2最強のなごみゲー」。 しかし、『2』のような高難易度のゲームを求める層からすれば批判的な意見もある。難易度の設定が出来たら丁度良かったのかもしれない。 同じ種類の「円盤石のかけら」を4つ揃える事で、集めた種族のモンスター図鑑のページを1つ貰う事ができる。この方法で得たページからも図鑑再生ができる。 その種族の地域派生が5種類全て登録済みの場合は、全てではないものの特殊派生のページが貰える。かけらを揃える事は容易ではないが、苦労の甲斐のある報酬だと言えるだろう。 セーブデータを複製して図鑑のページを貰い、メインのデータへ図鑑をコピーする事で、かけらを消費しないで図鑑を集めるテクニックも存在する。 対戦用モンスターを「VSデータ」として保存する事が可能になった。 前作までは冬眠させておく必要があり、データを複製しないと冬眠枠の圧迫に繋がってしまったが、その問題が解消された。 「パンドラディスク」登場 初回特典にもらえるものと、同時発売の『モンスターファームジャンプ』は「プレイヤーの状況によって再生するモンスターが変化する」という前代未聞の仕様。 ここでしか手に入らないアクセサリーを装備したスエゾー・モッチーや様々なモンスターの特殊派生が再生される。 賛否両論点 「可愛い系」デザインへの変化 このシリーズは他のゲームとは一線を画す、テクモ独特のセンスによるモンスターデザインという魅力があった。しかし、今作はトゥーンシェードを採用、アニメ画のようにデフォルメされた。 ゲル、プラント、ハムの3体は前2作のイメージと全く違うものになってしまっている。 ゲルは人型でユーモラスだったが、FFのプリンのような感じの丸っこい姿+可愛い顔になった。 プラントは花が3輪から大きな1輪に減少。こちらもユーモラスさが減って可愛らしさを重視したデザインになった。 ハムは可愛い絵柄に合わせてトゥーン調で可愛くなった反面、旧作での格闘家要素が無くなった上に顔付きがとても憎たらしくなった。アニメ版ではお調子者キャラではあったが、それとは違う系統の、愛嬌があるというよりウザかわいい系になっている(方向性としてはロジャー・ラビットやバックス・バニー等に近いといえば通じるかもしれない)。また、「放屁」と言った下品な要素も排除されている。 一方でコロペンドラは「可愛い」と比較的好評。『MF4』のコロペンドラがかなりキモいというのもあるが。 『ソロモン』から続投のタコピ、サイローラ、スズリン、パンチョや新規モンスターのモモ、モギィ、レシオネはこちらのデザインに合わせて作られたのか、世界観に馴染んでいる。 『ソロモン』ラスボスを勤めたザンも今作で登場。人気モンスターとしてシリーズに続投している。 ジョーカーとデュラハンは前作から姿や技・性格などが大きく変化しており、別物感が強い。後続作にはこちらのデザインが採用されている。正式に『MF2』のデザインに戻るには後年発表されたアプリ『LINEモンスターファーム』まで実に20年も費やす事となった。 デュラハンの派生種「ガルーダ」は名前こそ前作から引き続き登場しているが、モチーフから容姿まで全くの別モンスターになっている。 ピクシーは姿こそ変化が少ないが、こちらもモーションや技の変化によりほぼ別物になった。 「エンジェル」「ナハトファルター」は旧作から引き続き登場しているものの、リファインされてどちらも大きく姿が変化している。 看板モンスターのモッチーとスエゾー、その他ロードランナーとライガー辺りは変化が少ない。一方でドラゴンは1の頃のスマートなデザインに回帰している。 問題点とする声は多いが、本作の可愛らしい姿を評価する声も無いわけではなく、一概には言えない点である。次回作以降に続投されたデザインが存在するのも事実である。 モンスター数の減少 系統もそうだが、合体がなくなったせいで派生種が一気に少なくなり、モンスターの総数が38系統391種(MF2)→27系統201種と大幅に減った。 削られた系統もガリやモノリス、ワーム、ネンドロなどある意味MFらしいモンスターばかりだったため結構批判された。『2』で登場し、アニメ版や『ソロモン』でキーキャラクターを勤めたヒノトリすら未登場。 ちなみに『2』に登場したウンディーネはピクシーに吸収される形で引退となった。 隠しモンスターの数も少ない。ランクを上げれば勝手に解禁されるものが「デュラハン」「ドラゴン」「パンチョ」の3種類、特殊な手順を踏まなければならないものは「ザン」「ジョーカー」のたった2種類しかいない。 最も「2のモンスターの数が多く、隠しモンスターに関しても多すぎた上に、いずれも出すのが面倒」と、数を絞った事を評価する意見も見受けられている。 良くも悪くも話題を呼んだ本作の調教助手 前々作はホリィ(20歳)、前作はコルト(16歳)がファーム経営のマネージメントをしていたのだが、今作ではこの立場であるキャラクター「フレリア」の年齢が5歳。いってしまえば女児版クレヨンしんちゃん。 他のキャラクターは青年や老人などだが、最も目にする機会のあるキャラクターがこの少女であり、ファーム経営やシナリオ進行などに口を出したり説明をしてくるので、違和感が大きい。 良く言えば「キャラが立っている」と言えなくもない。ワガママな一面などは「5歳だから」と納得が行く部分もある。 海外版である『Monster Rancher 3』ではホリィ達と同じぐらいの年齢になっている。参考動画(YouTube 3 20あたりから) 問題点 技が最大4つまでしか覚えられなくなった。取捨選択により同じモンスターでも個性を出すためだったらしいが、枠があまりに少なすぎて余計な技を入れる余裕が無いため、逆にテンプレ化が進行してしまった。更に技の個数も最大12個(1は全種族12個、2は最小6個最大24個だった)に減少。 さらに覚える手間がかなりかかり、3ヶ月ごとに起こる「たんさく」で覚えなければならなくなってしまった。しかもこの技を覚えるために必要なアイテム「ビット」「ストーン」「オーブ」は1つしか持てないため3ケ月に1回しか覚えられず、しかも1回のたんさくでビット・オーブと技習得をこなさないと6ヶ月のスパンが開くこともある。前述のモンスターハートに変化する際に引き継げる技は少ない。 また、今回は技を成長させる事が可能になった。が、これもまた「たんさく」でしか成長させられないため、結局は前作までの修行より手間がかかるようになった。 冬眠を使って、たんさくの時期だけ復活させれば技の育成は簡単。また、今回フルモンを作ろうと思ったら、同じようにたんさくの時期だけ復活させてパラメータの上昇に賭ける、いわゆる「ランラン育成」をする必要がある。 今回から新たに一部の技に、相手に悪い状態変化を引き起こす効果が付加されている。 命中率60%・与ダメ80%に減少する「ひるみ」や、ひるみ効果に加えて回避率60%・被ダメージ120%・移動速度が最低になる「しびれ」など、 これ自体はいいこと寄りなのだが、これが強力かつ一部の技にしかついていないこともあり、前述の通り取得できる技が減ってしまっているためにテンプレ化がより進んでしまった。 バトル画面の劣化 命中率表記が曖昧になった。 技の消費ガッツの近くにある緑のメーターがそうなのだが、25%刻みの4メモリしか無く、判断しづらい。 テンポが悪くなった。 技を出すたびにいちいちワンカット入る。正直「何を繰り出されたか」なんてどうでもよいので、従来のように技名を点滅させるぐらいでよかったのでは。 状態変化が起きた際もいちいちワンカット入る。 能力簡略化による弊害 前作では回避・命中に分かれていたパラメーターが今作ではすばやさに統一されている。当然「命中(率)」が高くないと技が当たらない≒勝てないため、必然的に全てのモンスターがすばやさを上げることになるのだが、そのせいですばやさが伸びないモンスター、特に回避を犠牲に丈夫さが上がりやすく攻撃を丈夫さで受けていたモンスターの立場がない。 もともと命中回避が低いが一発のデカさが魅力的だったゴーレムはともかく、前述の特徴がそのまま当てはまり、しかも一発がそれほど高くないゲルは大変なことになっている。その結果敵で出て来るゴーレムやゲルもすばやさがかなり高いものとなっている。 検証の結果、命中率に関しては技そのものの命中率及び特徴(どうたいしりょくやレーダー等)による影響が大きく、すばやさの依存度は低いという結果が出ている。どの道パラメータでの個性を消すだけの結果となっているが。 逆に火力部分(ちから・かしこさのどちらか)とすばやさが伸ばし易いモンスターは相対的に育成難易度が低くなっている。(ちから型のハムやザン、かしこさ型のヘンガー辺りが顕著) 総評 冒険のためか、あるいは時代が回帰するためだろうか、ナンバリングを外しての販売となった。 システムの簡略化、かわいさを前面に出したデザインなど、積極的な姿勢が目立つ作品だが、それが実を結んだかというと微妙な所である。 シリーズファンからは敬遠されることもある一方で、本作より固まった方針も存在し、ジョーカーのデザインなど以後のシリーズに受け継がれている要素はそれなりにある。 『1』『2』と比較するとシステムがガラリと変わっており、従来とは一味違った「モンスターファーム」を遊べるゲームである。 異なるファームで育成、アクセサリーの装備、ライバルを交えたサブイベントが充実など、本作ならではの要素が楽しめ、それでいて「モンスターを鍛えて大会を勝ち進む」と言う根底はしっかり受け継がれている。 図鑑再生やVSデータと言ったシステム面の強化でプレイしやすくなった事も大きく評価できる部分である。 但し、問題点で記述したとおりバトルの仕様・テンポは悪くなっており、ガチ対戦は前作程向いていないのが珠に瑕。 ゲーム単体の出来は決して悪くなく、むしろ良い方ではあるものの、旧作ファンの間では評価が大きく分かれる作品である事に違いはない。 上記「PS2最強のなごみゲー」の通り、ある種の雰囲気ゲーともいえる。『2』のようなシビアなやり込みではなく、「のびのびと可愛いモンスターを育てる」と割り切ってしまえば楽しめるのは間違いない。 ただやはり前作までの雰囲気を期待しすぎてプレイすると、微妙に見えてしまいがちなのも確かである。実際本作はシリーズ的な進化というよりは別路線に振り切っている感がある。 事実、同年に発売された『モンスターファームアドバンス』は全体的に従来の路線を踏襲したゲームデザインとなっている。 余談 本作はモンスターファームシリーズの時系列では最古の物語だということが続編『4』において仄めかされている。 また、本作のキャラクターである「フレリア」「ブラグマ」「ガダモン」は『1』に登場したアイテム・古代神像と同じ名前である。ただし、関連性は不明。スタッフのお遊びなのだろうか。 前作『2』と同じく、Vジャンプとのタイアップモンスターが存在。 サイローラの「トルネード」とモギィの「ブラッキー」が該当。両者ともVジャンプの本作記事に登場していたライターがモデル。 過去作で恒例だったテクモキャラモチーフモンスターはパンチョ種の「アフロ」。 『UNISON』で登場した「ダンス先生」の顔を模した殻から同作のキャラ「フライデー」を模した姿の本体が登場する。インパクトで言えば「マキュー」(*4)の方が強いとか言ってはダメ。 ちなみにこの『UNISON』もポップで可愛い世界観とメジャー楽曲を前面に押し出したダンスゲームである。今作の直前に発売されたタイトルということもあり、この頃のテクモは従来の「マニアック系」な作風から脱却しようとしていた節も見える。今作と違い、そちらの難易度はコテコテだが。 海外版では登場モンスターが異なり、一部レアモンが名前も容姿も全く違う(*5)他、日本では『アドバンス2』が初登場となったライデンやギタン、『4』などわずかな作品にしか登場しないオギョウがいち早く登場していた。 2度公式大会が開かれたが、優勝を手にしたのはどちらもゴーレム種。 過去作では『1』のプラントや『2』のメタルナー等、ガッツ回復が早いモンスターが活躍していたが、今作では重量級のゴーレムが優勝を手にした。 大会の対戦相手モンスターに、何故か『サザエさん』登場キャラを捩った名前のモンスターが何体か居る。 今作からスタッフの入れ替わりが始まり、ゲームの空気や雰囲気が安定しなくなったとも言える。 ラスボス兼配信モンスター「ラグナ」について + 詳細 ドラゴン種のレアモンで今作の事実上のラスボス。前作までに登場した「ラグナロックス(ドラゴン×モノリス)」のモデルとされるモンスター。 ラスボスということもあり本来は再生可能CDの存在しないNPC専用モンスターだったが、今作1回目のモンスター甲子園優勝者に配布、その後のモンスター甲子園では来場者全員に配布が行われた(メモリーカードを持参した来場者にゲーム内機能の図鑑コピーで配信が行われていた)。 ラスボスらしく「全能力が高く伸びるが寿命が全モンスター中ワースト」というピーキーな性能になった。『1』のように不真面目ではないので育てられないわけではない。 性格に関しては通常のドラゴンと同じく、プライドが高く設定されている。
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89 名前:1 ◆EqIo0VxIUw :11/11/07 14 25 55 ID E43ndNAF【イージーのやる夫くん】 ____ /⌒ ⌒\ /( ●) (●)\ / ⌒(__人__)⌒ \ | |r┬-| | \ `ー'´ / 【やる夫】 やる夫は入速出やる夫だお! 初めてこの時代に飛ばされた時に犬女に襲われて気絶しちゃったんだお! 鬼と契約して鬼の篭手貰って鬼武者になったんだお!! /) ///) /,.=゙''"/ / i f ,.r='"-‐'つ____ / / _,.-‐'~/⌒ ⌒\ / ,i ,二ニ⊃( >). (<)\ / ノ il゙フ ⌒(__人__)⌒ \ ,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| | / iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ / 【やる夫】 里の娘皆やる夫の嫁だお!! お偉いさんからも子種が欲しいってせがまれるし まいっちゃうお! 帰る気もう0だお!!! 90 名前:1 ◆EqIo0VxIUw :11/11/07 14 27 01 ID E43ndNAF ____ / \ / ─ ─ / ( ●) (●)'、 ,,_____,,,、 | (__人__) y"_//___イニニニfi \ _ ` ⌒´_,イ~ ̄マニフ,="´ ̄´ /´ `゙ ̄ ̄´; " / ´ 〈 _...; ──,"i ̄´イ i ´ ̄ /、. ̄,/ | |  ̄ /⌒''⌒) ,,゜ ' ,,,,,,, ( !' ( ) ヽ ';''' ''`` 。 τ' / .; )/ 。 ' 、 ; 。 `'''`~''・ ' ` f''`⌒( ,,,, ! (',,,,、 ,,,,,、... ,!,,,、( / τ ノ ) 。 ! `! 、 .、 ! ( ノ `! o ( τ ( ,,;,;,、; 。 ゜ (/ ⌒・ . ・、; ;;.;`` '' ,,、.. // ノ' //'''`'`'` ` ..,,.. _,,,.、 ・ ,, ... ・.. π /; (,.,.(;;; ( ,,., ・っ ;,;;( ) ;. c ── '`''' ;'' ) / '''''` ` '` ⌒ ` !. τ'' `` τ ! )/,,,,, γ '`'`` ! 91 名前:1 ◆EqIo0VxIUw :11/11/07 14 27 54 ID E43ndNAF ____ パンッ パンッ パンッ / \ l, / ─ ─ ヽ,; ''"゙゙''" ./, -‐ / ( ●) (●)'、 ,,_____,,,、,; ''; ''"゙゙'' .,/ -‐__――_━ ̄ ̄ | (__人__) y"_//___イニニニfi ,; '' -―‐ -―=== ‐ \ _ ` ⌒´_,イ~ ̄マニフ,="´ ̄´ .., ',. .., '、‐- _ ―― __――_━ ̄ ̄ /´ `゙ ̄ ̄´; " / ´ ,' ' . 、,、‐- _ 〈 _...; ──,"i ̄´イ i ´ ̄ /、. ̄,/ | |  ̄ ,ィ劣王ミ 、..___ ,...._ 寸圭圭圭圭圭} r 升圭少 ``x圭圭少´ `¨´  ̄ ___ 少 ,..xュュュュ、 〈圭圭心, {圭圭圭圭圭圭ヽ  ̄¨¨¨´ __........__寸圭圭圭圭圭リ ,.......xュョョュュ.、,....ィ升圭圭圭圭圭圭圭圭少 `寸圭圭圭} 寸圭圭圭圭圭圭圭圭圭K._ `¨¨¨¨´ ,佳圭圭圭圭圭圭圭圭王圭圭} {少r ゞミ王王圭圭圭圭少'´ ̄¨¨¨´ {圭圭圭沁 `¨¨¨´ f壬心 寸少' ̄ r劣} 弋圭ヲ 93 名前:1 ◆EqIo0VxIUw :11/11/07 14 30 32 ID E43ndNAF ____ .ィ i / \ | |l| / ─ ─ \ ィ;| ;||| /( ●) ( ●) \ ,イ⌒iイ ! | (__人__) | 鬼仏の数珠 回復待ち ト,三l^l ;| \ ` ⌒´ / ゙l⌒ ´| /´/´`、ー‐ Y l| | .|/ |_ハ_ \ / /| | イ | ヽ ´ / | ト、 /| \ _ / | ____ パンッ パンッ パンッ / \ l, / ─ ─ ヽ,; ''"゙゙''" ./, -‐ / ( ●) (●)'、 ,,_____,,,、,; ''; ''"゙゙'' .,/ -‐__――_━ ̄ ̄ | (__人__) y"_//___イニニニfi ,; '' -―‐ -―=== ‐ \ _ ` ⌒´_,イ~ ̄マニフ,="´ ̄´ .., ',. .., '、‐- _ ―― __――_━ ̄ ̄ /´ `゙ ̄ ̄´; " / ´ ,' ' . 、,、‐- _ 〈 _...; ──,"i ̄´イ i ´ ̄ /、. ̄,/ | |  ̄ 96 名前:1 ◆EqIo0VxIUw :11/11/07 14 37 03 ID E43ndNAF :, -─‐──‐-、: :/ #;;;;゚┳ \: :/ ; ゜# ° \:」 :l .U┳ ; ;;;;;#;;;;;;;;;;;; l⌒ '";;;; ヽ、: :|;;;;#;;;┃;;; ;; u. ; |ー \: . :! u. _ノ#ヽ、__ # ∪ ;;; ,; \ ,rー、: :ゝ。((-‐) ;;;;;;(--) 。 i';;;⌒┳ ̄` ̄ ̄ ̄ヾ`ヽ ヽ: :( ヽ'"(__人___)"'__ ,ノ ヽ、__;;__"___,、___ソノ__ノ: ´ ´ `゚~゜´^" ´~`゚゜`⌒ ´"´´゚^゚^ ~゜゚`´^゙^ ^´'゜´^゚´ '゚^´゙ ^ ゚゜ 【やる夫 イージー】 ・・・・・・何で・・・・ やる夫が・・・・ ._ -‐ - 、 l rニlhlニ二l , ´ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;` 、 l llミ'i_-\ / ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ; ; ;\ l llミゞl ̄| 7 ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;`、 .l liヽ,| '| / ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;ヽ .l l;,ヾ| '| | ー‐-‐' ; ; ; ;`ー‐-─ ; ; ; ; ; ; ;! .| i;,, | ○| | r‐o-、 ; ; ; ;'" ; ; ; ○; ; ; ; ; ; ; ; ;! (il;;...iヽ_| ヽ ,"'ー'" ! ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/ |;;ll;,.._f三リ \ ヽ_人__,ノ` ; ; ; ;/ .l;;l(_..| 'i"'i; ヽ ` ー イヽ、_ l;;l;;."'i_,..l___l, /l \ _ //. 、iヾヽ、 |;;l;,r'"__,,..-.,i, r‐"ヽ ヽl ヽ"'ー'''" / . / l"'-.,,;、_ (二'i;;;ヽ-‐‐、l;-;, _,,..ー-- '"// ヽ ヽ "ー― ". / 'i ヽ \l― / ..r-i, 'iヾi"'ヽ 【やる夫】 前に同じ顔の手首を自分で引きちぎった奴居たけど・・・ その時とは比べ物にならんくらい引き金が軽いお・・ 98 名前:1 ◆EqIo0VxIUw :11/11/07 14 46 06 ID E43ndNAF , ´ ` 、 / \ 7 `、 __ .,-u--、 / ヽ / |`ー/ ヽ | ー‐-‐' `ー‐-─ ! / _¨`ヽヾ /ヽ | ( ー‐) '" ( ー‐ ) ! ! .´ ヾll | | | | -ヽ , ! / |.ゝ ノ /|/ .L/| //; ;\ ヽ_人__,ノ` /,.,.,. ヽ ー ´/ f l ゞfi-, = ;/ ; ; ;ヽ_ ` ー __, イ ;ヽ ; ; _| | ! |」__ / ヽ `゙\ /ヽ / .ゝ___ノ_ノ/__ | ゝ___ ,ィ/ ¨゙`ヾ_ / | / ./ / | ||、l_| !゙¨~/ \ \¨¨¨´  ̄ く ヽ、 / /ヽ. ! |! ヽ! |ゝ 〉 ヽ_ /-ー' / | | l \| |!__ノ, - 、 / ヾ__ \ / ヽ \ | /}ヽ.. L_|_/ ノ|' 丶 \/_ | \ 【やる夫】 複数の妻に娶るなら平等に愛する努力をしような・・・・ 力出せないだろ? 盛ってもらったお・・・嫁の料理に 人間は一時の感情で愛した男でも殺せる _ ______ 、 r'´ `ヽ `¨ ' - 、 rセ´~|ヽ `ヽ | | ヽ,____,r \ r'| | | ', `ヽ, , ∠_ , \==;;,| レ・'¨´\. |ノ l´ __,,,,二ニ=ィ, , i .ト》\ ヾ、 ! ` マ- === .i'´ / ヽ ヾ, ム r ' ´ l', ノ ヒ!, \ 'i, ,r '´ ,、r ┴─ '´`´ ヽ,、r-'- ' ¨´ ̄ ,r ' ´ r'´Y 、 !、 !、 i 【やる夫】 自分のよしみだ・・・ 99 名前:1 ◆EqIo0VxIUw :11/11/07 14 49 03 ID E43ndNAF ___ _,, -''''" ̄´  ̄ ̄''ー ,, ,..-'"゛ `'‐ / _ -ー¬-、 \ / / `'‐ ヽ, / .,, / ̄ ̄ ̄ヽ .、 .\.,_ ヽ / ゛ ./ ● ゝ ` ′ `'-.ヽ / ヘ ヽ, ,ノ .,! .___.'.! ,! `―――/ .丿 ! ● `.リ │ -ー¬' ゙弋___ 〉 | l\ 、 `'-、 "ヽ ヽ "`.ァ._.( .l | ヽ | ゞ弋,,,、 ± -'、 .} ! \ !`'''-、,.`'`-ニ二__'';;i__ソ .! /\ | .、¬'''`-ニ―- ....二 / | ._,,, ───/ `'-、 l ヽ、 .゙ ̄″.r‐./ ! ._.. ー'"゛ `''-、、 \ ゙' ...,,___/ ./ ,./ ''" `''ー..、 `'ー.____ノ . / ... r''ヽ..,,、  ̄ ̄ ̄ ̄ ゙ `゙''ー 、、 【やる夫】 誰の依頼かは教えてやらんお・・・・・ i l\ ┌ , ,!'| ` . ! | !ヽ. ,、 |\_|| ’ j i! i ,-、、 ! .| l l.|゙i |「`ヽ`i { || / / l | l |! l └′/,/ 、,ィl! l! {′/ ;/ ! ヽ、 ̄ `''' , ` Yl!| | |. / / ! r 二コ | 、 ゙リN ; !li└ヽ/ /゙ 、 | | }'′ i ;}|! ,/ ,/ ``' , ; ; ,! ''′ ,. !/ _,,.-'' ヽ (''゛ j! .. ;; ==- 、 ゙''"ィi {ヘ!,l . 〃’ ; {`' ,ィ゛ '′. ) jj」li|liY、⌒} j∨il!ィ' {’ へヾ;;イ ’ λ' ,j、l! / 、 ., ,il{ ,゙!j!;| : ゙ハ! ;. ゙ 、 j| '/'}′ , じ 、 i,' ゙ 、 ,,., ′彳レ/ 丶、v{ ヒ! i!||il. , 八 Z __ _,ゝ、;_ ゛ |! ゙ ,rカ  ̄ _  ̄`ζ」'(´ ヽ j! ゛ ,ィ彡′_.. - 二 ニ ゙て∠rιク_;.,、_,ー-'^- =ニ_
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MAJORDREAM メジャーDS ドリームベースボール 【めじゃーどりーむ めじゃーでぃーえす どりーむべーすぼーる】 ジャンル スポーツ 対応機種 ニンテンドーDS メディア 256MbitDSカード 発売元 タカラトミー 開発元 アメディオ 発売日 2008年7月31日 定価 5,040円(税5%込) プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 クソゲー ポイント 2008年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点 薄いボリュームショボいミニゲーム野球と言うより「野球盤」メジャー三部作の中では一番マシな出来 クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 少年サンデーシリーズ 概要 ゲーム進行 問題点 評価点 総評 その後の展開 概要 『MAJORDREAM メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』に続く、漫画「MAJOR」のアニメ化作品「メジャー」原作ゲームの第2弾。 原作の聖秀学院高校編~マイナーリーグ編までを再現している。 原作漫画は、連載16年、累計発行部数5400万部以上といった数値にも表れているように非常に高い人気を誇っており、絵もストーリーも非常に良い作品であった。 ゲーム進行 主にストーリーモードとただ試合するモードの2つがある。 友達との通信対戦も可能。 他に、任意のストーリーをリプレイするモードも搭載している。 ストーリーモードはイベントパートとバトルパートを交互に繰り返していく。 内容は原作のストーリーを踏襲している。なお、章によってはバトルパートがない章もある。 イベントパートにはボイスはない。DSの上画面にはセリフとアニメの切り抜きや立ち絵が表示され、下画面には各種操作ボタンが表示される。 バトルモードは「ホームランを打て」「三振をうばえ」などのミッションをクリアするという方式。1試合丸々行うわけではない。 連続バトルが少数あり、連続バトルの2つ目でゲームオーバーになると、1つ目からやり直しになる。 試合のシステム ピッチングは球種やコースを選択した後、 ボールを上から下にある的の中心に移動させる という流れ。 移動させるスピードによってボールのスピードが変わり、的に正しくボールを置けているかどうかでコントロールの制度が変わる。移動コースを大きく外すと制御不能となる。 球種によって移動コースが異なり、ストレートの場合直線であるが、カーブだと斜め上から曲線を描くといったように様々。 ジャイロボールを投げるときは、球種やコースを選択した後に、タッチペンでぐるぐる渦を描くという操作が必要になる。 試合中左上に丸いアイコンがあり、タッチして使うことで高速球を投げることが出来る。ただし、一試合三回しか使えない。 バッティングはヒッティングかバントかを選択して、ボールをタッチしてボールを打つという流れ。 ヒッティング可能位置にボールが来ると投球ゾーンを示す枠が白く光る。 バントは当てるだけで成功する。 守備は全て自動で行われる。 ミニゲームも存在。 ストーリーを進めると遊べるようになる。ミニゲームをクリアするとキャラクターに装備させることで能力値が上昇する「スキル」を獲得できる。 ミニゲームは、走りながら障害物をよける「グラウンドつくり」、飛んでくる打球を掴む「じごくのノック」、ピッチングマシーンから放たれる打球を打つ「バッティングセンター」、豪速球を投げて割れた板の枚数を競う「パワーピッチング」の4種類。 「グラウンドつくり」「じごくのノック」は複数の難易度が設定されている。 問題点 システム面 野球の要素を簡略化しすぎて野球盤状態。 攻撃時は打者、守備時は投手しか操作できない。 牽制、盗塁、タッチアップなど比較的シンプルな戦術も全く存在しない。試合中のポーズでも選手交代はできない。 「内野ゴロ」も存在せず、打球のバリエーションが非常に少ない。そもそも、打球がどこに飛んだかよく分からない。 投球前にスイングするとポーズが固まって、もうバットを振れなくなる。 なぜかストライクゾーンが縦に細長い。 どう見てもボールにしか見えない球でもストライクの判定になったりする。 独創的すぎるピッチングのシステム。 ジャイロボールを投げようとすると1球20秒はかかるなど、テンポが非常に悪い。 ボール球を狙って投げることはできない。 的からあえて外して投げた場合、コントロールが制御不能になるだけなので、ボールになったりストライクになったりデッドボールになったりもする。 どんなにがんばってもストレートが135キロ出ない。原作だと101マイル/h(161.6km/h)出てたのに。同時期に人気だった、他の野球漫画と間違えているんじゃないだろうか。 グラフィックが酷い。 キャラゲーのはずなのに、試合中キャラの区別が全く付かない。 打者から見たら、ピッチャーの背後にはセカンド・ショート・セカンドベース・(場合によってはセカンドランナー)・センターが居るはずなのに一切描かれておらず、ピッチャーしか居ない状態。 フォークが横にぶれて見えるなど、奥行きの表現がうまくできていない。 ストーリーモードについて 再現度の低いストーリー。 色々なところを端折っているため、いつのまにか試合が終わる、急に新たな登場人物が大量出現するなど、原作を読んでいない人からすれば、何が何だかわからないストーリーが展開される。 そのためボリュームも薄く、(ストーリー部分を飛ばせば)プレイ時間1時間30分程度でクリアできてしまう。 ミニゲームについて 全体的に手抜きが目立つ。 「じごくのノック」では打者が表示されずボールが突然現れる。 「グラウンドつくり」では10秒程度障害物が出ないこともあるなど難易度調整が不十分。 ミニゲームとなんの関係があるのか分からないスキルの獲得。 砂運び障害物避けゲーでなぜかミートのスキルが獲得できたり、バッティングゲームでなんとカーブのスキルが獲得できてしまう。なんだそりゃ。 スキルは40種類以上あるにもかかわらず、一人につき3つしか装備できず不便。 その他の問題点 試合中、わずかなタイミングでしかポーズができない。 ゲームオーバー時のセリフがどのキャラクターであっても 「くそ!」 の二文字だけ。 「じん帯断絶」など誤字も散見される。 評価点 クソゲーの例に漏れずBGMは良質。 ただし多くが前作の使い回しである。 曲数もあまり多いとは言えず、すぐに飽きが来る。 バグがほとんどない。 商品としては当たり前ではあるが… ロード時間がほとんどない。 起動も1秒かからない。 総評 野球ゲー・キャラゲーどちらの面から見ても非常に質が低く、随所に作りこみの甘さが見られるクソゲーである。 しかし、メジャー三部作の中では「1試合に2時間かかる」「そもそもゲームとして破錠している」といった苦痛を与えてくる要素が少ないため、クソゲーでこそあれ一番マシな出来とされる。 その後の展開 同年12月11日、『メジャー』三部作の抑え『MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー』がWiiで発売されたが…
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※用語集/全般の項目名は「名作・良作まとめwiki」から引用しています。 姉妹Wikiから文章を整え直して流用してもOKです。 名作・良作まとめ 用語集/全般(一部に「ジャンル」カテゴリも含む) クソゲーまとめ 用語集/全般……あ行 / か行 / さ行 / た行 / な行 / は行 / ま~わ行 注意事項は用語集を参照。 用語集/全般/あ行 ゲームに関する専門用語や、当Wikiの記事中に登場する固有名詞に関する一覧。 新たに項目を作成したい場合は、必ず用語集スレへ相談して下さい。相談無く追加された項目は発見次第、削除します。 また、編集を行う場合は過剰な個人叩き・企業叩きを控えてください。 用語集/全般 - あ行 / か行 / さ行 / た行 / な~は行/ ま行以降 [部分編集] アーケードゲーム アーリーアクセス RPG要素 アイテム課金 IP 自社IP / 他社IP 休眠IP 新規IP 煽り行為 死体撃ち / 死体蹴り ティーバッグ / 屈伸 罵詈雑言 舐めプ アセットフリップ 当たり判定 当て身技 アナログスティック アニメーション(アニメ) アバター アペンド Amazon 安全地帯 アンチ アンロック イースター・エッグ e-Sports E3 Summer Game Fest 移植 逆移植 ベタ移植 一枚絵 一本道 芋虫 イラストレーター 絵師 色違い インカム Wikipedia(ウィキペディア) Windows 鬱展開 裏技 売上 出荷 生産出荷 消化率 映画 永久パターン 永久コンボ AIM(エイム) SF fps エミュレータ MMO MVS エンカウント エンドコンテンツ エントリーカード アミューズメントICカード 王道 剣と魔法の世界 オーバーキル オーバーフロー アンダーフロー 大人の事情 オプション おま国 おまけ要素 / サブ要素 オワタ式 音源 オンライン / オフライン アドホック通信 / ローカル通信 システムリンク アーケードゲーム 業務用ゲーム機である「arcade game」のことで、「AC」と略す。店舗の軒先を借りて設置されていた事から由来する。 ゲームセンターや商業施設に設置され、1プレイごとに料金を徴収するスタイルが一般的。近年では、プリペイドカードや電子マネーの導入といった試みもなされている。 アーケードゲームを大きく分けると、ビデオモニターに映像出力を行う「ビデオゲーム」と、ビデオゲームには該当しないが電子制御を行う「エレメカ」の2種類。 この他に、基板やコントロールパネルを入れ替える事で色々なゲームを動かせる「汎用筺体」と、所定のゲームのみを遊ぶ目的で設計された「専用筺体」といった形態がある。 かける予算にもよるが、人が乗り込めるような大型筺体を使ったり景品を扱ったりと、ゲーム制作の自由度は非常に高い。アーケードゲームの歴史に関してはこちらを参照。 ただし当Wikiでは、景品の獲得・引換を目的とするメダルプライズゲームなどは取扱いを禁止している。詳細は「このWikiで扱う作品」参照。 関連 ゲームセンター、年代順ゲーム一覧 - ACゲーム アーリーアクセス 早期アクセス版とも言われる。開発中のソフトを公開することで開発資金を得たり、ユーザーからのフィードバックを反映させたりする、Steamで知られるリリース方法。 MMORPGやFPSで行われる「クローズドベータ」等と違う点は基本的に先行販売となり、有料であるという点。またアーリーアクセス終了後はそのまま正式版を引き続き遊ぶことが可能であるということ。 開発側の利点として上記の通り、開発途中で開発費用の回収ができたりデバッグをユーザーが遊びながら行うことで品質を上げられる点。ユーザーは早く遊べたり、自身の意見が開発に取り入れられる可能性があるという点が利点になる。 問題点としてはアーリーアクセスの期間が明確でない点。アーリーアクセス期間が延々と続いている作品も珍しくない。また、アップデートが長期に渡って行われなかったり、開発者と連絡が取れなくなるなど実質開発中止の状態になることも多々ある(*1)。 そのため、利用するにあたってはユーザー側にも心構え(*2)が必須とも言えよう。 RPG要素 RPGではないゲームにRPGのようなシステムがあること。 具体的には戦闘で経験値をためてレベルアップしたり、お金で装備品を買い替えたりできるシステムのこと。 複合ジャンルとしてはアクションRPG、シミュレーションRPGの作品が多い。 例えばアクションRPGなら「レベルを上げればアクションが苦手な人にもクリアしやすくなる」効果があり、アクションゲームは苦手だが他ジャンルのゲームは好きというユーザーの取り込みが期待できる。 だが調整次第では「RPGと同じノリでレベル上げに勤むと一気にヌルゲーと化す」ものや、逆に「レベルがその時の理論上の最大値近くまで上がっていないと厳しい」という本末転倒な実態になったり、はたまた「レベルを上げても影響が小さすぎて意味がない」といった事例も高難易度ゲームを中心に増えつつある。開発側としては匙加減が難しい要素と言えるだろう。 RPG要素のあるゲームの例 『DEAD RISING』……ゾンビを倒したり、いい写真を取ればフランクがレベルアップして様々な技を覚える。 『Borderlands』……FPSにRPGをプラス。レベルアップで新しいスキルを取得したり、ランダムに生成された武器をやりくりして進んでいく。このスタイルのゲームは「ルーターシューター」と呼ばれるようになった。 『ASSASSIN S CREED ORIGINS』……元々レベルの概念のないシリーズだったが、本作からRPG要素が導入された。が、敵とレベル差があると暗殺で一撃死しないなど色々と問題も抱えている。 アイテム課金 ゲーム内で取得できるアイテムを課金して販売するビジネスモデル。新しい要素を追加するDLC(ダウンロードコンテンツ)とは異なり、普通に遊んでいればゲーム内で取得できるアイテムを販売している場合が多い。 当初は基本無料のオンラインゲームでキャラクターを着せ替えるアバターアイテム等で始まったが、やがて課金通貨でランダム購入し低確率で強力なキャラ・アイテムが当たるランダムアイテム提供方式、いわゆるガチャが登場。 レアアイテム目当てに数万~数十万円をつぎ込むヘビーユーザーが現れ、スマホで遊べるソーシャルゲームの多くでも基本無料アイテム課金方式が取られ、未成年が親のクレジットカードを使って大金をつぎ込むといった社会問題にも発展した。 ガチャは基本無料のオンライン/スマートフォンゲームが中心となる問題であり、パッケージ販売しているコンシューマゲームの多くはDLCによる少量のアイテム課金(『テイルズ オブ シリーズ』等)こそあれど、ガチャのようなランダム提供はなく、あまり問題視されてこなかった。 しかし、『ASSASSIN S CREED ORIGINS』『スター・ウォーズ バトルフロントII』といったAAAタイトルでガチャ(海外ではルートボックスと呼ばれている)が実装され始めたことで、一気に全世界的な問題となった。 特に後者はマルチプレイ対人戦ゲームであるにもかかわらずガチャの中にプレイヤーキャラの能力にかかわるものがあり、いわゆる「Pay to Win (金をかけた方が勝つ)」であると批判され、この件についてオランダ、ベルギーはルートボックス自体が賭博にあたるという判断を下している。 また、ゲームをするために必要なスタミナ(*3)を回復するための消耗アイテムを有料で購入する「スタミナ課金」というスタイルはガチャ以上に基本無料ゲーム定番の要素なのだが、累積ポイントやクリア回数といったイベントランキングの上位報酬のためにスタミナ課金が必須で、課金額がそのまま順位に反映されるようなエグいタイトルもある。 スマホの普及と、スマホ用「基本無料ゲーム」の隆盛以降、日本のゲーム業界全体の収益の大部分はこのアイテム課金(ないしガチャ)が占める様になった。そして、このシステムをフルプライスで堂々と導入したとんでもないゲームまで登場するような事態に。 IP Intellectual Propertyの略で知的財産のこと(*4)。 一般的には著作物や商標等において、その創出者に対して与えられる民法上の所有権に類似した独占権を指す。 ゲーム業界では主にゲームタイトルやキャラクターのことを指すことが多い。 自社IP / 他社IP 自社IPは任天堂における『スーパーマリオ』のような文字通り自社が持つIPを使ったゲームのこと。 対して他社IPは、例えば集英社が持つIP『ワンピース』をバンダイナムコがゲーム化と言ったような場合に用いられる。 また、スクエニが日本国内においてユービーアイソフトの販売権を持つような場合でも、他社IPとして扱われる。 休眠IP しばらく新作が発売されていないゲーム、すなわち途絶えてしまったシリーズ作品のこと。 途絶えてしまった理由は様々で、単にシリーズが完結しただけの作品もあれば、市場や経営方針の変化で途絶えた作品、メインスタッフが退社した、メーカーが倒産した、最新作でやらかしてファンや会社から見限られたような作品もある。 こうした作品がリメイクやリブートとして復活することもあるが、諸々の事情から新作の発売はおろか過去作の再販すらも絶望的なは場合も。 2010年代以降、和ゲーの一時的な衰退にゲーム業界における市場の急激な変化も相まって、途絶えてしまったシリーズ作品も多い。 しかし、現在はカプコンやセガと言った大手が休眠IPの活用に意欲を見せている為、今後は復活するシリーズ作品も増えるかもしれない。 ただし、近年ではシリーズ最新作が基本無料のスマホゲームであることも増えており、物議を醸すこともある。 また、シリーズが途絶えた経緯次第では「復活なんかしないで眠ったままでいくれた方がマシ」「思い出の中でじっとしていてくれ」なんて言われる場合もあったりする。 新規IP 従来のシリーズ作品の新作ではない、完全新規のゲームのこと。 商業的に成功すれば一定以上の期間でジワ売れしてブランドを確立し、場合によってはその作品の新作が出てシリーズ化につながり、メーカーの長期的な成長につながるというメリットがある。 一方、従来シリーズの続編ではないため初動の売上が少なくなりやすく、それで商業的に失敗するとブランドを確立できず、メーカーが大きな損失を被り中長期的な成長に悪影響を及ぼすというデメリットもはらんでいる。 1980~90年代の頃は各メーカーから新規IPが数多く発売されていたが、2000年代以降はゲームソフトの開発費高騰に伴い従来シリーズの続編が増えて新規IPが減少してしまい、コンシューマゲーム市場の縮小につながる遠因となった。 煽り行為 対人戦やオンラインゲームなどで人を不快にさせるような行為、いわゆる挑発のこと。 チャットでの罵詈雑言といった直接的な物や、倫理観に欠ける行為、あえて無防備な状況を晒す行為などが、煽り行為としてよく挙げられる。 いずれにしても、ゲーム内でのメリットは無く、通報された場合はアカウント停止やオンラインプレイの停止といった罰則が科されることもある。 なお、格闘ゲームなどではキャラクターのリアクションとしての挑発行為が標準で搭載されているものが多いが、(ほとんどのゲームでメリットがなく)相手の感情を刺激する行為に変わりないため挑発も煽り行為のひとつとしてみなして嫌う人も多い(*5)。 これらは相手の感情を刺激し冷静なプレイを妨げることを狙っているのでやられても気にしないのが一番。 格闘ゲームのように標準で挑発アクションが搭載されているゲームであったとしても、煽り行為が行き過ぎて現実での喧嘩に発展したり、果ては殺人事件に発展した事例もある。 適度に空気を読み、度を越した煽り行為は慎もう。特に挑発のシステムが存在していないゲームのプレイ内外で煽り行為を働くことは言語道断である。 煽るのであれば、それが冗談と通用する身内でやること。 煽り行為の例は下記を参照。 死体撃ち / 死体蹴り FPSや格闘ゲームで、体力がなくなって倒れた相手に執拗に攻撃を加え続けること。 ただし、弾を撃ち切らないとマガジンを交換出来ない(任意のリロードが出来ない)、死体撃ちでもゲージが溜まる(明確なメリットがある)、動作が任意で止められないコンボ(*6)等の理由がある場合は、ある程度までは許されることも。 ティーバッグ / 屈伸 (主にFPSにおいて倒れた相手の顔面の上で)屈伸行動を繰り返すこと。 股間のナニを上下させる様が性行為ティーバッグを揺するように見えることからこう呼ばれる。 転じて2D、3D格闘ゲームでも屈伸は煽りと認識される場合が多い。 だが、しゃがみと立ちを繰り返すことで相手の投げをスカすことができる、下方向入力を含むコマンドを構えておく等、仕様によってテクニックとして成立しているタイトルもあるので注意。 罵詈雑言 チャットやメッセージ機能が実装されているソフト・ハードだと文字、ボイス問わず言葉で直接煽ってくる者もいる。言語が違うと何を言っているのか分からないことがあるのが救いか。 また、ボイス/テキストチャットをオフにする、メッセージを送られてもスルーするなどの自衛も同時に推奨される。 一般的なSNSと同様に、誹謗中傷や脅迫は規約違反になるだけでなく、悪質な場合は犯罪行為として処罰される可能性もあるので慎むこと。 一部界隈ではメッセージ文によるそれを「ファンレター」と揶揄される。 舐めプ 「舐めたプレイ」の略で、倒せる状況にもかかわらず相手を倒さない、低威力の攻撃をし続ける、あえて無防備な状況を晒す(先述の挑発)などの行為が該当する。 相手に対して「本気を出すまでもない」「手を抜いても勝てる」といった意思表示であり、格下相手や優勢時に行う者が多い。 やられた相手からすれば気分が良い物では無いが、たまにそれで逆転を許してしまう間抜けな結末も迎えることもある。 また、善意や魅せプレイのつもりでも相手からすれば「舐めプ」に見えてしまうこともあるので注意が必要。 アセットフリップ ここでいうアセットとはアセットストアなどで配布・販売されている、ゲーム制作において商用利用可能な素材やテンプレートのこと。 アセットフリップとは「既存のアセットを多用し、工夫もせずにそれっぽく仕上げただけの粗悪なゲーム」のことを指す。 アセット自体はゲーム開発のコストが増してきた昨今において素材作成のコストを削減できる点で有用であり、大手のゲーム会社でも一部に使用されている。 だが、アセットフリップではゲーム中の素材の大半、悪質な場合はゲームを構成するプログラムすらも既存のアセットをそのまま流用したものも存在し、さらに酷い場合アセットのプログラムには存在しなかったバグが放置されたまま販売されることすらある。 対応するアセットが多く存在するUnity製のゲームを販売できるハードの普及や個人や小規模なデベロッパーでも無償でレーティングを取得できるIARCに対応したストアの存在などにより、2020年以降こうしたアセットフリップは急激に増加している傾向にある。 「誰でもアセットを使うことで一定の見た目やシステムを保った(だけ)のゲームを作って販売できる」という点からも、この事態がしばしば問題視されている。 ゲームプログラムそのものも流用した悪質なアセットフリップの例……『SHOOT THE BALL』『Urban Street Fighting』 当たり判定 物体同士の接触があったかどうかの判定、あるいはその判定に使われる領域のこと。 処理方法として、見た目とは別に物体を円や長方形といった簡単な図形で近似し、互いの図形が重なるか否かを随時計算している。 2Dシューティングゲームの自機と敵弾を例に説明すると、双方のグラフィックとは別に長方形、作品によっては1ドットの図形が設定されていて、プレイヤーは自機の長方形が敵弾の長方形と重ならないよう動かすことでゲームを進めていく。 見た目には当たっているように見えても被弾とみなされないのは、内部計算されている当たり判定上では重なっていない為であり、重なったと判定されて初めて相互の関係に応じた反応が発生する。 RPGでダンジョンの壁をすり抜けられないのも、レースゲームで他のマシンに接触すると減速するのも、全て当たり判定の発生に伴う処理である。 重要なのは、見た目と当たり判定の差異をどう設計するかである。 当たり判定が見た目に忠実な場合、例えば対戦格闘ゲームで当たっていないのにダメージを食らったように感じることが増えプレイヤーのイライラの元になる。 また、パンチが相手の顔面にギリギリ届いたのに盛大にのけぞるといった現実離れした挙動となり、違和感を感じやすい。 処理上の問題として、身体の指1本に至るまで忠実に再現しようとすると計算負荷が増大し処理落ちの原因となる場合も。 逆に当たり判定が見た目よりあまりに小さいと、パンチが顔面に派手にめり込んでいるのにノーダメージといった不条理を感じることになる。見た目より大きい場合は言わずもがなで、「詐欺判定」「真空判定」などと揶揄される。 上記理由により、特にアクション・対戦格闘・シューティングあたりのジャンルにおいては、見た目より若干小さく設定されていることが多い。 操作性と並び、「動かしてみて楽しいか」を司る一番の勘所と言っても過言ではない要素である。 当たり判定に問題がある作品の例……『グラディウスIII -伝説から神話へ-』 当て身技 格闘ゲーム用語。単に「当て身」とも。コマンドを入力すると一定時間ポーズをとり、ポーズ中に相手の攻撃が命中すると相手を投げ飛ばすなどして反撃するというカウンターアタック専用技の総称。 ほぼすべての場合で「次に相手はどんな技を撃つか?判定は上段か?下段か?」などを、相手の動きを先読みして出す必要があり、読みを外すと無防備になるため、初心者には癖が強く扱いづらい。ある程度場馴れしたプレイヤー向きだろう。 「当て身」とは本来「殴る・蹴る」程度の意味で、武道の領域では打撃技の総称であるが、『餓狼伝説』のキャラ「ギース・ハワード」の「相手の当て身(攻撃)を受け止めて投げる」技である「当て身投げ」が「当て身」と略されたことから上記の様な誤認が生まれるようになった。 ゲーム全体の一個人が持つ技というのがほとんどだが、『DEAD OR ALIVE』シリーズの「ホールド」としてシステム化され全員に実装されている場合もある。 このような場合「攻撃<当身<投げ<攻撃」という三竦みの読み合い要素として機能するように設計されている。 アナログスティック その名の通り、360度自由な方向へのアナログ操作が可能な棒状のデバイスのことで、現在のゲームハードにはほとんど搭載されている。 上下左右+斜め4方向の計8方向(45度ずつ)にしか操作できない十字ボタンと違い360度自由な方向へ操作可能であり、スティックを倒す深さによって入力の強弱を決められる(*7)。 1996年6月23日に発売されたN64で初めて実装され、ローンチタイトルの『スーパーマリオ64』ではアナログスティックで3D空間を360度自由な方向に移動可能という革新的な操作方法で革命を起こしたことで知られる。 N64の発売2週間後の同年7月5日にはSS用のアナログスティック付きコントローラー「セガマルチコントローラー」が発売され、N64の発売10か月後の1997年4月にはPS1用のDUALSHOCKの前身となるアナログスティック付きコントローラーが発売された。 さらに、同年11月以降に発売されたモデルのPS1ではDUALSHOCKが標準コントローラーとなった。以降の全ての据置ゲームにはアナログスティックが標準搭載されるようになった。 近年は携帯機でも、PSPのアナログパッドや3DSのスライドパッドといったように薄型のアナログスティックが搭載されている。 3Dゲームにおいて3D空間を360度自由な方向に移動するためにはアナログスティックが必要不可欠である。 確かにN64以前にもPS1/SS/3DO等で3Dゲームは発売されていたがそれらは3D空間の移動を全て十字ボタンで行ってい為、3D空間を8方向にしか移動できなかった。 アナログスティックを提案したのはマリオやゼルダの生みの親である任天堂の宮本茂氏であり、宮本氏は「3D空間を360度自由な方向に移動できなければならない」という課題にいち早く気付いていたのであった。 3Dゲームにおいては左スティックで移動、右スティックで視点操作(FPSでは照準も)を行うのがほとんどになっている。 一方、2Dゲームでは左スティックを移動に使い、右スティックはショットの方向を決める(*8)、「ツインスティックシューター」といった活用方法もしばしば存在する(*9)。 接点部分のゴミや汚れにより、スティックを操作していないのに勝手にキャラが移動したり、視点が移動してしまうような不具合(いわゆるドリフト現象)が起こる場合があるのが弱点。 PS系は左右スティックが対称位置に存在するが、XboxやSwitch系のコントローラーは左右非対称が基本。 ただしこの非対称スティックは「左手アナログスティック、右手サムボタン」という標準の持ち方をすると、指の位置は左右対称になる。 PS系の配置の場合、左右で指の位置がずれてしまうが、「左手親指でアナログスティックを入力しつつ、左手人差し指で十字ボタンの入力が出来る(*10)」という利点がある。 どちらがプレイしやすいかは人やタイトルによって異なるため、永遠の議論対象である。 アニメーション(アニメ) コマ送りで少しずつずらした静止画を連続表示する事で、まるで動いているかのように見せる表現技法。 ゲームよりも歴史は古く、ビデオゲームの映像演出においてもアニメーションの技法の多くが流用されている。これは海外作品も同様である。 「アニメ」と略される事も多い。Fanatical(旧Bundle Star)やIndie Galaの「Anime Bundle」には『ニッポンマラソン』や『Analogue A Hate Story』のような、アニメとは無関係の日本の漫画調の絵柄の海外ゲームも含まれることがあり、アニメの定義を真剣に語ることがもはやバカバカしい事態になっている。 古くは「LDゲーム」という、元々アニメ/実写映像の再生を目的とする装置のソフトにささやかなゲーム性を持たせたジャンルが存在した。 その一方で、そうした動画再生機能を持たなかった当時のパソコンでも、「ビジュアルシーン」と呼ばれるアニメ表現の試みがなされた。 その多くは画面の一部を動かす程度のものであったが、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)の『クルーズチェイサーブラスティー』のような、非常に短い時間ながらフルアニメーションを実現した作品もある。 家庭用ゲーム機においても1990年代初期までは部分アニメが主流であり、ソフトウェアレベルで動画再生を実現したものはごく限られていた。 その後、動画再生(motionJPEG)専用チップを搭載したPSやPC-FXの登場によりついにハードがアニメーションそのものを扱える時代に突入、現在に至る。 現状では全てをソフトウェアで処理するようになってはいる。 一般的にゲームのアニメ化、アニメのゲーム化はどちらも多く、最初からゲームとアニメで同時進行する場合もある。 ゲームとアニメはファンの層が似通っているためか、互いに何かと関わりは深い。 例えアニメが原作でなくてもアニメのような雰囲気のゲームタイトルが存在したり、ゲーム本編のムービーをアニメ制作会社が製作するケースがあるからである。 ゲームとアニメの両方で人気がある・社会現象になった作品の例……『ポケットモンスター』シリーズ、『妖怪ウォッチ』シリーズ - どちらも地上波でアニメが放送開始されたのをきっかけに本格的に人気が上昇した。 関連 キャラゲー、声優、版権、メディアミックス展開 アバター ゲーム内でユーザーの分身となるキャラクターである、英語の「avatar」のこと。 語源はサンスクリット語の「アヴァターラ」であり、神が別の姿を取って現れることを指す。 性別や髪型や輪郭といった容姿を選んだり、ゲームで手に入るアイテムで着飾ったりすることで個性を表現することができる場合が多い。 ゲームによっては有料課金でのみ手に入るアイテムもあり、その中には期間限定配信のものもあったりする。 自分そっくりにするか、ゲーム内では敢えて(性別も含めて)全く別の姿にするか、遊び方は人それぞれ。 中にはパーツを駆使して著名人や漫画やアニメ、別ゲームのキャラそっくりに作り上げてしまう人も。 自由度・難易度に関しても様々であり、性別や肌の色が変えられるくらいの物から、顔や体系などを細かく調整できる物まである。 近年は自前のデータを使用や加工が可能な作品も登場している。そういったMODの領域にある代物を含めるかどうかは人にもよるが、 いずれにせよ、ゲーム内機能だけでアバター制作の自由度が高いとその方面のマニアや、イラスト制作や3Dモデリングソフトの代替品として一定の支持を受けられる。 台詞のパターンが膨大になるため、声をプレイヤーが任意で設定できる場合はイベントでは一切喋らない作品がほとんどとなっている。イベントでアバターキャラが喋ったのは『GOD EATER BURST』が初となる。 アペンド 英語で加える、付け足すといった意味の「append」のこと。 ここでは、ゲームに大規模なアップデートを加える拡張プログラムを指す。 (英語で拡張という意味の「expansion(エキスパンション)」の名称が用いられることもある) 以前は「アペンドディスク」という呼び方が一般的だったが、最近では必ずしもディスクメディアとは限らないため、単に「アペンド」と呼ばれることが多い。 基本的に対応する本編ソフトに付随するものであり、これ単体では動作しないという点がバージョンアップ版とは異なる。 発売されたゲームのプログラムに後付けするシステムが確立されてから、アペンド版を販売する例は増えている。 日本ではコーエーテクモゲームス(旧コーエー)が古くから「パワーアップキット(PK)」や「猛将伝」といったアペンド版を販売しているため、「コーエー商法」と呼ばれることもある。 お気に入りのゲームに新たな要素が加えられ、新鮮な気分で深く広く楽しめるためファンからは歓迎される。 一方メーカーにとっても、旧作を改良して評判をいっそう高めることができ、しかも完全新作ソフトよりも少ない製作工程で済み、売り上げ本数の予測も立てやすいという、とてもメリットの大きい商品形態と言える。 しかし追加要素と価格のバランスが取れていなかったり、無料のパッチでフォローされて然るべきバグ修正などがこれで行われたり、追加プログラムの販売を見越して元ソフト制作で手を抜いた形跡が認められたりする場合は、大きな批判を浴びる結果になる。 拡張が容易なその構造上、ある程度人気・売り上げの高い海外のPCゲームはその多くでアペンドが発売される。 反対に日本のCSゲームでは元ソフト不要のバージョンアップ版の方が好まれる様子で、バージョンアップ版とアペンド版の両方を発売される例が多く見られる。 DLC販売が定着化した近年においては、アペンド版タイトルは大型有料DLCへと姿を変えつつある。 例 コナミのCS版『BEMANI』シリーズのアペンドディスク……プレイにはキーディスクが必要(*11)である代わりに低価格で販売されていた。 必ずキーディスクから起動して、それから画面の指示に従ってディスクを入れ替えなければプレイできないという問題点があり、ユーザーには不評だったためか、2000年12月21日発売の『beatmania APPEND ClubMIX』を最後に廃止された。 購入したのにプレイできないというトラブル防止のため、店頭での購入時に店員が「キーディスクを持っていますか?」と確認することがあった。 コーエーの『パワーアップキット』や「無双シリーズ」の『猛将伝』……後者はアペンド版単体でも追加モード/ステージだけなら遊べるという珍しい存在。 カプコン『モンスターハンター』『戦国BASARA』……家庭用向けシリーズではあるが、アッパー版発売が定番化しつつあったシリーズ。『モンスターハンター ワールド』からDLC配信に転換。 バンダイナムコゲームス『GOD EATER BURST』やアトラス『ペルソナ3フェス』アペンド版……前者はバージョンアップ版と併売。 セガ『Project DIVA f おおもじパック』など……携帯機(PSV)に、遅れて発売された据置機版(PS3)の新規要素を追加するケース。DL販売のみ・統合DLCである場合もある。 ベセスダ・ソフトワークスなど海外ゲームにおける「Game of the Year Edition」「Legendary Edition」「Ultimate Edition」……ゲーム本体とほぼ全てのDLCを同梱したパッケージ。厳密に言うと完全廉価版に近い。 バイオウェア/エレクトロニック・アーツ/スパイク『Dragon Age Origins』……廉価版である「PlayStation 3 the Best / PLATINUM COLLECTION(日本版)」はアペンドの内容を含んだ完全版となっている。 レベルファイブ『妖怪ウォッチ2 真打』『妖怪ウォッチ3 スキヤキ』……先発2バージョンのセーブデータを両方とも引き継ぐことが出来るアッパー版。 スクウェア・エニックス『ファイナルファンタジーXI』『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』『ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア』……「拡張ディスク」と呼ばれるアペンド版を不定期に発売。 任天堂『New スーパールイージ U』『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ』DLCに含まれた外伝タイトルだが、一時期単独パッケージ版として発売していた。後者パッケージ版は本編用DLCを同梱している。 Amazon 言わずと知れた大手通販サイト。世界有数のIT企業であり、「Google」「Apple」「Facebook」と並んで「GAFA (ガーファ)」と呼ばれている(*12)。 日本ドメイン(.co.jp)は法人「アマゾンジャパン合同会社」が運営する。本やCD、果てはペットボトル飲料からアダルトグッズまで扱っている。 当然ゲームも扱っており、パッケージ写真等が掲載されている。新しいゲームはパッケージ画像の他にサンプル画面を公開することもあり、当Wikiのゲーム記事で画像サンプルとして掲載可能。 特にサイト内レビューは作品の評価を判断する材料に使われることも多い。しかし、あらゆるゲームに意図的に星1評価、または星5をつける荒らしなどもいるため一概に信用はできないことには留意したい。 Amazonのレビュー規約の変遷に日本のゲーム業界が与えた影響は大きいと言われている。2009年『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』のレビューが発売前から大荒れになったことを契機に発売前レビューを禁止。 2012年にはレビュアーがAmazonで購入したかどうかがわかるようになり、2016年には未購入商品のレビュー数が制限、2017年12月にはついに未購入商品のレビューそのものが出来なくなった。 一方、Amazonという企業自体もゲーム業界への参入を狙っており、2014年8月にGoogleを退けてゲーム実況サービスの「Twitch」を買収。 2016年9月にはゲーム開発部門である「Amazon Game Studios」が、PCゲーム『Breakaway』『Crucible』『New World』の3本を発表。 そして、2020年9月にサブスクリプション制クラウドゲームサービス「Luna」を発表し、ゲーム業界への本格的な参入が始まった。 だが2018年3月には『Breakaway』が、2020年10月には『Crucible』が開発中止となっており、現在残っているタイトルは『New World』のみとなっている。 また、2019年6月には「Amazon Game Studios」が開発者の大量解雇を行っており、世界有数のIT企業であってもゲーム業界への参入は一筋縄ではいかないようである(*13)。 なお、前述した『New World』は4回も延期を繰り返すも2021年9月29日に正式リリースされ、Amazon初のMMORPGとして世界的な大ヒットとなっている。 安全地帯 そこに留まるだけで、敵の攻撃が当たらなくなる特定の場所のこと。「安地」と略される。 主に使われるジャンルであるシューティングゲームで説明すると、「敵弾の射出位置や角度」「地形」など様々な要因が相まって、画面内に全く弾が来ない座標が稀に存在する。 敵の攻撃を避け続ける必要がある性質上、プレイヤーの集中力を浪費しないためにも安全地帯を発見・利用することでゲームの難易度を下げることができる。 特にハードのスペックが低かった時代は敵の攻撃パターンが少なかったため、制作側の意図しない「偶然の産物」であることがほとんどだが、救済策として意図的に設けられたと思われる作品もある。 この要素は作品における存在意義が重要であり、ライトユーザー向けの作品であれば「安全地帯を使うことで初心者でもクリアできる」といった評価点になる場合もある。 だが、シューティングゲームというプレイヤー層も難易度も先鋭化しているジャンルにおいては、下記のような問題点として挙げられることの方が多い。 安全地帯を知らないと常人にはクリア不可能……『イメージファイト』『雷電』『R-TYPE FINAL 2』『フェリオス』 ラスボスに安全地帯があり興醒め……『がんばれゴエモン ~ゆき姫救出絵巻~』『ロックマンワールド3』『暗黒神話 ヤマトタケル伝説』 原作にあった安全地帯がリメイクやバージョンアップで潰されている……『怒首領蜂大往生』『魂斗羅ハードスピリッツ』 アンチ ゲーム界隈においては主に2つの意味を持つ。 1.特定対象の作品・キャラ・メーカー・スタッフ等に対し、否定的な感情を持つ人のこと。「ファン」「信者」の反義的な意味でも使われる。 英単語本来の意味は「反対の」であり、「ヘイト」の様に「嫌う」や「憎む」といったニュアンスはない。「アンチファン」を変に省略した様である。 アンチとは言っても、ファン等に迷惑をかけない場所で理に適った批判を行うよう配慮できる常識の持ち主なら特に問題無い。 しかし悪質なアンチになってくると、出鱈目や的外れな事ばかり言う、(作品やファン等を)下品な蔑称で呼ぶ、ファンに成りすまして暴れる、ファンにいちゃもんをつける、スタッフやメーカーの誹謗中傷と言った行為を行う。 本Wikiにおいても良作判定のゲームを無理やりクソゲーや賛否両論として編集してくるなどの暴挙に出る事がある。 近年は、広告収入目的でアンチ活動を行うまとめブログや動画投稿者なども現れており、問題視されている。 誤解され易いが、ゲームの良くない部分を批判する行為自体は悪ではない(*14)。 「ゲームの良くない部分を批判する」という行為はそのゲームの製作者にとってはこれからの参考になりえるし、ユーザーとしてもお世辞ばかりでヨイショするより真っ当な姿勢と言えるだろう。 しかし、アンチという言葉は上記のような「悪質行為を伴う過度な非難をする者」を指して使われる場合が多いため、批判をしたからといって即アンチ認定とすると摩擦が起こる危険性が高いので注意。 もっとも、過激なアンチは元々は熱心なファンだったが、開発側の自己満足で作られた続編などの許しがたい事象がきっかけとなり、可愛さ余って憎さ百倍的な流れでアンチ化した者に多い傾向がある。 彼らは「裏切られた」という思いが強いだけに極大のヘイトを向けることになり、貶める対象ありきでどんなクソゲーでも比較対象として無理矢理持ち上げたり、デマを流したりする。 さらに酷くなると、スタッフ・関係者への名誉棄損や脅迫、個人情報特定といった違法行為すら厭わない過激な行動に発展することもある。 当然ながら行き過ぎた行為(*15)は犯罪行為として取り締まられる場合もあるので度を越した行動は慎むべきである。 2.多種の兵科(キャラクター)が登場するゲームで、相手の兵に対して強いユニットを「AはBのアンチユニット」と称したり、特定の戦術に強い戦術を行う「アンチAラッシュ(*16)」と使われる事がある。 こちらが本来のアンチという言葉の意味するところである。 類義語として「カウンター」「メタ」などが使用される場合もある。 アンロック 英語の「unlock」のことで、ある要素をプレイヤーから遮断する事を「ロック」と、特定の条件を達成してロックを解除する事を「アンロック」と言う。 固定と解除の仕組みだけ見ると、特定条件の成立・不成立をチェックする「フラグ」と似た意味を持つ。 それと比べるとロック/アンロックは「錠」のイメージに近く、あえてカギをかけ開放を抑止している事を前面に押し出すニュアンスが強い。 やりこみ要素などの報酬として隠し要素やオマケを設け、解除に向けてプレイヤーを奮起させるという訳である。 アンロック条件を大きく分けると、ゲームプレイで達成するもの、時期を見計らって無料で配布されるもの(この場合「タイムリリース」とも呼ばれる)、別途料金を支払ってアンロックキーを購入するものがある。 ゲームソフト内にデータはあり、それにロックがかけられているだけの話なので、有料のアンロックキーに対する風当たりは非常に強い。 有料の場合、「事前に周知が無い」場合や「本体の要素がDLC側全体に比重で劣る(本体に対しDLCで解禁される要素が多すぎる)」といったケースでは強く批判される。 アンロックキー配信(解除キーのみ配信)とデータ配信(追加コンテンツのデータそのものを配信)はよく比較される。 両者の本質的な違いはケースごとに様々であり一概には言えない(*17)のだが、有料ソフトに含まれているデータの利用権にさらに追加料金を払うことに、違和感・嫌悪感を感じる人は少なくないのだろう。 そもそもアンロック込みでソフト一本分の内容量ということが多かったり、従来の作品なら客へのサービスとして頑張っていた部分を有料に…という高く売りつけたいだけのものが目立つので反感を買うことが多いことも仕方ない。 また、配信タイプのものにはメーカー倒産やそのハード向けのネット接続サービスの終了によって二度とアンロック・追加データ入手が出来なくなるという欠点も。 追加データに比べ批判されることが多いアンロックキーであるが、アンロックキーは「メーカー側にとっては配信料が安い」「ユーザー側にとってはダウンロードに時間がかかりにくい」といったメリットがある。 オンラインプレイ搭載ゲームでは、新規キャラや武器をアンロックキー形式での配信となるパターンが大半となっている。 理由としてはDLC購入者と非購入者の間でもマッチングさせるため、DLC解禁日と同時にゲーム本体もバージョンアップ、その中にDLCのデータを入れておいて、DLC購入者のみそれらを使用可能という形になっている。 こうすることでマッチング人数が絞られないのでマッチング待ちの時間を減らしやすく、さらには新規キャラを相手に使わせることでDLCの宣伝にもなるという複数の利点が存在するのである。 この手法を取らず「DLCキャラ使用者はDLC購入者とのみマッチング」「DLC非購入者はDLC非購入者か、DLCを購入しているがDLCキャラを選んでいない人のみマッチング」と分離マッチングが行われている時代もあった。 無料アンロックキーの例……『ポケットモンスター』シリーズにおける幻のポケモン。 イースター・エッグ ゲームソフトに仕込まれた、通常にクリアする分には見ることのない画面やメッセージ、隠し要素のこと。日本では単純に「小ネタ」と呼ばれる。 キリスト教の復活祭で見られる、中にものを入れて装飾した卵をあちこちに隠す遊び「イースター・エッグ」に由来する。 ユーモアの一種で、その内容は多くの場合、スタッフの一覧や謝辞。それらをゲーム内に馴染ませたものは「スタッフルーム」などとも呼ばれる。 メディアがCD-ROMの時代になると、音楽CD再生機器やパソコンで読み込ませた時専用の隠しボイス・隠しテキストファイル等を仕込むものも登場した。これもイースター・エッグの一種と言える。 しかし中には、ソフトの解析などを行って初めて発覚するような本来は表面化しないはずだったものもある。 そういったメッセージには、やはり表沙汰にしてはならない内容が含まれていることもあり、その方面では『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』『えりかとさとるの夢冒険』のものが有名で、特に後者は16年以上もの長期間発覚しなかった事でも知られている。 時代は下り、ソフト解析も情報の伝播も容易かつあっという間になったこともあり、いつしか黒い内容の隠しメッセージは見られなくなっていった。 そんな世の中を想定していなかったのか、後先考えていなかったのか…既に仕込まれてしまった分については、今でもネタとして長く語られ続けている。 イースターエッグの例 Atari 2600用ゲーム「ADVENTURE」 ゲーム業界のみならずIT業界で最初に仕組まれたと言われるイースターエッグ。内容は特定の場所で特定のアクションをすると…「ウォレン・ロビネット作」と開発者のクレジットが見れるだけ。 というのも、当時は開発者の名前をどこにもクレジットさせてもらえず、待遇も悪かったため、会社に対する反抗の意味を込めたものだった。 「お墓連鎖」 『リンクの冒険』に『DQ』の勇者ロトの墓があったことからはじまり、『ファイナルファンタジー』にはリンクの墓が、『ケルナグール』には『FFII』のフリオニールの墓が隠されている。 『桃太郎電鉄』シリーズの「露天風呂」 シリーズ毎に異なりとある地点をチェックするか、とある条件を満たしていると女性が露天風呂に入っている絵が拝められるという隠し要素がある。 「Nintendo Switch本体」 本体バージョンがV4.0.0未満でかつ7月11日の時にメニュー画面でジョイコン2個を持って両手で突き出す動作、いわゆる「直接」ポーズをすることで『ゴルフ (FC)』をプレイ出来る様になる。 7月11は任天堂の社長であった岩田聡の命日であり、ゴルフは氏がプログラミングを手掛けた作品であることから仕込まれたものであると言われる。 いわゆる隠しコマンドや隠しキャラの意味で用いられることもある。 日本語で言うところの「裏技」は、イースターエッグ(意図的に仕込まれた隠し技)と、グリッチ(意図せず発覚した、不具合を悪用した技)に大別される(*18)。 このグリッチとイースターエッグの分岐点は、「メーカーがその行為を容認するか否か」と言えるだろう。 オンライン運営されるタイトルなら即座に修正されたり、使用者にアカウント停止やロールバックなどのペナルティが課せられたりするならそれはグリッチであり、運営者が存在を認めながら容認されているならイースターエッグということになる。 e-Sports 「イー・スポーツ」と読む。「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、コンピューターゲームを使った競技のこと。 高額な賞金がかけられた世界的な大会もあり、競技人口は5000万人を超えるとも言われ、スポンサー契約を結んでe-Sportsに出場するプロゲーマーも存在する。 日本では梅原大吾氏がプロゲーマーの1人として有名になるのと同時にe-Sportsという競技も知れ渡っていった。 体を動かさないのに「スポーツ」という単語がなぜ使われるのかと思われるだろうが、チェスや囲碁を「マインド・スポーツ」と呼ぶこともあるように「スポーツ」とは「ある一定のルールの元で行われる競技」という意味がある。 海外では盛んに行われ、高額な賞金が出ることもあるが、日本では興行や懸賞金における法律が複雑なことから(*19)、ゲームの大会では高額な賞金を出しにくい環境となっている。 この状況を打開すべく2018年あたりから官民合同でe-Sports環境を整備する動きが始まっている。 近年ではこれを明確に意識したゲームが見受けられ、ごく一部のプロゲーマーはともかく、(結果的にターゲット外とされた)大多数の一般ゲーマーから反感を買うこともある。 さらに、日本では(TV)ゲームは「遊技」というイメージがいまだ根強いため、e-Sportsと言う言葉自体が揶揄の対象になることもあれば、前述のプロゲーマー優遇とも言えるゲーム仕様による(一般ユーザーから見た)悪影響もある。 そのため、e-Sports自体に反感を持ったり、プロゲーマーと呼ばれる存在を「(一般ユーザーが遊ぶゲームとしてみた場合の)害悪(*20)」と批判されることも少なくない。 また、e-Sportsという文化が認められるようになってきたのは良いが、業界団体による利権を巡った争いやe-Sportsの専門学校や部活動化が物議を醸すこともある。 加えて、国内では日本人プロゲーマーたちの差別的な発言がたびたび問題視されており、結果としてe-Sportsに対するイメージが他国に比べ悪い傾向がある。 E3 正式名称は「Electronic Entertainment Expo」で、アメリカのロサンゼルスで毎年6月頃から1週間程度開催される世界最大のゲーム見本市。 クリスマス商戦に向けた流通見本市という位置づけのため流通・報道関係者しか入場できなかったが、2017年開催からは有料で一般人の入場もできるようになった。 かつては新ハードや超大作ソフトはこのイベントで初お披露目となることが定番で、ゲーマーにとってはこれから1年のゲームの購入スケジュールが決まるようなイベントであった。 しかし、ゲーム開発期間が長期化するに伴ってE3のタイミングにあわせて毎年新作を発表することも難しくなっていき、いつ発売出来るかも分からない企画段階のタイトルをイメージPVだけ発表するケースが続出するようになる。 その結果、ついに2017年からは同じタイトルを発表できるのは2回までという縛りが導入されるに至り(*21)、それ以降はAAAタイトルの初報をE3ではなく自社のSNSから行うメーカーが増えている。 また、ハードを提供するプラットフォーマーも近年では「自慢の作品をE3で発表しても、他のメーカーの情報にのまれてインパクトが薄くなる」としてE3で新ハードのような大きな情報を発表することはむしろ避けられがちとなっている(*22)。 だが、現在でもE3は今後のコンピュータ娯楽業界の動向を占うものとして重要視されている。近年ではネットを通じた映像配信も行われており、一般人でもリアルタイムで最新情報を入手することができる。 とかく感情を顕にするアメリカ人達が新作発表を見て歓喜の声を上げる映像は割と有名。 2020年は新型コロナウイルスのパンデミックによりE3が史上初の中止となり、「東京ゲームショウ」を含む他のゲーム見本市は全てオンラインイベントとしてネット配信された。 2021年になってもパンデミックが収まる気配がなかったため、2年ぶりとなる「E3 2021」は完全オンラインイベントとして開催され、それに伴いイベントの正式名称も「Electronic Entertainment Experience」に変更された。 しかし、翌年の2022年は感染力の強いオミクロン株の影響で再びE3が中止になってしまった。 さらに翌年の2023年は当初会場イベントが復活するとされていたが、任天堂・ソニー・マイクロソフトの3社に加えユービーアイソフトが不参加を表明した結果、2年連続の中止が決定。 このようにE3は存在自体が危ぶまれる状況にあった中、2023年12月にE3の開催終了が正式に発表。世界最大のゲーム見本市が消滅することとなった。 Summer Game Fest 前述したE3の史上初となる中止を受け、2020年から新たに始まったばかりのゲーム見本市。 世界最大のゲームアワード「The Game Awards」の主宰で知られる、ゲームジャーナリストのジェフ・ケイリー氏によって立ち上げられた。 一般的に会場でステージ等を行う他のゲーム見本市と異なり、このSummer Game Festは複数のオンライン配信で成り立っている新しいスタイルのイベントとなっている。 最初の2020年こそE3ほどのインパクトはなかったSummer Game Festだが、翌年の2021年は『ELDEN RING』の発売日発表と言ったビッグニュースで大きな話題となった。 逆に完全オンラインイベントだった「E3 2021」はニュースに恵まれず、その2年後にはE3自体が正式に終了したので、今後Summer Game FestがE3を超えるゲーマーにとってのビッグイベントとなる可能性は充分にある。 移植 ある機種のコンピュータ専用に作られたソフトウェアを、別の機種で動作するように作りなおすこと。 多くの場合では移植元を明かし、ユーザーからは「ほぼ同じゲームとして遊べるもの」と解釈される。 そのため、移植作は「オリジナル版の再現度」がひとつの評価基準であり、これにハード性能・ゲーム環境・時代性・追加要素などを加味したものが、総合的な評価につながる。 わざわざ同じものを出すくらいなので、元のゲームは大抵一定水準以上の人気作・注目作である。しかし、移植作の出来そのものは「移植に際して改悪」「移植元の問題点を放置」「何故かクソゲーを完全移植」といった地雷も潜んでいるので注意。 レトロゲームの時代(*23)に於ける移植は美術や音響・システムの再現が困難でも、オリジナル要素の追加・移植ハードへの操作の最適化・劣化を考慮したグラフィックやBGMの大幅アレンジなど、開発元のセンスを測る指標にもなっていたのが面白い部分でもある。 当Wikiでは、元と比較して無視できない劣化点を持つ移植作は「劣化ゲー判定」を付けているため、完全な移植でないからといって単に劣悪という訳ではない(*24)。 また、その劣化点以外は問題なく、絶対的な評価としては良作レベルの作品も含まれるため、購入の際は「その劣化点を、自身が気にするかどうか」をよく見極めるべし。 一昔前はPCやAC用のゲームをCS機に移植すれば、性能の差が大きいのが原因で劣化するのが普通であったが、現在はCS機の高性能化が進み、それに応じてオリジナルの再現度も向上している。 CS機の性能がACに追いついた第6世代据置機(DC/PS2/GC/Xbox)辺りから劣化移植は減少し、業務用とは遜色ない移植が当たり前となったが、皮肉にもそれが原因でアーケードゲームの存在意義が薄れてしまい、業界全体が衰退する一因となっている(参照)。 そのため、現代では移植というより復刻を楽しむ(『アーケードアーカイブス』等)という風潮がある(*25)。 また、完全移植が当たり前になった現代だからこそ、ACとのギャップを楽しむ(*26)目的であえてCS版をプレイするという考えもある(*27)。 AC/CSの両方で人気があったり、最初からCS機に移植することを前提に作られているアーケードゲームがあるので、現在でも移植作品に対する需要が全く無いわけではない。 AC/CSの両方で人気がある作品の例……『太鼓の達人』シリーズ、『鉄拳』シリーズ 場合によってはCSからACへ逆移植(次項参照)されるケースがある。 かつてはAC版を先に発売 → 後日CS版を発売という流れが主流であったが、AC/CSの性能差が無くなってからは逆にCS版を先に発売 → 後日AC版を発売するケースが増えている。 据置機を所有していない人にとってはむしろアーケードゲームの方が都合が良いのかもしれない。 中には「ゲーム機上で仮想のゲーム機を動かし、そこで元のプログラムの動作を再現する」というエミュレーション移植もあり、レトロゲームの復刻で頻繁に行われている(*28)。 それでも、そのゲームに愛着を持つファンを満足させるハードルは高い。 例えばよく指摘される問題点に、入力デバイスや画面サイズの違いといった止むを得ない仕様変更に伴うものや、編曲や音源の差で生じるBGM/SEの違和感などがある。 エミュレーション移植でもエミュレーションエンジンのせいで、実機と動作や音色が変わってしまっている…というのはよくあるパターン。 また、一時期はAC → CSの移植で画面サイズの縦横比が大幅に異なるケースもあり、そういった4 3テレビ向けのアレンジ移植に際しゲーム性そのものの変化が免れなかった例も見られた。 関連 判定別ゲーム一覧 - 劣化ゲー ちなみに「移殖」と書くのは間違い。その書き方は対象が生物である場合に限られる(*29)。 逆移植 コンシューマーのゲーム機からパソコン・アーケードへゲームが移植されること。 移植が主に「専門的・高性能なハードから、限定的な性能だが一般に普及しているハードへ」という流れであるのに対し、その逆が行われるために逆移植と呼ばれる。 移植の対象となるゲームはそもそも人気タイトルであると決まっているようなものだが、ハード性能的にはおよそ下位 → 上位となる逆移植がなされるほどのゲームとなると対象作品は相当に限られ、その人気の根強さが窺えることだろう。 移植につきものであるハード性能の壁が低いため、概して大きな問題は起こらないものと思われがちだが、あえて新天地に乗り出すほどの意味合いを持たない移植であった場合は誰得ゲー化してしまう(例 MD『サンダーフォースIII』→ AC『サンダーフォースAC』)。 別ハードへの移植版で加わった新要素に対し、元ハード版にもその要素を加えるために、改めて逆移植版を出す場合もある。 この分かりやすい例はいわゆるギャルゲーに18禁要素を追加したCS → PC版逆移植である。 このくらい「わざわざ逆移植する目的」が明白だといっそ清々しいが、要素追加により何度も買わせるやり方が行き過ぎて逆移植“商法”になってしまうと、ユーザーから反発されることになる。 ベタ移植 「ベタ」はひねりが無く面白味に欠けることを意味するが、転じて内容に手を加えない原作に忠実な移植、またはその作品のことを指す。 過去に発売された作品を現行ハード向けに作り直したという点ではリメイクと同じだが、良くも悪くも「昔のままを再現した」というニュアンスを含む(*30)。 当時を懐かしむ手段として歓迎される一方、作品によっては「今プレイすると操作性やグラフィックが古すぎて流石にキツイ」など、特に原作を知るファンから様々な感想が飛び交う。 Nintendo Switch Onlineや『アーケードアーカイブス』等、昔のゲームを気軽にプレイできるサービスが普及した現在、この用語の出番は少なくなっている。 一枚絵 ゲーム用語では、イベントCGのこと。 キャラと背景などパーツを別々に描くことで組み合わせて使える汎用グラフィックに対し、画面全体を一枚のキャンバスに見立てて大きく描かれたものを指す。 また、「一枚」の言葉が示す通り「動画ではない」というニュアンスが濃い。 その作りの都合上目パチ口パク程度でも動かす事は難しいが、作画の融通がきき見栄えのするグラフィックを、労力的にもマシン的にも軽い負荷で表現できる。アクション要素が薄く絵に人気のある作品は、この枚数を売り文句に用いていることも多い(*31)。 立ち絵をどうにかしようという研究も進み、Live2Dやe-moteといった2D画像をある程度簡単に動かせるミドルウェアも2010年あたりから展開されている。 女性向けゲームでは一枚絵を「スチル」と呼ぶ文化がある。語源は静止画の写真を意味する「スチル (still)」であり、動きのある映画・映像(シネマ、ムービー等)と対になる言葉である。 一本道 プレイヤーの選択肢が少なく、ゲームの進行が制御されている様子をやや批判的に表した言葉で、「自由度」の対義語として扱われる。 主にRPGのシナリオ進行でシナリオ分岐はおろか、寄り道やマップを戻ることすらできない時に使われる。 また、FPSのキャンペーンモードで決まった順路しか進めないことも揶揄して使われる。 海外ではほぼ同じ意味合いを指して「リニア (Linear、直線のという意味)」と呼ぶ。 「ゲームは自分の思い通りに操作できてなんぼ」という感覚でいるプレイヤーも多いことから作品の批判に使われやすい言葉である。 だが、一本道の作品にはプレイヤー側には「目的が分かりやすい」「物語に集中しやすい」「寄り道要素が少なくプレイが気軽」などのメリットがある。 また、開発者側には「フラグ管理やデバッグが容易」「ストーリーを作りやすい、見せやすい」といったメリットも存在する。 作品の方針上で意図的に自由度を下げたゲームや、(程度問題だが)一本道のゲームに抵抗のないプレイヤーも少なくはない。 一本道なだけなら単に人を選ぶ要素というだけであり、客観的に出来が悪いというならそれに「展開が単調」「手抜きっぽい」などのマイナス点が必要だろう。 芋虫 FPSにおいてほとんど動かずに屈みや匍匐状態のまま、敵が来るのを待つスナイパーの蔑称。「芋砂」「砂芋」あるいは単に「芋」などとも呼ばれる。 狙撃を主体とするスナイパー及び類似したロールは待ち伏せ主体のプレイスタイルの為、そのようなプレイヤーは珍しくない。 個人戦や防衛重視のルールはともかく、チーム戦かつ積極的に動く必要があるルールにおいては自分の点数稼ぎばかりで味方の勝利に貢献しにくいため、他のプレイヤーから忌み嫌われることになる。 ただ、近年は「芋」が一人歩きした結果「埋まっている=自分から動かない」という解釈から「キャンパー・角待ち=芋」という扱いをされたり、「低速回線・低スペPC」を意味する英語スラング「Potato(*32)」と混同され「下手くそ=芋」まで定義が広がりつつある。 語源は『バトルフィールド1942』において活動していたクラン「m8s」の作ったMADムービー「芋虫の一日」から。 『BF1942』のスナイパー(ゲーム中では偵察兵の名称)は頭にカモフラージュ用の草葉を装備しており、匍匐して這っている姿が芋虫の様に見えることから来ている。 イラストレーター 情報の視覚化やコミュニケーションを目的とした絵を描く人物。 「絵師」とも呼ばれるが、絵師というとアマチュア・セミプロ的な印象を持つ人もいる(*33)。 ゲームでは、イメージイラストやキャラクターデザインを担当する人物を指す場合が多い。 有名な人物は『ファイナルファンタジー』シリーズを手掛けた天野喜孝氏・野村哲也氏・吉田明彦氏、『ドラゴンクエスト』シリーズに参加した鳥山明氏、『テイルズ オブ』シリーズの藤島康介氏・いのまたむつみ氏、『女神転生』シリーズと『ペルソナ』シリーズで知られる金子一馬氏・副島成記氏、『ストリートファイター』シリーズの安田朗氏・西村キヌ氏、『THE KING OF FIGHTERS』シリーズで名を挙げた森気楼氏など。 野村氏や金子氏のように制作会社所属の人物もいれば、鳥山氏や藤島氏のように外注の人物も多い。 また、漫画家やディレクターなど別の職業と兼業している人物も数多くいる。 人気のイラストレーターや漫画家の参加したゲームはそれだけで話題になる反面、イラストレーターの急激な変更は大きな賛否を呼ぶこともある。 これは特に歴史の長いシリーズやキャラクターを重視した作品に顕著である。 絵師 旧来は特定の分野に長じていたイラストレーターを○○絵師という形で表現していた(○○はその得意分野が入る)。 ゲーム関係では金子一馬氏の異名である「電脳悪魔絵師」が有名。 近年では、ネットから発生する形で絵を描くイラストレーター全般(特に人物絵を主にする人物)をひとまとめにして絵師と称するようになってきている。 ただし、公式的な媒体でこの表現を使うことはあまり無く、SNSでの印象から「絵師=アマチュア・セミプロ」のイメージも強く持たれかねない為、描く側・見る側共にこの表記を嫌う層も少なくない。 色違い 既存のキャラクターのグラフィックの配色(カラーパレット)だけを変更して別のキャラに仕立てたもの。「カラーバリエーション (カラバリ)」とも。 ただの色違いで大きくカサ増しできるため、特にデータ容量の制約がきつかった昔のゲーム開発において、色違いは非常に便利な存在であった。 もっとも、専用グラフィックと比べるとやはりインパクトの面では物足りなさがあるため、色違いが多いと「グラフィックの使い回しによる手抜き」と受け取られやすい。 ACTや格ゲーなどでは、複数のプレイヤーが同じキャラを使用した場合に区別をつけるため、色違いのキャラが用意されることがある。 この場合、色違いキャラのほうを「2Pカラー」などと呼ぶことが多い。近年では、配色パターンなどを好みに応じてある程度カスタマイズできるゲームも多い(『バーチャファイター5』『ボーダーブレイク』など)。 この場合は、色違いが豊富にあってもすべて同一キャラとみなすのが普通である。 『Wonderland Wars』のように、敵味方を識別するための色違い(敵軍は青基調のモノトーン配色)と、色違いでの使いまわしから作成した派生キャラクターによる水増し(アナザーキャスト)の両方の意味での色違いが存在するタイトルもある。 Ver.2.0でさらに狭義のカラーバリエーションが追加され、ややこしいことになっている。 インカム 英語で収入を意味する「income」のこと。アーケード用語ではコイン投入額、要するに売上のこと。 多くのアーケードゲームは一定額を1クレジットに換えて1ゲーム遊ぶので、「設定金額×遊ばれた回数」がインカムになる。 これの良し悪しは店側にとっての重要ポイントであり、よく伸びる人気作は多くの店に置かれ、なかなか伸びない地味な作品は撤去が早く広がりにくい。 インカムを即良作か否かを見分ける基準とはできないが、一般的にはコレが高ければ「メジャー」と、低ければ「マニア向け」とされる傾向にある。 1人あたりのプレイ時間が長くなると、その当人の満足度は高くともインカムは伸びない。こうしたジレンマは、アーケードゲーム制作の悩みの種となった。 90年代以降に1人用のシューティングゲームやアクションゲームを抑え込んで対戦格闘ゲームがブームとなったのは、多くのクレジットが短時間で回転する圧倒的なインカムも影響していると思われる。 もっとも、短期的なインカムが低くても長い目で見ると収入の安定しているものは、いつの時代も店の片隅でひっそりと堅実に稼働しているものである。 アーケードTVゲーム登場時から1プレイ100円(1コイン)が基本であり(*34)(*35)(*36)、消費税に便乗して缶ジュースが100円からじわじわと値上げされた現在でも変らない。 複数種の硬貨を判別し、場合によっては釣り銭も出す装置を全てのゲーム筐体に組み込むのは割りに合わないと言うのが理由であり(*37)(*38)、実際に前述の値段も一種類の硬貨のみを使用している(*39)。 値上げしようとすると、50円の次は100円、その次は200円と倍々で上がってしまうため、悪印象を与えずに値上げする方法がいろいろ模索されている。 例えば、タイマー制で100円では1試合フル参加できない程度にしている(『ボーダーブレイク』)など。 利用者にとって不便な点があるとはいえ、今後の物価変動や消費税増税に対応しチャージ制を採用する動きもチラホラと出てきてはいる(*40)ので、今後の注視が必要な点であるといえる。 Wikipedia(ウィキペディア) ユーザー誰もが自由に編集可能なオンライン百科事典。Wikiと略されることもあるが、本来「Wiki」とは主にWebサイト上に展開されるコンテンツ管理システムの名前であり、「Wikiで作られたEncyclopedia (百科事典)」だからこその「Wikipedia」である。 当然Wikipedia以外にも多数のWikiサイトが存在し、当「ゲームカタログ@wiki」も「atwiki」というシステムで動くWikiサイトの1つである。ジョークや内部ショートカット等で公認となっている。 方針上あくまで「百科事典」であるため、信頼できる出典に基づいた明確に正しい情報のみが記載を許される。そのため当Wikiでやっているような感想や批評・批判の記載は認められない。 さらに出典についても確固たる客観性・情報の検証性の有無が重要視されるため、客観的に検証可能な情報に寄らない情報は、たとえそれが事実であっても記載は認められない(*41)。 つまり、世間的な見解としてクソゲーと周知されている場合であっても、それだけを理由に「クソゲー」などと書くと主観に基づく「独自研究」とみなされ、繰り返すようなら投稿ブロックを受けても文句は言えないのである。逆に言えば、きちんと信頼できる出典を示した上で「この書籍ではクソゲーと書かれている」といった形なら認められる場合がある。 上記のように編集上のルールが公式に定められてはいるが、誰もが容易に編集できるゆえに誤った情報や偏向的な情報、個人の見解が消されず残ってしまっている場合も多々あり、100%信頼できるとは限らない。 システム上は「Mediawiki」を使用している。当Wikiの使用する「@Wiki」に比べると、記事に関する個別のノートページがあったり、記事の存在する名前空間(記事名によるカテゴリ分け)ができたり、簡単にリダイレクトが作成できたりと非常に多機能。 一方で、アカウントを持たない利用者は編集前に警告される通りIPアドレスがバッチリ公開されてしまう(*42)ので注意が必要。 Windows 後にXboxでゲーム業界に進出するマイクロソフトが開発・発売しているパソコンのオペレーティングシステム。 とはいえゲーム業界への関わりはXbox登場前からあり、古くからWindows向けのゲームソフトが多数発売されてきた上、歴代Xboxやセガ最後のゲーム機であるDC、アーケードゲームなどかなりの機器のOSとしてWindowsの系統が使われている(*43)。 そして、今日の世界最大のゲームハード・プラットフォームはWindows PCであると言っても過言ではない。 ゲーム機が高級品だったりそもそも流通していない場合も少なくない海外では、ニーズに合わせた値段の下で構成できるWindows PC及びそれでゲームを遊ぶユーザーが圧倒的に多いとされる。 Windowsは一般ユーザーにおけるデファクトスタンダードであり、組み込み機器を除けば大半の人にとって人生で最初に触れる、あるいは最も触れる機会の多いOSだともいえよう。 そして大半のPCゲームはWindows専用のソフトであるため、PCゲーマーにとってWindowsは極めて重要な中核的存在である。 Windows 10以降は「サービスとしての Windows」というコンセプトのもと、無償アップデートによるローリングリリースを提供する方針へ転換。 2021年10月5日には「10が最後のWindows」と公言していたにもかかわらず、最新版である「Windows 11」が正式リリースされた。 要求スペックが許せば Win10からWin11へのアップグレードが無料で可能(*44)。 鬱展開 読んで字のごとく、暗く悲しい、悲惨かつ陰惨で思わず見ているこっちが鬱になってしまいそうなストーリー展開のこと。視聴者やプレイヤーの心にダメージを与えてくる。 全く鬱な雰囲気を持っていないゲームやアニメが突如上記の雰囲気を帯び始めた場合、この用語が使われる。最初から最後までほとんど鬱なゲームの場合は「展開するまでもなく、最初から鬱」なので「鬱ゲー」とくくられる。 一概に悪いものと断定はできないが、やはり見ていてあまり気持ちのいいものではない物が多く、その特性上好みが分かれやすい。 また安易に鬱展開を入れてそのまま後味の悪い結末でシナリオが終了してしまったりした場合は批判の的になる事が多い。 裏技 特定の手順やコマンド操作により、通常プレイでは起こらない現象を起こす方法。 大きくは以下の3通りに分かれる。 1.開発者が意図してプログラミングした「仕様」であるもの(*45)。 2.開発者が本来意図した仕様ではないが、修正するほどではないと判断されそのままになっているもの。 3.開発者の全く意図していない不具合。いわゆる「バグ技」のこと。 英語圏では「グリッチ (glitch)」と呼ばれる。 なお、あくまでメーカーから発売されたゲーム自体の挙動がそうなっており、ゲーム機のみで普通に遊んだ場合に発生するものを指す。 プレイヤー側が外部から本来あり得ない命令を出させる「チート」や、ゲーム自体の「改造」とは全くの別物である。 かつてはチート(改造)も裏技と呼ばれる事があった(*46)が、オンラインゲームが一般的になりチートの問題点が広く理解されるにつれて、「チート」が「裏技」と呼ばれる事はほとんど無くなった。 80年代前半における影響力は絶大であり、今では考えられないことだが、裏技を発見して投稿することがあらゆるゲーム雑誌のキラーコンテンツであった。 たいていの場合は何らかの形で景品が懸けられており、中には懸賞金(*47)までかけられていたことすらあった。 一例を挙げると、ハドソンのFC版『ロードランナー』で「ハシゴの上で右手が上の状態で静止していると敵がすり抜けて死なない」というバグがあった。 だが、「致命的な不具合でもないし、ソフトを回収していたら会社が倒産してしまう」ということで開き直り、小学館とグルで「裏技」と言う事に仕立て上げたのだと高橋名人は証言している。 エレメカでは、筐体を揺する、傾ける、殴打するなどのイカサマ(*48)でゲームクリアしようとする行為を指すこともある(*49)。 売上 事業の損益計算における主要要素の1つ。ゲーム業界でいうならば「売上本数×単価」となる。 ゲーム関連のネットスラングでは単純に売り上げ本数を指す事が多い。 日本では出荷すればメーカーとしては確定であるが、返品制度のあるアメリカでは不出来であれば大量に返品されて売り上げを落とすこともある。 大量返品でメーカーが経営危機に陥ることも珍しくなく、大規模になるとアタリショックなど業界の存続自体を揺るがす事態にもなる。 一口に「ゲームソフトの売上」と言っても「企業視点での売上」と「ユーザー視点での売上」では意味合いが大きく異なっているので注意。 企業視点では、例えば「10万本売ってようやく開発費回収、売上目標は30万本」といった規模のゲームだと20万本売れても失敗作扱いされる可能性がある一方で、「1万本売れれば開発費回収」出来るような低予算ゲームなら10万本でも大成功と言える。 また、製作期間や価格にもよるが、アマチュアの個人製作ゲーム(いわゆる同人ゲーム)なら1000本程度でも大成功だろう。 近年のソーシャルゲームの隆盛には「(コンシューマーの大作ゲームよりも)開発費が安い」と言う企業側の都合も大きい(*50)。 ユーザー視点では前述の売上本数を指している事が多い。 しかしその売上本数からして基本的に集計媒体の協力店の小売から送られてきたデータを元に統計をシミュレーションしたものであり、正確とは言いづらい。 ネット通販大手のAmazonは集計に協力しておらず、ダウンロード販売の割合も昔より大幅に増えているため、なおさら信ぴょう性が薄れてきている。 市場に出回った数の大小や作品評価の一つになっていることもあるが、人気の指標に使おうにも、前評判の高さ、特典商法、シリーズや原作のネームバリュー(安心買い)で売れたソフトも数多くある。 そのため、評判が広がって売り上げが伸びたタイプ以外はあまり参考にはならない。 要するにユーザー的にいえば、「売上」はあまり議論のしようがない話なので、なるべく触れない方が無難。 近年では、ソフト(基板)代金以外からも売り上げを得ようとする流れが多くなってきている。 アーケードゲームの従量課金(インカムに対して定率の料金をメーカーが徴収する)、基本無料でPtWの課金重視ソーシャルゲーム、DLC(ダウンロードコンテンツ)、などがその典型。 オンラインゲームやソーシャルゲーム、TCAGでは売上がサービス存続か終了かにほぼ直結する。 買い切りゲームとは違い、サービス終了されるとソロプレイさえ不可能とって有料データやカードが文字通り紙屑か無と化す事から、ユーザーが常に気にする話になっている。 しかし「明らかに損益が見てとれる」様な状況でもない限り、こちらもユーザー側では議論のしようがないのが現実である。 スマホアプリならGoogle PlayやApp Storeのセールスランキングがあるが、金額ではなく一定期間内の順位という相対的な指標しかなく、順位も刻々と変化している。売上が特定の期間にのみ集中していることも多く短期期の順位上昇とそれ以外の期間の降下を総合的に判断する必要があり、売上金額を予測しているサイトも実際とは誤差がかなり大きく、ユーザー側が売上金額を正確に窺い知ることは難しい。 出荷 メーカーが卸売に出荷した本数。売上が第三者機関による調査であればこちらはメーカーが直々に発表する数字。 ソフト販売直後やメーカーの株主総会の時に「◯◯万本出荷」という実績として語られることが多い。 あくまで「出荷」であり、「販売」ではないのだが、返品制度のない日本のゲーム業界では出荷の時点でメーカーの売り上げが確定する(*51)。 一方で小売店での売り上げは確定していないので、出荷数の割に宣伝が足りなかったり(*52)、販売後に評価が落ちるとそのままワゴンセール行き…なんてことも珍しくない(*53)。 生産出荷 製品が工場から自社倉庫に出荷されること。 売上が発生しないため何の意味もないが、農家以外ではソニーが2007年3月期までの決算発表において、この言葉を使用していた(*54)。 消化率 メーカーが出荷した本数のうち、どの程度売り上げたかを示す数値。売上と同じく小売店からの情報を元にシミュレーションした数値なのであまり正確ではない。 本来 消化率を一番気にするのはメーカーでもユーザーでもなく小売店。 売れ行きが良ければ再発注をし、悪ければ値下げを検討しなければならない。 消化率が70%を上回ると全国で品切れが目立ち始め、手に入りにくくなると言われる。逆に消化率がよろしくないと需要に対して過剰出荷されてしまい、値崩れを起こす前兆とみなされることも。 映画 アニメや漫画と同様、何かとゲームと関わりの深い映像媒体。明治・大正期の呼称で「活動写真」なんて言い方も。 「映画を元にしたゲーム」「ゲームを元とした映画」ともに古くから存在し、いずれも名作から駄作まで玉石混淆である。 一般的に映画というのは、多くの優秀なスタッフ・俳優(声優)が集まり、莫大な製作費をかけて制作されるため、創作の花形として語られることも多い。 故に「映画並の製作費」「映画の様なCG・美術・音響」「映画で活躍するクリエイターを起用」といった宣伝文句が付けられる事もあるが、制作規模が肥大化した現代のゲームでは珍しい事ではない。特に大手メーカーによる作品であれば尚更である。 映画は多額の制作費・時間がかかるため、そのリスクは大きく、日本一ソフトウエアが『流行り神』の映画化を委託した会社が倒産して、映画化のために掛けた資金が回収できなくなり、当時製作予定だったゲームの開発を数本凍結せざるを得なくなるなど、経営に影響を与えた。 また、1998年以降毎年公開されていたポケモン映画は2020年12月公開(*55)の『劇場版ポケットモンスター ココ』を最後に新作映画が製作されておらず、事実上の凍結状態である(参照)(*56)。 「映画とゲームの融合」というのは某メーカーがよく口にしていた事だが、ファン層がだいぶ違うのでそれを期待する人はそう多くない。 実際はゲームメーカー、映画配給会社共に幾度となく試みたが、そのほとんどが商業的な意味も含め痛い目を見て終わっている。 「映画のようなゲーム」は総じてTRPGでいうところの吟遊GMが仕切る卓の如くプレイヤーが介入している実感がほとんどないものになる(例:LDゲーム)。 そして、「ゲームのような映画」は中途半端な介入要素を入れる(投票によるストーリー分岐等)ことで作者のメッセージがまるで伝わらない(不出来なビジュアルノベルのような)作品になってしまう。 また、ムービーシーンが多く、自分でプレイできる場面が少ないゲームは「映画」と揶揄されることもある。 一方、スタッフ個々で見るとゲーム・映画の双方で実績を上げているクリエイター、俳優も多い。 「映画を元にした良作ゲーム」の例……『グーニーズ』『スパルタンX』『トップガンハードロック』など 「映画を元にしたクソゲー」の例……『E.T. The Extra-Terrestrial』『ゴーストバスターズ』『ターミネーター2』など 「ゲームを元とした名作映画」の例……『バイオハザード』『トゥームレイダース』『ポケットモンスター』シリーズなど 「ゲームを題材とした名作映画」の例……『シュガー・ラッシュ』『レディ・プレイヤー1』など 関連 ムービー 永久パターン アクションやシューティングゲームにおいて、プレイヤーがやめようとしない限り半永久的にゲームをプレイし続けられる方法の事。 略して「永パ」であり、当て字で「A級」等とも呼ばれる。 主に「特定の位置に移動してショットボタンを連射したまま固定」「スタートと共に特定のパターンで自機を動かすことで、どの面でもクリア可能」等、操作さえ覚えれば誰がやっても永久になるものが対象となる。 『グラディウス』等、極めれば何周でもできるループゲームの場合は、「実力永パ」と呼ばれる。 永久パターンが発覚した場合、下記に挙げる様々なデメリットが発生する。 まずスコアアタックにおいて:永パによる無限稼ぎが発覚した場合、「限られた機会での得点を突き詰める」というプレイスタイルは完全に台無しになってしまうため、雑誌などで行われるスコア集計はほぼ打ち切られている。プレイ模様をチェックできるシステムがあれば良いが、そうでなければスコアはほぼ無価値となり、ランキングも成立しなくなる。 次にゲームセンターにおいて:ACG・STGでこれが見つかると、1回分のプレイ料金で本来の想定時間よりも遥かに長くゲームを独占できてしまう。「インカム」の項目にもある通り、1プレイの短さ=回転率は店の利益に直結する大問題であり、1プレイ100円で数時間以上粘られてはゲーセン側としてはたまったものではない(*57)。こうした数々のデメリットがあるため、あまりにひどい場合は無償のROM交換やパッチが当たることもある。 また、過去作では「シーンごとに時間制限(ボス自爆タイマー)を設ける」「永パ防止キャラを登場させる」といった手段で強引に終わらそうとしたり、時間経過に応じたペナルティを課すなどして永久パターンの優位性を引き下げている。 しかし、「バグで防止機能が働かない」「永パ防止キャラが延々とかわされる・倒せてしまう」などの抜け道が生まれてしまい、結局永久パターンが成立してしまったゲームもある。 永久コンボ 格闘ゲームにおいて、プレイヤーがやめようとしない限りは延々とつながり続ける連続技のこと。最後まで繋ぎきったとき、またはその前に敵の体力が尽きるコンボ(10割コンボ、即死コンボ)とは似て非なる。 格闘ゲームにおける永久コンボはゲームバランスの崩壊、および対戦ゲームとしての魅力そのものの失墜に繋がる。 本来は対戦者同士のインタラクションを繰り返させるはずなのに、決着が付くまで延々と攻撃し続けられる一方的なバランスになってしまえば、対戦ゲームとしては致命的であるからだ(*58)。 とあるゲームでは「ユーザー間の打ち合わせにより、ほぼすべての永久コンボ禁止」というルールで全国規模の大会が行われたこともある。 過去にはあまりにひどい場合、メーカーによる無償のROM交換が行われる場合もあった。また、通信インフラが整った近年の格闘ゲームにおいては、逐次パッチを当てることで対策済みの新バージョンに強制的に切りかえるのが主流となっている。 一方で全キャラに永久コンボがあるので一周回って人気が出る、なんて事もあるが、それはまさに「例外中の例外」というべきレアケースである。そしてそこまで来ると「永久コンボ=基本コンボ」なので極端にハードルが上がり、「(永久コンボの出来ない)初心者お断り」作品になってしまうのも必然になってしまう。 AIM(エイム) 「aiming」の自動詞で、銃や弓等で的を狙っている様子、転じてFPSにおいて狙ったところに上手く当てる技術力の呼称(例 AIMが上手い)。 対人チーム戦が主体となったうえで激しくかつ精密なアクションを要求され、相手プレイヤーに上手く当てることが難しい故に、FPSが敬遠される要因の1つでもある。 最近の家庭用FPSではオートエイムなどある程度サポートする機能が付いていることが多いので、FPSのハードルは下がりつつある。 SF 本来は「サイエンス・フィクション」の略。未来世界の科学に振り回される人間の悲哀を描くものを指すことが多い。 そのサイエンスフィクションで宇宙旅行(宇宙戦争)を扱った物が多数登場し、「スペース・ファンタジー」の略ともされるようになった。こちらの意味では「竹取物語」が元祖だと日本では主張されている(*59)。 娯楽作品としてはかなりポピュラーな題材であり、日常的にSF作品が多数リリースされている時期も存在した。その「定義」に関しては非常に面倒なことになっていたりするのだが、ここでは割愛する。 fps 「frames per second」の略。ゲームのグラフィックを表示する際に、「1秒間に何枚の絵を表示、もしくは書き換えられているか」を表す単位。 例えばfpsが60のゲームの場合、1秒間に60回描画処理がなされていることを意味する。当然ながらfpsが高いほうが滑らかに動いているように見えるが、その分マシンにかかる負担も大きくなる。 また、上から転じて、「フレーム」という単語が「そのゲームにおけるゲーム内時間の最低単位」を指す言葉としても用いられる。 とある格闘ゲーム(fps 60)にて「ボタン入力から攻撃判定発生まで15フレーム」とあった場合、発生までにかかる時間は15/60秒、つまり約0.25秒であると言い換えられる。 あくまでも「描画処理が」であり、描画処理とコマンド処理以外についてはfps以上の速度で処理されている事が大半である。 近年TAS業界で話題となった「サブフレームリセット」は、描画処理フレームより細かい単位(サブフレーム)でリセットを掛けることにより、セーブデータを意図的に破壊するテクニックである。 ただし大半のゲームは基本的に60fps以上の設定といえど、処理能力の限界で設定されたfpsが維持できないこともある。 例えばキャラが一度に多く登場するゲームだと、最新鋭グラフィックボードを積んだPCで動かさない限り実際に60fpsを維持できているのは小規模なゲームモードぐらいであろうとされる。 音ゲー・格闘ゲームを筆頭にタイミング取りのシビアなアクションゲームで、fpsが維持できないのはかなり致命的になる。 このため、特にPS3の時期に登場したAC/CS作品では初めからfpsを落として安定しかつ公平な環境を優先することが多かった(*60)。 しかし主流となったPCベース基板ではメーカー側の努力だけでfps落ちを防ぐのは意外に困難となっている(*61)為、同期だけ取れればOKと割り切ることも増えた。 PCゲームでは、リアルタイムにfpsを表示する機能の付いたソフトが古くから多く存在する。 時間制限のない同人格ゲーではタイム表示の代わりにfpsが表示されていたりというケースも。 しっかりと作られた音ゲーでは画面表示とは別に内部判定を持っていて、1フレーム未満のシビアな判定が内部的にはきっちりなされているケースもある。 だが、処理落ちが入力判定に影響しないとは言い切れないため、やはり処理落ちが起きないことに越したことはないだろう。 一時期、人間の目は60fps以上を認識できないというのが常識であり、それを根拠に標準のリフレッシュレートが60fps=60hzと定められた。 しかしながら「やっぱり60fps以上も認識している」という研究が広まったことで、ゲーミングモニターなどの高品質モニターは120hzや144hzといった高速駆動液晶を搭載するようになった。 ただし60fps以上を出すには出力側もそれに伴ったマシンパワーが必要となるため、普及はなかなか難しいかもしれない。 なお、ゲームジャンルの「First Person Shooting (FPS)」と区別する為、こちらは全て小文字で「fps」と記されることが多い。ただし絶対ではないので、どちらを指しているのかは文脈から判断する必要がある。 ゲームジャンルのFPSに関しては当該項目を参照。 エミュレータ 特定のコンピュータの動作を模倣するソフトウェア。「emulate (真似をする)」という英単語からきている。 古くなったり大掛かりであったりするオリジナルの装置をエミュレータにより代替することで、利便性の高い動作環境を実現できる。 ゲーム業界での代表例は、現行ハードで過去のゲームを遊べる「バーチャルコンソール」「ゲームアーカイブス」などのゲームソフト配信サービス。 また旧ハード対応のソフトが動作するPS2は、PS1のエミュレータ(*62)を内蔵しており、そのおかげで(ごく一部のソフトに動作不良がありつつも)世代交代に際し過去のソフト資産を持ち越すことができた。 有限会社M2は、元のスペックを超える仮想ハードのエミュレータを使った移植を得意としている。 例えばセガ3D復刻プロジェクトでは背景画面の多段表示 奥行き情報保持が出来る3DS向けMDエミュレータ(通称「ギガドライブ」)を制作し、この上で元のシステムプログラムは無変更で、グラフィックプログラムに3D情報を載せて動作させていた。 ちなみにGBAでGB、DSでGBA、3DSでDSのゲームが動かせる下位互換機能にはエミュレーションを使っておらず、CPUを含めた内部回路自体を旧仕様用に切り替えて動作している(*63)(*64)。 上記の例は元の装置を制作したメーカー公式のエミュレータだが、インターネット上には有志作成の非公認エミュレータも多く公表されている。 その多くはPCが主であり、ゲームソフトのROMイメージを始めとするデータファイルを別途用意するとゲームが動作する。 一方、ハードウェアエミュレーターである「レトロフリーク」や、MEGA-CDのCDドライブ部分をエミュレーションする「MEGASD」など、PC以外で使用するエミュレーションシステムも存在している。 また、すでにサービスを終了したオンラインゲームをプレイするためのエミュレーションサーバー(通称 エミュ鯖)なども存在している。 これらも便利な面がある反面、非公認のエミュレータは道義的・法律的な問題点とも多く関係しており、安易に話題に出すことは非推奨である。 エミュレータの開発自体は、実機の動作をリバースエンジニアリング(*65)したものであれば認可されていなくても諸々の事情から合法(*66)とされる。 ROMイメージは、プロテクトのかかっていないものを対象に自分の所持品から作成して自分だけが使うなど、私的複製として認められている範囲内での利用ならば合法。 これらに反した違法行為が確認されていることも現実であり、製品版から非公認に吸い出されたであろうROMイメージやBIOS(ハードウェアが固有に持つ基本プログラム)データが、無許可でアップロードされたり販売されたりもしている。 最近では見られなくなったがダウンロード規制強化前に出版されたエミュ関係書籍では、当然の如く違法DLサイトの紹介が載っていたりもした。 エミュレータは「ゲームを不当に格安で遊ぶ」などという不届きな使い方をするものではないことに留意されたし。 少なくとも、実機ROMや吸い出し機器を持っていなかったり、その入手ないしは使用方法を問われても答えられないようでは違法行為を行っているとされても文句は言えない。 他にも上述のエミュ鯖も著作権や商標権などを侵害しているとされ、実際に運営者と利用者が著作権法違反(幇助)の容疑で摘発された事例もある(*67)。 また、非公認のエミュレータなどを用意する過程で、マルウェアなどが混入したり情報漏洩などに巻き込まれるリスクもある。 いずれにしても、全ては自己責任で行うものといえ、軽い気持ちで手を出すことは危険が伴う。 ちなみに、メーカー側が非公認エミュレータの開発者を相手に裁判を起こした例もある(*68)。 海賊版対策の兼ね合いもあるものの、非公認エミュレータが台頭し始めてからは「プログラムの解析・複製(ROMイメージの吸い出しも複製行為に含まれる)を禁止する」などとパッケージや説明書に記載していることが増えた。 違法でなくとも、解析やROMイメージを吸い出す行為そのものも万人から認められているわけではない(ライセンス違反の場合もある)ことにも留意されたい。 また、昔の作品にはハード的な制限もあってか不親切な点が多く(*69)、それらを全く調整せずにそのままベタ移植されると現代のプレイヤーが面食らうことも。それを揶揄して「エミュ」と表現する人も居るらしい。 MMO 「Massively Multiplayer Online (大規模多人数参加型オンライン)」の略。 オンラインを通じたマルチプレイの一種で、ゲーム毎に一定人数でセッションを組むのではなく、1つのサーバに常時多数のプレイヤーが出入りしているゲーム。不特定多数ではなく、特定人数で区切る場合はMOと呼ばれる。 MMOの金字塔である『ウルティマオンライン』の影響でMMOというとRPGという認識が強いが、FPS等の他ジャンルでMMOを実装したものも存在する。 一つのサーバを多くのプレイヤーと共有するためサーバ=世界とみなし、仮想現実空間の先駆けとなった側面もある。 MVS 1990年にSNKが発売したアーケードシステム基板(*70)。正式名称は「Multi Video System (マルチビデオシステム)(*71)」となっている。 家庭用ゲームハード「ネオジオ」と同一のハードスペックを持つため、「業務用ネオジオ」などと呼ばれることも多い。 また、カートリッジ形状とBIOS以外は完全互換なので、MVSに家庭用コントローラーを接続することも電気的には可能(接続端子を持つ基板もある)。 また特殊ハーネス(いわゆるゲタ)を使用して家庭用のカートリッジを業務用基板に、もしくはその逆に接続することも可能で、その場合でもBIOSを参照して本体に合わせた動作を行う(*72)。 最大の特徴は、それまで家庭用ゲーム機の特権だったカートリッジスロット形式の実現、及び「1台の筐体に多数のソフト(最大6本)を内蔵し、専用ボタンで切り替えする」という機能の搭載。 これらは限られたスペースにできる限りのゲームを設置したいゲームセンターなどの側にとって非常に頼もしい専用筐体となった。 そしてここで開発したゲームを、100%の移植度ですぐにネオジオに発売できるという強みもあり、アーケードマシンと家庭用マシンの性能に大きな開きがあった当時では革新的な機種でもあった。 ただし、初期はAC版とCS版でソフト価格が同額に設定されていたことから、アーケードゲームとしては破格の安価であると同時に家庭用ゲームとしては目を剥くほどの高額であったという事情があったため、一時期家庭用レンタルも行われた。 設置を希望する店舗に無償で筐体を貸し出し、その収益の一部を回収するという独自のレンタル販売戦略も功を奏し、格闘ゲームを中心に爆発的な勢いで国内外に普及。 全盛期にはデパートやスーパー、宿泊施設などのゲームコーナーから駄菓子屋の店先まで、街の至る所でMVS筐体の姿が見られた。 おそらくアーケード史上最も成功した汎用ハードと言えるだろう。 SNKはこの成功によって一時は業界を牽引する大手メーカーに急成長。 MVSとネオジオは約15年にも渡って現行機であり続けた超長寿ハードとして役目を全うし(*73)、現在でもコアな格闘ゲーマーの集まるゲームセンターでは汎用筐体の中で元気に稼動している姿を見かけることができる。 ただし「4スロット全てにROMを刺すと起動しない」「特定の2タイトルが同時に刺さっていると起動しない」等流石に基板の衰えを隠せないケースも出てきている。 そのため、逆に前述の汎用筐体向けの1本挿し基板(MV-1系統)の方が未だに現役稼働しているという現状になっている。 また2本以上のソフトの切り替え設定にした場合、2P側での単独スタートが出来なくなるという仕様があり、対戦台として扱うにはMV-1の方が便利というのもある。 ネオジオの優れた設計思想はサミーの「ATOMISWAVE」等を経て、現在においてはタイトーの「NESiCAxLive」・セガの「ALL.Net P-ras MULTI」・exA-Arcadia PTE.の「exA-Arcadia」に受け継がれ、進化している。 エンカウント コンピューターRPGにおいて、移動画面(フィールド画面)上で敵と遭遇し、移動画面から戦闘画面に移行する事を指す。 なお、エンカウントという言葉はいわゆる和製英語であり、本来は「 encounter (エンカウンター)」が正しい綴り。(*74)。 『Wizardry』において敵との遭遇時に「an encounter」と表示されたのが元祖と思われる。 大まかに分けると下記のタイプに大別される。 ランダムエンカウント…非常にポピュラーなタイプ。移動中に「エンカウント率」が設定されており、歩く度に判定が入り、一定確率で戦闘に入る。 タイムエンカウント…歩くだけでなく実時間の経過とともにエンカウント発生の判定が行われているタイプ。 シンボルエンカウント…ハード性能の発達により増加したタイプ。移動画面に敵のシンボルが表示されており、それと接触する事で戦闘に入る。 プランドエンカウント…特定のオブジェクトを調べたり、特定の地点に足を踏み入れると強制的に戦闘に入る。イベントの一環。 エンカウント発生率のバランス調整は、CRPGの評価に直接関わる重要事項である。 ランダムエンカウントの確率設定は、単純に「何%で当選」とすると“最初の1歩”が最も当選しやすく、感覚的なエンカウント回数は想定していた水準よりも遥かに高くなってしまう。 その為、戦闘後一定歩数はエンカウントしない、歩数ごとに徐々に確率を上げるといった工夫が必要になるため、見た目以上に調整は難しい。 もっとも確実に解決する方法として、「戦闘終了後に次回エンカウントまでのカウンターを一定範囲内から抽選で決定して、歩く毎に(地形に設定された数値に応じて)カウンターを減らし、0になるとエンカウント」といった天井方式での抽選が挙げられる。 シンボルエンカウントは、シンボルの数・位置・動き・種別・サイズといった様々な情報が目に見えるので、シンボルの背後から接触すると有利な条件下で戦える(逆もまた然り)、接触した時近くに別の敵がいると連続で戦う(*75)等、移動中での立ち回りを戦闘に反映させる要素を多くのゲームが採用している(*76)。 いずれにせよ、プレイヤー側の不利が過ぎればストレス要因となり、有利過ぎても「なかなか戦闘が起こらない、ヌルい」と批判されやすい。強制以外のエンカウントでは、「確率を上げる、または下げる」「好きな時にエンカウント」「特定の手段で確率をゼロにする」等々、プレイヤー側で戦闘頻度を調整できる様々な手段が考案されている。『ポケットモンスター』シリーズなどのようにエンカウント率に介入するアイテムやスキルを用意されていることもある(*77)。 ちなみに、アクションRPG(*78)に代表される、エンカウントの概念そのものが無く移動と戦闘を同一画面で行うものは「シームレス形式」とも呼ばれる。 ランダムエンカウントの例……『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『ポケットモンスター 赤・緑』等 シンボルエンカウントの例……『MOTHER2 ギーグの逆襲』『スーパーマリオRPG』『ロマンシング サ・ガ』『ファイナルファンタジーXIII』等 上記2つを折衷した例……『ポケットモンスター ソード・シールド』等 タイムエンカウントの例……『ディープダンジョンIII 勇士への旅』等 プランドエンカウントの例……『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』『ポケモンカードGB』等 シームレスの例……『ゼルダの伝説』『聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~』『ファイナルファンタジーXII』等 エンドコンテンツ 主にMMORPG等で使われる「最果てに位置するコンテンツ」という意味の言葉。 メインストーリー等を終えたプレイヤーを引き止めておくために用意されているコンテンツ。 そのため必然、高難易度であり初心者が到底挑める内容でないことが多く、その分報酬も良いモノが用意されていたりする。 しかし、中級者~上級者であっても脱落してしまう程の高難易度だったり、プレイヤーに不利な要素ばかりを追加する調整だったり、運の要素が強すぎる物であると物議を醸しやすい。 飽きず・理不尽さを抱かせずに繰り返し遊べるエンドコンテンツを用意できるかどうかがサービスの寿命をも左右すると言っても過言ではないので、ある意味ではMMOにとって重要な花形コンテンツである。 エントリーカード アーケードゲームで用いるプレイデータを保存するカード。コナミの「e-AMUSEMENT PASS」が有名だが、同社だけで見てもこれ自体が初出ではなく各機種に存在していた。 かつてはカードそのものにデータを保存する磁気カードが主流だったが、破損するとデータが失われるデメリットがあった(*79)ため、現在はカードを鍵として各メーカーのサーバーに保存されたプレイデータをダウンロードするICカード方式が主流となっている。 初期のものは一定のゲーム専用(『ゴーストスカッド』等)だったり回数制限があったり(『悠久の車輪』『戦場の絆』等)したが、現行のe-AMUSEMENT PASSやAime・バナパスポートカード、NESiCAカードと言った代表的なものは回数無制限かつ複数のゲームに対応している。 しかしその分カード代金やサーバー維持費がかさむため、ゲームセンター側が負担する金額も大きい。 カード販売自体はゲームセンター側にはほとんど利益がない(*80)。このため、サブカの範疇を超えたレベルのカード消費(*81)は店舗側にとってはありがたくない。 カードベンダーにも数万円~数十万円の投資が必要で、その回収をカード販売だけで行うことはまず不可能なことにも注意が必要。 e-AMUSEMENT PASSの定価は400円だが、300円で売っていたり500円で売っていたりするのは少しでも在庫を減らしたかったり、逆に少しでも利益を乗せたかったりという意図が見られる。 カードのデザインはメーカー・ゲームによってまちまちだが(『バトルギア3』に至ってはカードではなく車のエンジンキーを模した鍵型のドングルになっている)、お気に入りのデザインのカードを手に入れる為に自動販売機で延々カードを買い続けるユーザーも少なくない。 アミューズメントICカード 当初はコナミ・セガ・バンダイナムコの3社によるアーケードゲーム用エントリーカードの統一規格だったが、その後タイトーも参加を表明している。 プレイヤーから見ればこの4社いずれかのネットワークを利用しているタイトルのエントリーカードを、他3社のタイトルにも使い回せると考えて差し支えない(*82)。 ただしデータを1枚のカードにまとめるには各社のネットワークサービス関連サイトでの手続きが必要(*83)。 現状では複数のカードの機能をまとめるメリットはセガの一部タイトルにおいてプレー料金を(同じカードを使って)PASELIで払える程度。 ただし、NESiCAは筐体側リーダーのハード仕様が他3社と異なる(*84)ためかデータを引き継ぐと未対応タイトル(*85)で使えなくなるという問題がある。 そのため、NESiCAに限り「同じデータにNESiCAとアミューズメントICのどちらでもアクセスできる」という形にすることで、非対応タイトルでは引き続き以前のNESiCAでプレーを続行できるようになっている。 王道 1.紀元前にペルシア帝国が建設した幹線道路。広く便のいい道路だったので、そこから「近道」「安易な方法」といった意味で用いられるようになった(*86)。 2.孟子が唱えた「仁徳を以って統治すべし」という君主の心得。逆の意味は武力で統治する「覇道」である。 3.[1]から転じて「正攻法」「定番」といった意味。「古典的」とほぼ同意。 創作物における話題では、主に[3]の意味合いで使用される。 要は◯◯といったジャンルを思い浮かべたときに大勢の人が想像するであろうものを指す。当然振れ幅はあるので人によってはこれでは王道と呼べないと反発する場合も。 変化球ばかりのゲームジャンルに飽きがきたのか、古き良き時代の王道に回帰する向きも出るという循環を経ている。 ゲームの世界では2010年代に入ってから「王道RPG」もしくは「王道ファンタジー」というジャンルを名乗る作品が増えていったという現象がある。王道という一般用語が「ゲーム用語」としてここに載せられているのはそのため。 2015年~2017年あたりは特にスマートフォンのゲームアプリで「王道RPG」という紹介がつけられるものが有象無象と出現し、アプリの紹介サイトなどでは「王道RPG」を作品傾向ではなく一種のゲームジャンルとして扱われるほどとなった。 いわゆる「アクションRPG」や「ローグライク」と同じように「王道RPG」という言葉が使われたのである。 「王道RPG」とはいかなるジャンルなのかは細部は異なるが、多くの紹介サイトで統一した見解として「剣と魔法が主体のファンタジー世界」「仲間とともに冒険をして世界を救う物語を体験できる」「コマンド式バトルの採用が多い」「世界観はダークではなく比較的明るめ」というものがある。 つまり端的にいえば、JRPGの作風概念をライト層に対してポジティブなニュアンスで伝えるために「王道RPG」と表現しているということである(*87)。 剣と魔法の世界 剣と魔法のファンタジーとも。英語では「Sword Sorcery」と呼ばれ、ゲームのみならずアニメやマンガでも代表的な世界観の1つとして古くから現在まで主流となっているジャンル。 元を辿れば小説家トールキンによる『指輪物語』がベースとなっており、中世ヨーロッパ風な風景にモンスターや精霊など、おとぎ話がミックスされた架空世界であることが多い。和風や無国籍風な世界観も少なくはないが、大半はそれ以上に『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』シリーズの影響が色濃い。 機械は出てこないこともあるが、超古代文明のロストテクノロジーとして出て来たり、スチームパンクのように日常風景になっていたりすることもある。 あくまで「中世ヨーロッパ風のファンタジー世界」なので、「中世ヨーロッパにジャガイモがあるのはおかしい」とか「この時代にあれがあるわけない」とかいう突っ込みを入れると「じゃがいも警察」「史実厨」と逆に馬鹿にされる事となる。そもそも現実の中世にドラゴンやスライムは存在しないし(*88)、魔女どころか女戦士でさえ火炙りの刑である(*89)。 近年では投稿サイト『小説家になろう』において人気を博している世界観という事もあり「ナーロッパ (なろう+ヨーロッパ)」という通称も浸透している(*90)。 オーバーキル 「やりすぎ」を意味する英単語「overkill」から、相手の体力の数値以上のダメージを与えること。 一部のゲームではオーバーキルで倒すことでレアアイテムが手に入ったり、経験値にボーナスが入ったりというゲームシステムとして組み込まれていることもある。 対戦ゲームなどでは倒れた相手にしつこく攻撃することは「死体蹴り」と言われオーバーキルとは区別され、ゲームシステム上で意味がない限りはマナーに抵触する行為とされる。 オーバーフロー メモリに格納されている数値に対し演算を行った結果が、その数値を格納している変数の型で表せる範囲外の値になること。「オーバーフロー (overflow)」とは「あふれる」という意味。 ゲーム上で起こる現象としては、数値を大きくしていくと突然0やマイナスに、0を下回った数値がとんでもなく大きな数になってしまうという形が一般的で、厳密には算術オーバーフローと呼ばれるもの。 上限を超えることをオーバーフロー、下限を下回ることをアンダーフローと区別する人もいるが、このアンダーフローの用法は誤用である(後述)。 攻撃力に絡むパラメーターが高い状態になることで(攻撃力上昇効果によるケースも)ダメージが激減してしまう、残機を増やしすぎてその後1回のミスでゲームオーバーになってしまうといった不具合、 カジノのコインを大量に買うと激安になる、別のバグにより持っていないことになっているはずの宝石を売却することで大量に所持している状態にする裏技などはオーバーフローが原因のバグである。 単純に上一桁が切り捨てられて00に戻るというならば不具合はあるにせよ問題は少ないのだが、溢れた桁が他の領域に突入してしまうとゲーム自体がバグってしまう。 これは「バッファーオーバーラン」などと呼ばれており、軽度のものだと「アイテムが隣の物に変化するor隣のアイテムの個数が変わる」程度で済むが、重度の物だと「プログラム領域に突入してしまいゲームがクラッシュする」となる。 アンダーフロー 浮動小数点数という小数を扱える形式の数に起こる不具合で、簡単に言えば、小数同士を掛けて数値がゼロに近づきすぎるとうまく表現できずゼロ扱いしてしまう現象。 小数、それも普通は0.001(千分の一)を10回掛けてもまだ起こらないくらいのものなので、ゲーム上で扱うような数字とはまず無関係。 例えばC言語のfloat型浮動小数点数型は「1.175494×10-38乗~3.402823×10+38乗」を表記可能である。 これでアンダーフローを起こすには0.001を13回掛け合わせる必要がある。 さらに大きいdouble型であれば「2.225074×10-308乗~1.797693×10+308乗」となり、0.001×0.001は103回繰り返してやっとである。 …なのだが、「変数の値がその型で表現できる最低値を下回り、予想外の大きな値に変化してしまう」という、下限を下回るタイプのオーバーフローを指す形で誤用されるケースがある。 この場合でも正しくはオーバーフローであり、区別する場合は「負のオーバーフロー」などと表現する。 大人の事情 説明が難しかったり、公にすることが憚られる事柄を誤魔化す際に使われる言葉。 ゲームが突然開発延期・中止になった、あるいは一見未完成なのに発売されたといったことから、発売時はあるハードでの独占発売と謳われたのに一定期間後に移植が発売される、特定の表現が削除される等。 いちユーザーの視点からでは首をかしげるような物事の裏にある出来事。 陰謀…というほどのものではないが、大抵は契約で交渉に決裂したり、予算が足りなくて断念した、上層部の決定事項、納期を守るために突貫で仕上げた、関係者とのトラブル、法律や自主規制との兼ね合いといった事が多い。 それ故に、プレイヤーが大人(特に社会人)になると何となく察せられるようになり、開発者に対して同情めいた感情を抱くこともある。 大人の事情が垣間見えるゲーム レースゲーム EAがポルシェと独占契約していた為、『Need for Speed』シリーズ等の一部を除いてポルシェ車が出ずRUFやゲンバラ(*91)の車が出ていた時期があった。2016年に契約が終了したため、最新作ではポルシェ車が他社の各レースゲーム/ドライブゲームにも出ている。 FPS 各銃メーカーに払うライセンス料が問題で実銃が登場するWW2や現代戦ではなく、SFチックな未来戦ばかり作っていると噂された(*92)(*93)。 『メタルギアソリッドV ファントムペイン』 小島監督の退社に伴って毎回パッケージに印刷されていた“Hideo Kojima Game”のロゴが削除された。 『キングダム ハーツ』 版権の理由で「ターザン」が初代以降に登場していない。 『ポケットモンスター』 海外のレーティング等の事情で『B・W』以降ゲームコーナーやサファリゾーンが登場していない。 オプション 本来の意味は「選択肢」であり、ソフトウェア関係で使われる場合は各種設定を変更するモードを指し、下述の武装と区別し「コンフィグ」ともいう。 内容はソフトごとにまちまちで、多くは難易度設定・画面設定・音響設定などのプレイ環境の調整が主。 中には、コントローラーのキーアサインや、画面レイアウト・配色を変更できるなど、細かいところまでサービスの行き届いたメニューを実装しているものもある。 ゲームの出来の良し悪しに直結こそしないものの、使いやすさに配慮されているかの指標にはなるだろう。 時代と共にプレイ環境は多様化し、あまりにも設定項目の少ないものは相対的に不便となる。 中でもオプションメニューの中身が音声出力調整のステレオ・モノラル2択のみなんてケースは「充実したオプション」と皮肉ネタにされる。 「充実したオプション」の例……『デスクリムゾン』『大奥記』 また、有名STG『グラディウス』シリーズにおいては、「自機に追従する武装」の呼称。その特徴的な仕組みを模した類例は多く、「分身(*94)」の通称として使われる事もある。 おま国 「おまえの国が気に入らないから売ってやらない」などの略であり、海外出身のPCゲームプラットフォームSteamの台頭とともに表面化した国別の販売制限による問題。 一般的には「Geo-Blocking」と呼ばれるものに当たるのがこれ。要するに日本以外の地域では購入出来るが、日本では購入出来ないソフトを揶揄する用語である。 そもそもなぜメーカーはPCでおま国をするのかについては、どのメーカーも「販売上の事情」としか言わずに明確な答えを避けている。 このような制限がかかる理由は、主に権利関係問題による国別販売差し止め、物によっては通貨差による価格設定により、日本国内で正規で販売されているソフトよりも大幅に安くなってしまう、問屋や小売店、家庭用ゲーム機を販売しているプラットフォーマーへの忖度などが推測されており、ゲームメーカー及び関連企業の横暴として批判されることも多い。 元々海外製のゲームが表現問題の関係などで日本では購入出来ないといったケースもあれば、日本のメーカーが作ったゲームのはずなのに日本では買えないというケースもある。 前者の例は『Mortal Kombat』『Dead Space』『The Callisto Protocol』を筆頭とした「グロ表現に定評のある」ゲームが大多数。 これらは日本で発売しようとすると「CERO Zでもガイドラインに引っかかる描写しかない」という理由で事実上の発禁扱いとなっている。 後者の場合は、家庭用ゲーム機(CS)で同じものが発売されているというケースが大多数であることもあり、特に批判が集まりやすい。 PCゲームそのものの浸透が遅かった日本ではゲーマーの中でもおま国に対する温度差があったため、メーカーに対するおま国批判の大きなムーブメントが起こりづらかった(*95)。 幸いにしてソフト自体は日本でも無事発売されたとしても、CSでは日本語対応ができているのに、何故かPCでのみ日本語対応がされないといった派生問題になることもある。これは「おま語」とも呼ばれる。 特にローカライズに「声優による吹き替え」がある場合はよりややこしいことにもなり、ファルコムを中心に日本語仕様のままSteamで発売されたタイトルが日本から購入できないという現象にもなる。 声優による吹き替えがあるゲームの場合、契約によっては「プラットフォームを変えて新しく売るなら声優事務所へのミニマムギャランティの支払が必要」なことがある。 そしてそれが国ごとに個別に発生するのであれば、本数が売れない国では声優の吹き替えは不利になってしまうという事態が起こる。 当時国内でファルコムのゲームをプレイする固定ファン層のほとんどはCSゲーマーだった為、たとえSteamで日本語版を出したとしてもその対策費をペイ出来る見込みが全くないと判断されたのである。 『英雄伝説 閃の軌跡』から日本語文章・英語音声と一部緩和され、『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』でやっと音声入りの完全日本語版となった。 しかしそれでもなお、おま国ゲームを輸入ショップや個人輸入といった正規手段で購入するマニアも少なからず存在する。彼らにより、リージョンロックなどで購入してもプレイ出来ない場合の回避策も模索されていたようだ…(*96)。 近年では家庭用ゲーム機関連ではなく、PCゲームプラットフォーム関連での利権事情が垣間見れるケースもある。 これはSteamにてワールドワイドに販売されていた『Sea Salt』と『Moons of Madness』が、DMMにて日本語版がリリースされた途端にSteamにて「おま国」状態になったという事例がある。 それだけでなくXbox系列(特にOne以降)でも、極稀にこの問題が発覚することがある。 例えば日本製のゲームである『モンスターハンター ワールド』はOne版が海外では発売されていて、日本語字幕+日本語音声にも対応しているにもかかわらず日本では発売されないという問題がある。 類語として以下の言葉がある(*97)。 おま値……日本からも購入できるが、他の地域の販売価格と比べて日本版の販売価格が著しく(数千円単位)高いこと(例:『Call of Duty Modern Warfare 3』(海外59.99ドル。日本99.99ドル))。 ただし、日本のほうが同じソフトでもパッケージの価格が高いことが多いので、パッケージに合わせて海外と国内で価格を分けている場合も多い。 おま語……日本からも購入出来るが、(家庭用ゲーム機版では入っていた)日本語が削除されていること(例:『CLANNAD』)。 場合によっては(家庭用ゲーム機版では入っていた)日本語を追加言語として有料DLCで売りつける例もある(例:『トゥームレイダー』 日本語追加DLCが980円)。 おまモザ……2018年にSteamがエロゲを解禁。国外ではモザイク処理がされていない「無修正版」が直接販売されるが、日本では法律の壁でモザイク必須になっており、外部の公式サイトなどでパッチを配布するという間接的な形を取っている。 おま認証……別名「おまアクチ」で、Steamで配信されているゲームは外部サイトでも「Steamキー」という形で正規販売しているサイトが多数あるが、購入自体は日本から問題なくできても、いざ自分のSteamアカウントにそのキーコードを登録しようとすると「日本のIPアドレスからの登録」と判別され、登録自体弾かれてしまう。特に販売価格が安い南米・ロシア/CIS諸国向けキーによるこれらの国からのギフトが規制されている場合が多い。 非合法ではあるがVPNを使って回避する手法が使われるが、BNGIのようにこれらの対策目的で、国籍を確認できない場合支払い無効にする徹底振りを敷いているケースもある(*98)。 おまけ要素 / サブ要素 主にゲームクリア後に制作側からのご褒美・お礼として提供される追加コンテンツ。 大まかに「武器・マップ・コスチュームなど、ゲーム内に反映されるもの」と「企画段階の資料や制作スタッフのインタビュー動画など、ゲームプレイ外のもの」の2つに分かれる。 作品の魅力に沿ったものが多い一方で、世界観やゲームバランスを崩壊させるはっちゃけた物もある。 解禁方法も「単に1周クリアする」「高難易度モードや優れた成績でクリアする」「特定のアイテムを全て収集する」など様々。内容次第では本編以上に夢中になるプレイヤーも多い。 プレイヤーは解禁そのものがやり込みの指標となり、解禁されるとまた新しい感覚でプレイ出来る。 一方メーカーとしてもファンサービス精神をアピール出来、また発売から中古に流れるまでの期間を延ばすことになり、お互いにメリットのある手法と言えるだろう。 通信環境の整った現代では、時期を見計らってのDLCへと提供方法を変えつつある。 ゲーム内に反映される有名なおまけ要素の例 『メタルギアソリッド』シリーズの無限バンダナ、ステルス迷彩…前者はあらゆる武器の弾数・個数が無限となり、後者は敵に目視で見つからなくなるという超強力なアイテム。「敵から見つからないように進むゲーム」が、「敵を殲滅しながら進むゲーム」に変貌する。 『バイオハザード』の無限ロケットランチャー…クリアタイムが3時間以内で、対ラスボス専用武器が弾数無限で使用可能となる。ほぼ全ての敵を一撃で粉砕する威力で、リソース節約のため戦闘を避けることが多かった敵たちを次々に吹き飛ばせて爽快感抜群。シリーズ恒例のやり込みご褒美となった。 『バイオハザード4』のマーセナリーズ…本編をクリアするとプレイ可能になる、1つのマップ内で制限時間内により多くの敵を倒しスコアを稼ぐモード。高い戦略性からハイスコア更新目指して熱くなるプレイヤーが後を絶たず、後の『5』『6』にも収録され、さらにはこのモードだけを独立させた『バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D』も発売された。 なお、内容自体はおまけ要素と似ているが、クリア後ではなく最初から利用できる副次的コンテンツは「サブ要素」と呼ばれることが多い。 明確な定義は無いが、「おまけ要素=後から追加されるもの」「サブ要素=最初からゲーム内に組み込まれているもの」と捉えておけば間違いはないだろう。 昔はアイテム・仲間キャラの収集といった程度であったが、ソフトの容量増加やハードの性能向上に伴い様々なものが登場している。 人気を博したサブ要素の例 『フロントミッション5th』のサバイバルシミュレーター…ユニット1機のみでランダム生成された最大100フロアの踏破を目指すローグライクゲーム。本編では出てこないレアアイテムを本編に持ち帰れるので、ローグライクの持つ中毒性と相まって「欲しいアイテムの為につい潜ってしまう」と本編以上にのめり込むプレイヤーが続出した。 『GRAVITY DAZE 2』の写真撮影モード…本来は撮った写真を評価したりされたりすることでささやかな報酬が貰えるという、ゆるいオンライン要素のツールであった。しかし、主人公の少女が魅力的かつ移動能力が極めて高いこと、また独特の世界観やマップ構造から撮影スポット探索や自撮り構図の研究に勤しみ、本編そっちのけで軽く数十時間費やすプレイヤーが続出。 『ザ・シムズ』シリーズや『どうぶつの森』シリーズ等のハウジング要素…自宅にリソースの範囲内で思い思いの家具やインテリアを置ける機能。ゲームとしての腕が問われないのでライトユーザーでも取っつき易く、自宅を豪華にしたいが為に転職や資格取得による収入UPを目指すなど、リアルさながらに精を出すプレイヤーもいる。オンライン対応作品では他のプレイヤーを自宅に招けるなど、交流手段としても根強い人気がある要素。 『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』…「新感覚RPG」と銘打ち、RPGのメジャーなサブ要素である「レアアイテムの入手・合成」を主軸に据えた作品。魅力的なキャラや世界観もあり熱心な固定ファンが多いのが特徴で、ナンバリングだけで20作以上を誇る一大シリーズに成長した。 おまけ要素にしろサブ要素にしろ、基本的に「利用したい人だけ利用すればよい」ゲーム設計となっている。 逆に「これを使ってキャラを強化しないと攻略も覚束ない」といった事実上の強要がされたりすると、程度によってはゲームバランスの観点から本Wikiでの問題点になりうる。 関連 ミニゲーム オワタ式 → やりこみの一種。 音源 ゲームのBGMやSE音を再現するのに使われる発音方式。昔のゲーム機は技術の制約が多く、電子回路により作り出される音源(「PSG音源」「FM音源」「波形メモリ音源」など)が主だった。 さらに遡れば、「ビープ音」「オルゴールIC」「ブザー」や、アナログ音源としては「ベル」「ノッカー(*99)」「プロペラ」なども使われていた。 カセットに音源チップを搭載した例もある(*100)し、PCゲームではデータ容量を抑えるために音源をユーザー側で賄わせるようにした「MIDI」などもあった。 しかし、ハードやメディアの進歩に伴い、データ形式は高音質な音の波形そのものを録音し、楽譜データを読み込ませて演奏させる「PCM音源」や、予め録音した音声を圧縮し再生する「ストリーミング再生」に取って代わられていった。 その為、生演奏や歌を使用したゲーム音楽も一般的であり、「BGMはフルオーケストラで収録」「主題歌に○○を起用!」と書かれていれば、原則として「ストリーミング再生」を利用している。 その一方で電子回路による音の打ち込みや波形操作なども製作時に普遍的に行われていたり、「チップチューン」と呼ばれる音楽ジャンルも登場したりと、昔ながらの音も廃れているわけではない。 MIDIについても、フリー配布を含むソフト音源の登場などPCのみで自己完結しやすくなったことを除けば、論理的には未だに現役の技術である(*101)。 また、昔のハードでも音源の限界に挑んでいるものなどは評価が高く、当時のオリジナル音源で収録されたサウンドトラックが発売されることもある。 音源の限界に挑戦しているファミコンタイトル 『へべれけ』『えりかとさとるの夢冒険』『ラグランジュポイント』『暴れん坊天狗』『ギミック!』等。 当時の音源の限界に挑戦していたアーケードタイトル 『デイトナUSA』『バトルガレッガ』等。 基板設計の段階から高音質音源チップを採用するなどやりたい放題していた物 『ナムコのSYSTEM21』『タイトーのF3システム』等。 オンライン / オフライン インターネットに接続しているかどうかを表す言葉。インターネットに接続するコンテンツがある場合は「オンライン要素がある」などと表現される。 オンラインに接続するには当然別途インターネット契約(に加えプロバイダ契約)が必要。インターネットが生活必需品レベルになってきた現在では大して気にもならないが、第6世代据置機(DC/PS2/GC/Xb)の頃まではオンラインは敬遠される傾向にあった(*102)。 現代でも日本では(特にコミュニケーションが重視される)オンライン要素に苦手意識を持つ人も多いので、オンラインがメインのゲームでもインターネットに接続しないオフライン要素の有無やボリュームを気にする場合もある。 逆に欧米ではオンライン要素があるほうがウケがいいようで、オフライン専用ゲームを改造してまでオンラインできるようにしてしまう人たちまでいる。 PCゲームでは比較的その動きが盛んで、「nVidia Shadow Play」やSteamの「Remote Play Together」という形で無理やりオンラインプレイをサポートする場合も。 アドホック通信 / ローカル通信 携帯機を持ち寄って遊ぶタイプのマルチプレイ、もしくはその場合のプレイヤー間の通信。すれちがい通信も挙動的にはこれに準じる。 厳密にはこれもオンラインだが(*103)、インターネットに接続していないのでオフライン要素として扱われる。 基本的には「その場に集まって」のマルチプレイを指すのだが、この通信を仲介することで擬似的なオンラインマルチプレイを行う技術も存在する(PS3の「アドホック・パーティー」など)。 システムリンク 据置機やPCにおいて、各プレイヤーのプレー環境をLANで接続するタイプのオフラインマルチプレイ。 ローカルIPアドレスの重複を防ぐためのDHCP(*104)サーバーやアップデートのダウンロードのためのインターネット接続用としてルーターが環境に含まれることはあっても、各プレイヤーがLANで接続されているのであればオフラインに分類される。 やっていることこそアーケードの対戦台に近いが、モニターや機器を人数分持ち寄らなければならないので相当に酔狂な遊びである。 昔のブラウン管TV時代は難儀したが、現在なら薄型モニターとゲーム機を人数分、後はルーターとLANケーブル(シビアコンディションでなければ無線LANルーターで代用可)で出来るようになったので、だいぶ難易度は緩和されてはいるが。 大規模にやるパターンとしては、海外で定期開催されている「DreamHack」や国内の「C4 LAN」等大型会場にて自分のPCなどを持ち込んで(*105)ワイワイする「LANパーティ」というイベントも存在する。 こちらも一昔前だとフルタワーPCとブラウン管モニターを破損する可能性に震えながら運搬していたが、ノートPCの発達、他にもシステムリンク対応の家庭用ゲーム機でも参加出来るようになったので、かなり参加しやすくなっている。 ちなみに、PS Oneを除くPSやSS、DCや30000型以前のPS2にも「シリアル端子」「iLINK端子」等、一般的な有線LAN端子(イーサネット端子)とは全く異なる仕様のシステムリンク用の端子が搭載されており、それぞれ特定のシステムリンク用のケーブルを用いることで、一般的なLANとは違ったシステムリンクが可能であった。 対応例 『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』(Switch版) - 『スーパーストリートファイターII』のトーナメントモードをハード4台の通信で再現。 『Forza Motorsport 3』『Forza Motorsport 4』- マルチモニタ環境をシステムリンクで実装可能。
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ドリームクラブシリーズリンク シリーズ一覧 関連作品 シリーズ一覧 機種 タイトル 概要 判定 メインタイトル 360 ドリームクラブ 「夜のお店」を舞台にした異端の恋愛シミュレーション。初作故の至らなさがちらほら。しかし美麗な歌やダンス等の強み、「ヒロインを酔わせる」という独自性が確立された。 バカゲー PSP ドリームクラブ ポータブル 360からPSPへという無茶な移植をかました移植作。それでも3Dで動いているのは凄いが、やはりロード時間等の犠牲になったものは多い。 劣化 PS3 ドリームクラブ コンプリートエディぴょん! 続編『ZERO』のシステムを逆輸入した、実質完全版。追加要素も多く、無印の物足りなかった部分はそれなりに改善されている。 バカゲー 360 ドリームクラブ ZERO 各種進行の改善と、突飛すぎる新要素を多数引っ提げて登場した続編。前作で消化不良だった部分も盛大にハジけ倒し、異端のギャルゲーとしての道を貫いた。 バカゲー PSV ドリームクラブ ZERO ポータブル PSVのローンチソフトとして移植。無印の『ポータブル』とは異なり良移植。劣化は最低限でPSVの機能を活かしたシステムもあり、十分代用品として通用する出来。 PS3 ドリームクラブ ZERO スペシャルエディぴょん! PS3移植版。全ホストガールに春夏秋冬の私服が揃った。聖域であった「受付」がついにカラオケモードでのみ解禁される。 PS3 ドリームクラブGogo. キャラ総入れ替えが行われた『ドリームクラブ』の新シリーズ。『ZERO』を正確に継承し旧作同様の作り込みだが、新要素ほぼ皆無には評価が分かれる。 バカゲー その他 PS3/360 マージャン★ドリームクラブ 「雀荘ドリームクラブ」を舞台に行われる、まさかの麻雀作品。麻雀ゲームとしてそこそこ丁寧に作られているが、あくまでファンアイテムの枠は出ない。 なし PS4 ドリームクラブ ホストガールオンステージ 基本無料のダンス観賞用作品。DLC頼りの部分も見られる。しかし、14人一斉のダンスシーンは圧巻で機能性も高い。 なし ソーシャルゲーム ※記事作成不可 ドリームクラブ ホストガールコレクション! GREEに登録してプレイする基本無料のスマホアプリ。配信元はD3パブリッシャー。Android版が2013年7月9日、iOS版が2013年8月30日から開始。2014年6月30日をもって両機種版ともに全サービス終了。 関連作品 ホストガールの一人「理保」(双葉理保)がD3パブリッシャーの看板娘として多数の作品に出演しているため、関連作品も多岐にわたる(ここでは特筆事項があるものを掲載)。 その他にはDLCやD3パブリッシャー公式通販での購入特典として、本シリーズのホストガール制服や、ホストガールを模した設置物等が配信されるケースが多い。 機種 タイトル 概要 判定 SIMPLEシリーズ PSP SIMPLE2500シリーズPortable!! Vol.8 THE どこでもギャル麻雀 理保の持ち歌『カンパイ☆LOVE』は、本作主題歌のリメイク・セルフカバー版。『マージャン★ドリームクラブ』では受付によるカバー版が主題歌として採用。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.12 THE 歩兵2 ~戦友よ、先に逝け~ 冒頭の上官からあだ名を付けられる名物シーンがある。そこで『ドリクラ』のホストガールの名前を入れると専用のあだ名になる。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.13 THE 悪魔ハンターズ ヱクソシスター 『ドリクラ』の衣装が「メイド服」シリーズとして登場。 なし 地球防衛軍シリーズ PS3/360 地球防衛軍4 購入特典として魅杏、雪の「ピュアデコイ」が登場。以降のシリーズ作でも定番となる。使用するとホストガールを模した巨大バルーンが現れ、敵からのオトリになってくれる。 賛否両論 PS4/Win 地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR 購入特典として『Gogo.』のホストガール10人のピュアデコイが登場。また、購入特典に『ZERO』『Gogo.』それぞれのホストガールが勢揃いした戦車ラッピングがある。 良 PS4/Win 地球防衛軍5 購入特典として『ZERO』までの13人のホストガール、受付、ユウ&エルのピュアデコイが登場。本作のピュアデコイは「スピーカーが内蔵」という体で歌付きになった。 良 EARTH DEFENSE FORCE IRON RAIN 本作はピュアデコイはなく、衣装としてシャツが着られるのみ。代わりにオペレーターの音声を双葉理保に変更できる購入特典が登場。 PS4/Switch ま~るい地球が四角くなった!?デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE WORLD BROTHERS 理保(双葉理保)、雪、魅杏、アイリがDLCでプレイアブルキャラとして登場。 良 バレットガールズシリーズ PSV バレットガールズ DLCで『ドリクラ』の制服として「ノノノの制服」「花里愛の制服」が登場。ノノノの制服を、ノノノと声優が同じジェリーに着せると専用の台詞がある。値段は『バレットガールズ』が各450円、『バレットガールズ2』が各350円となっている。 なし バレットガールズ2 なし お姉チャンバラシリーズ 360 お姉チャンバラZ~カグラ~ DLCコスチュームとして、ノノノ(神楽用)と魔璃(沙亜也用)の制服が配信。 PS3 お姉チャンバラZ~カグラ~ With NoNoNo! 360版の移植。追加プレイヤーキャラとして『ZERO』のノノノが参戦。同作のキャラデザに合わせた為、顔がやたら濃い。暴走時の姿はお尻がほとんど丸出し。 PS4/Win お姉チャンバラORIGIN 『1』『2』を一本に纏めた大幅リメイク作品。購入特典で亜麻音・雪・魅杏・理保(ボイス付き)を刀の柄や鞘にあしらった武器が登場。 その他 PS2 Love Songs アイドルがクラスメ~ト 双葉理保初出作。本シリーズで「酔った時の会話」として実装されているシステム「ETS」のネタ元。 PS3/360 街ingメーカー4 DLCで街中に建てられる『ZERO』までのホストガール13人の巨大看板が登場。 ク PS4/PS3 夏色ハイスクル★青春白書 ドリクラの制服が衣装として登場。本作の理保の持ち歌である『絶対アイドル☆宣言』を収録。また、ドリームクラブの岡島P「代表」が「校長」として登場。 スルメ PS4/PSV オメガラビリンスZ 購入特典で『ドリクラ』の制服として「ノノノの制服」「花里愛の制服」が登場。 なし PS5/Win カスタムメックウォーズ 購入特典で『ZERO』までのホストガール13人のカモフラージュ兵装やデカールが登場。
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100万$キッド 幻の帝王編 【ひゃくまんどるきっど まぼろしのていおうへん】 ジャンル ギャンブル 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売・開発元 ソフエル 発売日 1989年1月6日 プレイ人数 1人 定価 5,900円 判定 クソゲー ポイント 昭和史最後に発売された歴史的ゲームソフト突然始まるキャラ崩壊カジノ系ギャンブルゲームとしての出来は悪くないただポーカーのベットはかなり面倒くさいノイズエフェクト使いまくりで目に悪い 少年マガジンシリーズ 概要 内容 問題点 評価点 総評 余談 概要 昭和64年にソフエルから発売された『MMR』などで知られる石垣ゆうき氏による少年ギャンブル漫画作品『100万$キッド』のゲーム化作品。 少年マガジンで1986年41号から1988年19号に連載された、少年誌のギャンブル漫画の草分け的存在(*1)。 原作通り、ポーカーやルーレット等といったカジノ系ギャンブルのゲームである。 原作の主人公「二階堂ひろし」は、本作でもパッケージに描かれておりタイトル画面にも出ている。 だがゲームでは彼がプレイヤーキャラではない。 内容 「ドローポーカー」「ブラックジャック」「スロットマシン」「ラスベガスルーレット」の4種類のゲームを搭載している。 ゲームのモードは「フリーモード」と「クエストモード」がある。 フリーモード 上記4通りのゲームをその名の通り選んで自由に遊べるモード。 クエストモード このモードでゲームスタートすると、主人公のひろしが「君の目標は世界のギャンブラーたちに神様と呼ばれている幻の帝王を倒す事なんだ!」と、ザックリしすぎた目的を告げる。 ラスベガスから始まり、モナコ、ニューヨーク、日本を舞台に、その幻の帝王を探すために各地のディーラーとギャンブルで対決することになる。 スロットを除き相手の所持金を0にすれば勝利となる。ディーラーの中には条件を満たさなければ勝負してくれないのもいる。 このモードはパスワードによるコンティニューを採用している。 問題点 目の疲れるノイズエフェクトのムダな多用。 タイトル画面からいきなりそれで始まり、場所を移動すると、現地のグラフィックが出る前に、またそれが発生する。 更に勝負に入る前にも発生する。 操作にタイムラグがあり、連続入力がスムーズにできない。 特にベットする場合、コインの種類を左右で選び、上下で増減させるという、ちょっとややこしい操作性。これは毎ゲーム必須な操作なので、スイスイできないのがテンポを悪くしている。 特にドローポーカーでは相手の賭け額からスタート(*2)するので、せめてボタン1つで最大額を賭けられるなどの配慮ぐらいあっても良かったのでは? 更にパスワード入力もやりづらい。30字はこの当時を思えば短い方ではあるが、上記の通りカーソルがスムーズに進まないことに加え、文字の並びも五十音を12×6に押し込めているため、直感的でなくわかりにくい。 最初の段が「あ」~「し」で、「あ」の下に「す」が並んでいる状態。 文字がオールひらがな。 キャラの名前どころか、本来カタカナで表記する用語までひらがな表記。読みづらい上に、雰囲気も壊している。 当時は『ドラゴンクエストシリーズ』でさえカタカナは限られたものしか使えない時代だったので、容量的な問題はあるのは仕方がないとしても、名前にせよ用語にせよ使用されているのはカタカナが圧倒的に多いので、容量的な問題ならすべてカタカナにした方がまだ合っていただろう。 主人公は名前を入力する点からしても、クエストモード開始時にひろしが「君は」と言っていることからしてもプレイヤー自身なのだが、誰かと対面した一枚絵にいるのはモロにひろし。 因みに上記の通りクエストモード開始時とラストでひろし本人も現れるのだが、その時はプレイヤーのグラフィックが別人(というより影絵のひろし)になるので紛らわしい。 つまり、グラフィックのひろしは、ゲーム開始時は本物のひろし、ゲーム中は主人公(プレイヤー本人)、ラストはまた本物のひろし(しかも、ついさっきまでひろしのグラだったプレイヤー本人まで一緒にいる)というややこしいことになっている。 おまけに、出会う人物がプレイヤーキャラを「ひろし」と呼んでくる。 これなら名前入力も必要なく、原作の主人公ひろしがそのままプレイヤーキャラで良かったのでは?ついでにフリーモードでもこの意味のない名前入力をさせられる。 クエストモードの人が対戦できるのかただのモブなのかが区別がつきにくい。 一度話してみないとわからない上に、上記の通り操作性の滑らかさがないので、用もなく話すことすら鬱陶しく感じる。 メッセージが固定のためかキャラ崩壊が激しい。 最初「おれを なめるなよ!」と言ったかと思いきや、こちらが掛け金の上限を超えて賭けようとすると「かけきんがおおすぎます」だとか「わたしは ぶらっくじゃっくではありません」だとかキャラが全然定まっていない。賭け額のミスを連発していると果ては「あほかわれ! ええかげんに せいや!」と関西弁まで飛び出すなど、シリアスなのかコミカルなのかよくわからないことになっている。 最初やラストのひろしにしても一人称が「おいら」と「僕」が意味もなく混じっていたりとメチャクチャ。 評価点 ギャンブルゲームとして、ちゃんとシステム自体は抜け目がない。 ブラックジャックの「サレンダー(*3)」や「スプリット(*4)」「インシュアランス(*5)」といった細かいシステムなどもちゃんと取り入れられている(*6)。 「ルーレット」に関しても4コマまで賭けられる。 ドローポーカーの相手の立ち回りは単調に見えて時折、ハッタリをかましてきたりとそれなりに思考ロジックができている。 総評 当時、このようなカジノ系ギャンブルのゲームは非常に少なかったため一応珍しいものではある。ポーカーに関しては円滑に進めるための配慮が多少足らないところがあるが、それ以外に関しては入力操作のタイムラグを加味しても無難に楽しめるのでこれだけなら名作ではないにせよクソゲーというほどではない。 しかし、カタカナ主体のゲームなのにアルファベットとひらがなの表記だったり、いちいち入るノイズエフェクト頻発がやたら鬱陶しいなど、阻害する要素が多すぎる。 また、台詞使い回しのためにいきなり起きるキャラの崩壊など細かい部分の作り込みが足りない部分もまた目立つ。 ゲームにおける昭和史の大トリとなった歴史的ソフトには違いないが「それに相応しい名作」とは言えないものになったのは残念なことである。 余談 本作の「ラスベガスルーレット」はディーラーのセリフからおおよその数字が特定できるとの研究結果が報告されている。(参考リンク) 本作とFC版『スペースハリアー(タカラ)』は同日発売で「昭和最後のゲームソフト(*7)」である。 しかもスペースハリアーは元々1985年のセガ作品の移植なので、純粋な新作である本作こそ正真正銘昭和史最後のゲームソフトと言っても過言ではないだろう。 1週間しかなかった昭和64年内発売されたソフトは他に2日前の1月4日に発売された『がんばれゴエモン2』がある。これは昭和最後ではないが「昭和64年発売」となると紛れもなく昭和最後の本作を差し置いてこれが最も取り上げられることが多い。 本作もスペースハリアーも昭和63(1988)年内に発売するはずが順延したためかクレジットは「SEGA 1986 TAKARA 1988」「SOFEL 1988」だが、ゴエモン2はハナから昭和64年内発売を意識していたのかクレジットも「KONAMI 1989」になっているせいとも考えられる(*8)。またゴエモンは後に押しも押されもしないコナミの看板キャラとして定着したこともあるだろう。 経緯はどうであれ、本作は名実ともに昭和最後に発売されたソフトには違いないのに中身がイマイチなためか、インターネットが普及した現在でも、あまりそれを取り上げられない傾向にあるという気の毒なゲームソフトである。 因みに平成最初の発売ソフトは1月14日発売のファミコンディスクシステムの『ハレーウォーズ』(タイトー)とPCエンジンの『ビジランテ』(アイレム)だが、ともにアーケードからの移植(*9)。 なので、これを抜きにして全くの新作となると1月20日発売の『里見八犬伝』(SNK)『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』(アイレム)ということになる。 ただこれらに関しては、「平成」という言葉にまだネームバリューがないせいかまるで注目されていない。